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武漢出身の夫に、武漢のまぜそば「熱乾麺」をつくってエア帰省してみた
今年は帰省できない人、きっと多いですよね。
うちの夫もそのひとり。
今年ばかりか、あと何年も帰れないかもしれない。
だって故郷が、中国の武漢だから。
武漢には、大好きな89歳のおじいちゃんがいるのに。
武漢には、0歳からの仲良しで幼なじみの李欣がいるのに。
武漢には、中国で最高においしいまぜそば「熱乾麺」があるのに・・・。
もしも私の大好きな故郷、東京が同じようなことになったら?
もし今海外にいて、この先ずっと東京に帰れないかもしれないなんて、私には想像ができません。
夫の両親は、今年1月の武漢が封鎖される10日前まで、なんと日本にいました。そのころは「あっ、武漢がテレビに出ているよ!」と、普段あまり日本のメディアで見かけない武漢の様子がニュースに出ていることを珍しがり、私は義母にテレビ画面の写真を撮って見せたものでした。
なんと呑気だったことでしょうか。
この時、直後に武漢に戻ることを、真剣に止めていればよかった。あとになって、家族みんなで後悔しました。
義両親は武漢に戻ってから、3ヶ月間も自宅から1歩も出ずに生活しました。その甲斐あって、幸いなことに健康上なんの問題もなく過ごせています。今は中国の別の場所に移り、安全に暮らすことができています。
でも毎年夏に楽しみにしていた日本への帰省は、やっぱり今回は叶いません。義両親は孫や息子たちの顔を見ることができないし、私たちだって会えない。夫や私や子どもたちみんなが大好きなお義母さんのつくる中華料理を食べながら、義父と乾杯することもしばらくできません。
そこで、ちょっとでも武漢への里帰り気分が味わえたらいいなぁと考えていたところ・・・ひらめきました。
熱乾麺はこれだけのために武漢を旅行したくなるくらい、すっごく美味しい!あのグルメの国、中国でも「中国最高の麺」と評価されたんだそう。
ごまのタレが麺と絡みあってモチモチの食感に。ネギやザーサイなどの薬味がきいてて、食べたことありそうだけど今までなかった最高の美味しさ。
武漢では朝ごはんに食べるのですが、武漢に行くと朝食の屋台が至るところにあり、各地で違う味の熱乾麺が売っています。夫の幼なじみは、これを毎朝2杯も屋台で買って食べるんだそう!わかる。ぺろっといけちゃう。
ちなみに中国語では「热干面」と書き、「ルーガンミェン(re4 gan1 mian4)」のように発音します。
よし、この熱乾麺を内緒でつくって、夫を驚かせてみよう。
エア帰省をプレゼントしよう。
(・・・と、いい嫁ぶったけど、本当は私が食べたいだけ!笑)
さあ、私たちの小さな武漢エア帰省の、はじまりはじまり。
まずはスーパーで材料を買ってきます
●材料(1人分/所要時間 15分)
中華麺 130g
ひき肉 50g
青ねぎ 2~3本
ザーサイや沢庵など漬物 好きなだけ
パクチーや卵はお好みで
●ひき肉に混ぜる調味料
醤油、片栗粉 各小さじ1
砂糖 小さじ1/2
ごま油 大さじ1 ※炒め用
●タレの調味料
芝麻醤 大さじ2
ごま油、醤油 各大さじ1/2
砂糖 小さじ1
トッピングとタレの準備をします(7分)
まずネギやパクチーなど薬味系と、漬物系をみじん切りにします。漬物は今回は「沢庵」を使ってみました。これが意外にコリコリして美味しい!ザーサイを使うと本格的な味になります。
100均の調味料コーナーで、こんなアイテムたちを発見。辛子高菜のようにピリ辛の漬物もいけます。
タレの調味料(芝麻醤大さじ2、ごま油・醤油各大さじ1/2、砂糖小さじ1)をボウルなどで混ぜます。
中華風のねりごま「芝麻醤」は欠かせません!これが熱乾麺の味の中心と言っても過言ではないほど。Amazonでも買うことができます。(芝麻醤は、坦々麺や、火鍋のつけダレなどにも活用ができます)
そしてトッピングにするひき肉には調味料(醤油・片栗粉各小さじ1、砂糖小さじ1/2)を混ぜておきます。
肉を炒め、麺を茹でます(5分)
ごま油をひき、ひき肉を炒め細かくします。
お肉の色が変わったらネギを入れ、香りが出るまで1〜2分サッと炒めたら、お皿に取り出しておきます。
お肉を焼いている間は、麺を茹でると時間の短縮ができます。表示時間通りに茹でて、水をよく切って乾かします。
今回はこの麺を使って、4分半茹でました。ラーメンなどに使う中華麺であればなんでもOKですが、太めがおすすめです。
のせて混ぜれば完成です!(1分)
さあさあ!朝ごはんの屋台の準備ができました。武漢だとこんな風に、麺やタレやトッピングが屋台に並んでいて、オーダーするとその場でお店の人がひとつずつ混ぜてつくってくれます。
はじめに麺をいれ、タレをかけ、お好きなトッピングをのせて完成です!お好みで、花椒や胡椒をふりかけるのもおすすめ。ピリッと辛さがアクセントになります。食べるラー油も合います。
エア帰省。夫の反応は、いかに?
卵以外をまぜまぜして食べます。武漢の朝ごはんではおなじみの、豆浆(ドウジャン)と呼ばれる温かい豆乳も添えてみました。
雰囲気をより武漢に近づけるため、武漢で撮った長江の風景写真も壁に貼っておきました。夫は私が朝からバタバタとプリンターから写真を出して、壁に貼って・・・ということをしていたので、何が起こるのかずっとソワソワしていました。
熱乾麺が目の前に出てくると、夫はびっくりしてくれました。それもそのはず、私が作れるなんて思ってないですから。
壁に貼られた謎の武漢の風景写真と見比べて、「やっと事の輪軸がはっきりしてきた」とか言いながらも、ちょぴっと嬉しそう。ふふふ・・・お楽しみはこれからよ・・・
そして「本当においしいの?」とかぶつぶつ言いながら、もぐもぐ。私自身も試作は何度かしましたが、夫に食べさせるのは初めて!どうかな、おいしいかな、ドキドキ・・・
さすが武漢人だけあって、混ぜる手つきもこなれています(笑)
すると!「なかなかいいじゃん」とか言いながら、食べ始めて4分後には完食してました。は、早すぎるよ。隣で3歳の息子も、もぐもぐと夢中で食べていました。
しかも自家製豆浆ことホット豆乳まで、飲み干してる(笑)これは想定外。ミッションコンプリートです!!!
あの美味しい熱乾麺が自分で再現できるのか?ちょっと不安でしたが、こんなにあっさり「中国最高の麺」ってつくれちゃうんだと思いました。実際にかかった時間を計ってみたら、なんと13分で完成したんです。
飛行機だと片道4時間半もかかるのに。
次は、いつ武漢に行けるかな?この景色を見ながら、義母のつくってくれる料理を囲んで、義父と一緒にお酒を楽しく飲める日が、早く来ればいいな。
それまでは当分、熱乾麺をつくって食べながら、過ごしたいと思います。おふくろの味を、オンラインで教えてもらって再現するっていうのは、後世に繋がる帰省の仕方なのかもしれません。
今回、息子にもなかなか食べられない武漢料理を食べさせることができ、「爷爷(おじいちゃん)と奶奶(おばあちゃん)の住んでいる武漢の料理だよ」と教えることができたのがよかったと思っています。
そして!熱乾麺をつくって、これらの写真を印刷して壁に貼れば、武漢へのエア旅行ができちゃいますよ(笑)ぜひとも一緒に行きましょう。
ではではまた。
小森谷 友美 (🐤Twitterはこちら)
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