私を救ってくれた言葉(2)
私は自分が嫌いだった。
今でも完全には好きになれずにいる。
今はもう思わないけど、以前は、
もし私がもっと明るい性格だったら、
とか
もし私がもっとかわいければ、
とか思った。
そしたらもっと上手に生きられるのかな。
たらればから解放してくれたのは夫だ。
当時彼氏だった夫、私は彼に見合う女性になりたくて、
彼に捨てられない女でいたくて、必死だった。
それこそ嫌われそうな言動だが、
あれができない、あんな風になれないと投げやりに話す私に、
彼は、
「そのままでいいよ。そのままのチナミが好き。」
と言った。
目から鱗だった。
そのままでいいなんて。
「俺の好きな人がチナミなんじゃなくて、
チナミが俺の好きな人なの。
だからそのままでいい。そのままで好きだよ。」
どうしてそんな風に人を愛せるのか、
不思議で、嬉しくて、愛おしい。
そのままでいい、という全肯定は
私を救ってくれた。
そのままでいい、という言葉は、私のこれまでの
人生や選択すべてを肯定してくれるように感じた。
上手くいかないことはいくらでもある。
でもそれはそれでいいのだ。
心の広い夫が、安心をくれた。
私には、夫ような広い心はまだないけど、
ちょっとずつ、彼のように
安心と優しさ分けられるように
なれますように。