見出し画像

ファシリテーションは実践が大事ってわかっているけど...。行動の壁になるのは何なのか

ファシリテーションを実践するときの壁になるのは、「学ぶ=教わる」という固定観念と、手軽にチャレンジする機会や余白がないことだと、京都大学総合博物館の塩瀬先生とお話して学んだ。
実践を促す方法を卒論にするために、まずは行動の壁になるものを整理してみる。

行動の壁①「学ぶ=教わる」という固定観念

ファシリテーションを学ぶ入り口を、「経験者からノウハウを学ぶこと」にすると、行動に移すのが怖くなることがある。
え、それ以外の入り口があるの?という感じだが、、

先にノウハウや全体像の知識を得ると、それだけで満足してしまったり、「こんなときどうしよう」「じゃあこうなったらどうしよう」と無限にリスクを考えて踏み出せなくなったりしてしまうと塩瀬先生が教えてくださった。

全体像を知ってから実践に移るという学習観の根底には、「学ぶことは、教わること」という固定観念がありそうだ。
私たちの多くは学校という場所で教わることに慣れすぎて、「学ぶ=教わる」になっている。すると自ら学ぼう、やってみようとする意欲がなくなってしまう。
(こちらも参照;
佐々木英和 (2005).「教えるー学ぶ」関係についての理論的考察ー「教えるー教わる」関係から「生きるー学ぶ」関係へ 宇都宮大学教育学部教育実践総合センター紀要, 28, 341-350)

また伝える側も、「ファシリテーションを教えたい」「ここまで学んでほしい」という想いが強いのだと思われる。
けれど、教え込むことは、本人が気づく機会を奪っているのだと塩瀬先生がおっしゃって納得した。
求める前に与えられると、その必要性や貴重さがわからないので、使える知識にならないんだなと思った。

行動の壁②チャレンジする機会や余白がないこと

2つ目の行動の壁は、初心者の段階で気軽にファシリテーションを実践できる機会や余白が世の中にも少ないこと。
ファシリテーションを学ぶプログラムが、設計しつくされたものが多いから、
「このレベルにいかなければ人前で実践しちゃいけないんだ」「習わないとできないんだ」と実践の前に参加者は思ってしまう。

講師が練習して準備したものを披露する場だと、ショーの域を出なくなる。それは相手を見るだけの参加者にしてしまう」(塩瀬先生)

ファシリテーションはスポーツのように、本来はまずやってみて失敗して、上達していくものだけど、学びたい側も伝えたい側も、学習者の実践の機会をつくらないと、なかなか上達できずに月日が流れてしまう。

じゃあどうすれば、安心して実践に移れるのか。
「正統的周辺参加」という理論に基づいて、徐々に関わりしろをつくる方法を次のnoteで紹介していく。

いいなと思ったら応援しよう!