アナログアシスタント時代のハナシ:9 『ブチ切れ騒動』編
ラスボスの話…私は書いてて
だんだんしんどくなってきたのですが・・・・・・・
ここは最後まで頑張って書きます…ゼイゼイ…
業界にはこんな痛いやつが確実にいて
しかも死滅してないし、今はデジタル作画が中心なので出会う事もなくなってると思うんですよね…
だから、こういう奴はさらして
注意喚起しておこうと思ったのでした。
誰にも頼まれてませんが、これは
私の自己満足でしかありません。
でも、こういうやつが多いのも事実。
さて、私はエロマンガ論争から
こいつが嫌いなので、仲良くなんか
やっていくつもりはありませんでした。
かといって、別にケンカしたり険悪な
状況になるつもりもなく、別にこいつと
一生いる訳じゃないし、月に一度の
事だし…と思って平面上は普通に
接していました。
色々と他の先生のアシスタントに
出向いているようなので、いろいろな
仕事場の話は、聞いてあげたし
私も色々と会話の流れから
自分の経験を話す事もありました。
しかし、偉そうな態度と上から目線で、マンガ業界を語るわりには、今後も一切投稿作を描くつもりはないみたいなので、嫌味のひとつとして
『まあ、こうやって口先だけではなく
投稿作を描かないと漫画家にはなれませんからね』
というと、
『あっ言われてしまった…』
と言った。世の中の人はこいつの上から目線な態度や話を、みんな聞き流して相手にしてこなかったのだろう。なので増長し放題で、ろくに知りもしない業界を、数件のアシスタント先に行っただけで知ったつもりになっているこいつの鼻っ柱を、叩き潰してやりたくなったのだ。
『マンガを描かない漫画家志望って、
腐るほどたくさんいますし、
これまでにも、たくさん見てきたけど
マンガを描きたいんじゃなくて、
漫画家というポジションに
なりたいだけですよね?
取材と言い訳してる時間なんて
私はムダだと思ってるので、そんなムダな
時間があったら、一作でも話のプロット作って持ち込みますけどね』
10歳以上年下の私に言われたのは
さすがにカチンときたらしく
翌月になるとネームという、原稿に入る前までの
担当さんとの打ち合わせに描く
下絵の下絵…的な物を持参したので
みんなに読んで欲しいと言うのだ。
たしか、12ページに満たない短編で
ストーリーマンガというものではなく
わかる人だけに解るシュールな作品だった。
正直にいえば『オレ、変わってるんだよね』と
自称する平凡な男そのもので…
今だと中二病の典型的な解りやすい例となる。
こんなの何人もいるし、編集さんからも聞かされてきたし、特別でも珍しくもないし変わってもない。変わっていて個性的で、才能のある人は自分の事を平凡で普通だと思い込んいたりするものだ(-_-;)
変わったものを描いて。自分は他の人間と違って個性があると言わせたいんだろうなーというのが読み取れたので、これ、私のような
若輩漫画家でも鼻につくから
編集さんが見ても相手に
されないケースもあるよなぁ…と
思ったのでした。
投稿先は、当時ギリギリあった『ガロ』
だというので、先生は
『正直言って面白いとも思わないけど
これが描きたいならちゃんと仕上げて
持ち込みに行ったら?』
というので、私もうなづきながら
『私も面白いとは思わないし、自分がこれにお金を出すかといえば絶対に出さないけど、自分が描きたいと思うなら、まずは仕上げてみて、作品として人に見せた方がいいのでは?』
と、けっこうキツイ意見を出した。
だってホントにそう思ったんだもん。
意味もわかんないし、クソ面白くもないし
魅力も感じないし。
でも、本人が描きたいなら描くしかないし
これを仕事として報酬を得ようとするのは無理だと思うけど
とりあえず今、これを描きたいなら描いたら?…っというのが、正直な感想だ。
私と先生の突き放した感想に続いて
Yさんは、私と違って優しいので、少し褒めて
『独特の世界観ありますよね!これ、好きな人は好きなジャンルだから
小学館のビックコミックオリジナルとか
ちょっと短編で面白いのを載せてくれる大手も
あるから、とりあえず完成させてみなよ!』と
言ったのだ。(Yさん、ホント優しい人なんだ…面倒見良いし)
我々にボロクソにけなされると
思い込んでいたらしいので、意外にも
誉め言葉もあって、調子に乗ったんだろうと
思うんですが…
『そうなんですよね。まずは、ガロで
小手先で腕試ししてから、大手で勝負しようと思って』
と、ほざいたので、私の怒りが沸いたのだ。
『あぁぁ?…人が仕事でやっている事を、小手先ってなんだよ。お前の小手先が通用できるもんならしてみろってんだよ…なにが腕試しだよ。じゃあその腕みせてみろってんだよ…』←また江戸弁出てる
険悪な私の言動に固まる優しいYさんは、
『そうだね、人が仕事でやっている事を小手先なんて言っちゃダメだね』と
私や40男漫画家志望をなだめるように
その場をおさえてくれたが、
私の怒りはおさまらなかった。
『何が小手先で腕試しだよ…プロを舐めないで欲しいですね。あんたごときの小手先が通用するほど甘い世界じゃないんで!』
私の怒りにまずい事を言ってしまったと思ったのか、やたらうろたえて居る態度で口を開けたまま言葉を失っていた。もしかして、内心はカチンときたのかは知らないが、何も答えずに黙るのだった。
小手先?腕試しだぁ?
ガロで描いている作家さんたちに失礼だし
ガロを作っている編集さんたちにも失礼!
そして、描いたこともないくせに
自分の小手先が通用すると思っている
クソ図々しい言動や根性が許せない。
そして、天下の小学館
ビックコミックオリジナルに向かって
腕試しの後に勝負だと?なめんじゃねえよ!ここで描いている人たちがどれだけ苦労してここに掲載されていると思ってんだよ!そんな想像もできないくせに!お前なんか全力でやったところでデビューどころか、相手にもされるか!(この雑誌で描いている作家さん知っているので余計に腹立つ!)
こちとら、集英社でデビューしてから
(この時点では)10年近くプロやってんだ!
私やここにいる、このクズ野郎以外の
先生も含めて3人全員、全力でやっても
仕事のない時や上手くいかない事を
経験して今があるのに、小手先だの
腕試しだの言いやがるので、
完全にブチギレですわ💦
…気がつくと、江戸弁丸出しで低い声出して
威嚇してましたわ…。
いかんいかん、社会人なんだから
べらんめい口調で話すと、みんな
驚いちゃうでしょ?💧反省反省…
そんな訳で、私がこいつに遭遇したのは
これが最後となりました。
仕事終わりかな?
ヤツがなぜか言い出したのですが
『以前、口調やタイプや顔もそっくりな人に
同じこと言われたことがあるんですよ・・・』
私に向かっていうので
『同じこと言われても、まだ改善する気はないんですねー』
と言って、笑顔でこの日の仕事は終わりました。
私が会ったのはこの時が最後なのですが、この仕事場で次回、決定的な事件が勃発するのでした・・・・
ええ、まるでコントかギャグのような…
今となっては笑えますが💧
次回に続きます。
※私は漫画家なので、文章は素人だから
文章は有料にはしません。
最後まで無料公開します。