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アナログアシスタント時代のハナシ:12「イマジナリー彼氏からの求婚」

今回もイタイ女のアシスタントFさんの話、後編です

最初はね、あんまりにも痛すぎて気の毒なので、彼女の事は書くかどうか迷っていたの。だってさ、40代の投稿作を一度も描いたことのない漫画家志望の男は、「ガロ」や「ビックコミックオリジナル」を舐めていて、エロマンガを見下して、さらに直接個人を攻撃したから、返り討ちにしてやったんだけど・・・Fさんの場合、全部自滅なんだもん。
私が手を下すまでもなく勝手に自滅していって、勝手に沼にハマって勝手に落ちているんだもん(-_-;)

                ★

Fさんは男性に免疫がないみたいなので、同じ職場にいる10歳以上年下のDくんをやたら意識していました(;・∀・) Dくんは、前編にも書きましたが、アシスタント業界では珍しいオシャレ男子で、背も180㎝くらいなので、彼女の身近には今までいなかったんだと思います。なのでやたら過剰に意識していたのです。私とDくんが付き合うんじゃないかとまで言い出していましたから…

Dくんは彼女もいるし、Fさんみたいなタイプが苦手なので、正直に言うとバカにしていたし見下していました。かなり露骨にバカにしているので、さすがにちょっとそれは私からDくんに注意したくらいバカにしていた。

 Dくんは、かなり私に甘えていて好意的でした。私の誕生日にちょっとした入浴剤をプレゼントしてくれたり、風水や占いにも興味があるようなので、私の知る限りの知識で色々話していました。(お財布買い替えるみたいだったので、買う時のアドバイスとか、家具の位置とかね)彼の地元のパワースポットを教えると、実家に帰った時に家族で行って、おみやげ買ってきてくれたこともありました。私の弟と同じ名前(字も同じ)だったので、私も弟扱いだったし、向こうも1人っ子だったので、姉のような感覚だったからこそ仲良しだったんだけどね。(お互い異性として意識なんかしてないよ) それも彼女からしたら、羨ましかったみたい。

 Dくんは、先生がどんなに頼んでも、彼女とのラブラブな話はしてくれないので、私はあえて若い頃の彼氏とのバカップルぶりを話して笑いをとっていました。先生もその流れで過去の恥ずかしい話を告白( ´艸`)←女子会っぽい話大好物!ごはん何杯もイケる!

こういうのが、とても羨ましかったんだと思います。なのでことごとく私にマウントをしかけてきている事は解っていたのですが、相手にはしませんでした。だって、私にとってFさんは別にどうでもいい人だったんで…存在忘れるくらいに(;^^)

 みんなの話から、自分にも恋愛経験があると、マウントしたかったらしく…Fさんはこれまで一切出てこなかった彼氏の話を急に持ち出してきたのです。(ぶっこんで来たな~)

「彼氏に結婚しようって言われたけど断ってやった!」と武勇伝のように語るのです。
正直言うとこの時点で嘘だとは思ったのですが、あまりにも高飛車に偉そうにまるで鬼の首でも取ってきたかのように言うので、
「好きだった人に結婚申し込まれて断ったことを、そんなふうに人に自慢はしないんじゃない?」とツッコんだら、
「別の女を妊娠させたから断ってやった!」と苦しい言い訳を打ち出してきました。(さらにぶっこんで来た…)

「妊娠させた方を捨てて、妊娠させてない相手に結婚申し込むって…リアリティのない話だよね。そういう状況が本当だとしたら、あなたの事はとりあえず、つなぎ留めたいから結婚を持ち出したように思えちゃう。あなたの方が浮気相手で、妊娠した子の方が本命なんじゃない?」と、ツッコんでいくと、D君は完全に嘘だと解ってるんで、そこで思わず笑っちゃったんだよね(-_-;)

そうすると、次から次へと苦しい言い訳してきて
「相手の女が彼氏に無理やりせまったんだ」とか「彼氏は私が本命で、私しか好きじゃなかったはずだ!」とか言い出すんで
「彼の気持ちは彼にしか分からないものでしょ?それに浮気されたほうは、誰でも自分の方が本命だって、そりゃ言い張るよ?遊ばれた側なんて、誰でも認めたくないから。その妊娠させられた子が、本当にいるんだとしたら、その子だって、あなたの事を浮気相手で、彼は自分しか好きじゃなかったって言い張ると思うよ?」

納得いかないのか、首を振りながら下を見るだけ。私の顔を見ない。多分ね、嘘をついている時には彼女は人の顔を見れないんだと思う。

「相手に迫られようが何しようが、本当にFさんを大切に思っている人なら、こういう時にそんないいかげんな状況で、思い付きで結婚を持ち出したりするのかなぁ?」
というとDくんは、完全にFさんをバカにしていて…
「しないっスね!」と、断言(-_-;)

「浮気相手の女が妊娠したから急に言い出したから、断ってやった!」
半分キレながら反論になってない反論してくるのよね…なので
「いや、別に断ったことは否定してないよ?あなたがしたくないっていうなら別にそれはあなたの勝手だし断れば? そうじゃなくて、なんでわざわざ、別の女を妊娠させたタイミングでそれを言うのか、意味はわからないよね?順番おかしいでしょ?ツッコみどころ満載過ぎて話にはならないよね?本来は…」

「でも、普通は確証もない相手にわざわざ求婚なんてしないんじゃない?男だって断られたら傷つくんだよ?でも仮にね、こんなKYな現状目の前にして、結婚を持ち出すとしたら、それは普段からFさんの方が結婚したがっているように相手には見えていたんじゃない?だから結婚持ち出せば黙ると思ってたんじゃない?じゃないと、別の人妊娠させてるのに、違う人に結婚持ち出すって、支離滅裂でしょ・・・いくらなんでも、無理ない?」

すると何故か「別に好きじゃなかったし!」とキレ出すのだ💧

「…あのさ、これ、私が一番解らない思考なの。好きでもない人と付き合ってたの?向こうが結婚を持ち出すほどの関係なのに?じゃあ、別にいいよね?好きじゃない人と付き合ってたんなら、自分が好かれてなかったことには文句言えないよね?だって、好きじゃなかったんでしょ?浮気されても、浮気相手の子を妊娠させてもいいよね?好きじゃない人なんでしょ?だったら、断ってやった!なんてわざわざ自慢しなくてもいいんじゃない?」

彼女はそのまま黙ってしまったのでした。

「あのね、相手を傷つけたことを自慢するって人としてどう?例えばね、あなたが告白した相手が『この前、告白してきた女がいたけど、断ってやった!』なんて職場で偉そうに言ってたら、傷つかない?立場逆だったらどんな気持ち? 私は、あなたと違って好きな相手としか付き合わないから悲しいし辛いよ?恋愛は相手があっての事なの。申し訳ないけど、今の話には相手が存在しているようには感じなかった。あなた以外の登場人物が見えてこないの。」

「(彼氏)いたし!!」彼女は私の目を見ずに手元だけ見て、つぶやくように言ったけど…苦しすぎる💦
Fさんがキレだすのでついついこっちもムキになっちゃって(;・∀・)追い詰めてしまった(;'∀') 今考えてみればおそらく、自分にも彼氏がいたって事で私にマウントしたかったんだろうね。←相当ライバル視されてたんだな~私…

浮気相手の子を妊娠させても(?)自分にプロポーズするくらいFさんに夢中で、Fさんの事が熱烈に好きな男がいた…というイマジナリー彼氏の設定にしたかったんだと思うのよね。「私はそんなに相手が好きじゃないけど、相手は私に夢中だった!」って設定つけたかったから「振ってやった!」…って言い出したんだよね(-_-;)

自分は相手をかけらも愛してないのに(相手を愛する気もない)、相手には無条件で絶対的な愛を望んでいるという、彼女の傲慢な気質も見えたよね。こりゃ誰にも愛されないはずだよ…

可哀想だから言わなかったけど、どうやって浮気相手の妊娠した女を知ったんだ?(-_-;)女が直接Fさんに殴り込みに来たんだとしたら、彼氏振ってやった!なんてエピソードよりも、相手の女が直接対決に来たってエピソードの方がインパクトないか?じゃないとしたら、彼氏が自白する?何のために?結婚申し込むような女に「浮気相手妊娠させたんだけど結婚しよう」なんていう男いるか?頭おかしいでしょ?もうさ・・・ツッコみどころ満載過ぎて、どこからツッコんだらいいのか解らないくらいに不出来すぎる作り話でしょ。これ、本当の話なわけないでしょ・・・

そもそもネタとしても妊娠した女いるか?余計な登場人物だよね(-_-;) 私が担当なら「この妊娠させられた浮気設定の彼女削りましょう。必要ありません。話が明確になりませんから、読者が混乱して話が伝わりにくいです」っていうかも・・・正直言って、ネタとしてもツッコみどころ満載で、話を作る能力が全くない事がここで露呈したよね?…

…これ、10代とか20代とかなら、未熟さもあるし、人生の経験値が足りないだけだから、許されるんだよ?40歳の女がこれって・・・

先生もD君も最初から嘘だと解ってたみたいで、仕事終わりに彼女が先に帰った時に、先生はひっそりと言い出した(-_-;)
「こじらせて ああいう事言う人、この業界多いよね。多分、もしかしたら、これまで付き合った事とかないんだろうね」と言ってた(;・∀・)
Dくんは「また、嘘じゃないスか?原作者デビューの話も同居人も、犬も、どうせ嘘なんじゃないスか?」と笑っていた…。
ほらね、誰にも何も信じてもらえなくなってる。狼少年の童話じゃん…

Fさん…思考回路も幼稚なので、次の仕事でDくんと私が、ちょっと真面目な恋愛に関した話をしていた流れで、私が彼と別れた時の話をしたら…

「リアリティがない、信じられない。嘘なのでは?」と言いだしてきた。

別れ話にリアリティ?何で別れた状況が嘘な訳? Dくんは、完全にバカにして何も言わずに半笑い(-_-;) ←コイツ…悪いやっちゃ

なので、呆れたというよりもあまりにも哀れなので

「別にあなたに信じてほしくて話してないので、嘘だと思っててくれてもかまわないけど?」

と言ってDくんと話を続けたが、独り言のように首をかしげながらブツブツ「リアリティがない…信じられない」と、言ってたが、無視して取り合わなかった。

色々と事情があっての話なので、リアリティとか嘘という次元の話じゃないんだけど…。
どうやら「リアリティがない」という言葉を使ってみたくなったみたい(;・∀・) でも、何が「リアリティ」という意味なのか理解してないみたいね。使い方違うし…(;'∀')

私に言われたのが悔しかったんだろう。自分のついた嘘がバレたのもプライドが傷ついたんだと思う。だから反撃したくなったんだけど、反撃するほどの語彙もなければ、自分の思想やポリシーはないわけだよね。
なので、なんとなく横文字の賢そうに聞こえるワードである「リアリティ」という、私の語彙を真似るのが精いっぱい…(;・∀・) そして、私の今の話のどこが嘘で、どこにリアリティがなくて信じらないかの説明は出来ないわけ。分析能力がないんだろうね…こういう分析能力のなさ、漫画家には致命的だよ?

結局、この仕事場でもあまりの仕事の出来なさで、先生にも何度も何度も注意され続けて…居心地が悪くなったので辞めていった。背景どころが小物も描けないとなると確かにここの仕事場では通用しないから、時間の問題ではあったんだけど・・・。

そしてYさんに、
「先生"たち"、Yさんの悪口言ってましたよ」
という連絡をしてきたらしい。私の覚えている限り、先生がYさんの悪口を言っていた記憶はない。そして【たち】って事は私も悪口を言っていた事にされたのだ。
Yさんは、もちろんこんな知能の低い幼稚な戯言には取り合わず「だから?」と言って相手にしなかった。(さすがだ!しゅてき!)

…普段から嘘ばかりついているのに、どうしてこれを信じてもらえると思えるのか…謎である。

何でこんな自分を上に見せようと必死なんだろう。こういうの、思春期で終わらせろよ…せめて20代で終わらせてくれないかな・・・。40過ぎてこれって、痛すぎるよ。

自分は自分でしかないの。自分に自信がなければ、虚勢を張るんじゃなくていい加減それは受け入れないと。自分は能力もないし、特別な才能もないし、選ばれし者じゃないんだよ。そして、それを卑屈に感じてもダメだし、卑下してもダメ。今の自分を認めないと、成長も出来ないよ?『ステキな自分』なんていないの!いもしない『ステキな自分』探ししている人多いけど、死んでも見つからないの!

彼女は柔軟性や共感性に欠けてしまうから、漫画家に一番向いてない思考だと思う。
やっぱり、漫画は共感してもらう事を上手く伝える仕事なので、虚言癖のある人や人を見下して上から目線で話す人には向かない仕事だなって、これを書きながら実感してしまいました。

なんかさ・・・・哀れだよね。今回は怒りよりも哀れになっちゃって、思い出すとなんか悲しい人だな~と思う。おそらく生涯デビューも出来ないし、一生嘘をつき続けるんだろうなぁ・・・

正直言ってこれを書いたのも良かったのかどうか考えちゃう…

でも、多いんだよね。自分の事を高評価しすぎている人。「自分はこんなところにいる人間じゃない」とか「自分は人に使われる人間じゃない!使う人間だ!」とか中二病こじらせてしまった人…自覚もなければ改善の余裕もないんだろうね。

ある種羨ましいよ、そこまで自己肯定感が高いのって。私はかなしくなるほど自己肯定感が持てずにいるから、自分の能力をそんなふうに過信できない。だって、見渡せば自分よりも能力の高い人しか世の中にはいないじゃない?

ここまで頑張ってきたのに、私って出版社からしたらクズ扱いだよ?だって、代表作もヒット作もないんだもん。頑張っても報われないの知っているもん。こんな自分を過信なんかできっこないよ。

でも私はしぶといの!ここで腐って漫画を放棄したり諦めないの!

必死にお仕事を貰いながら、それを次に繋げていく為に、貰った仕事はたとえ他人から見たら駄作でクズ作品かもしれないけど、精一杯全力尽くすしかないと思ってる。自分には才能も能力もないから余計にね。


おわり

※また、何か思い出したらこの記事を更新します♪
今度はなにか笑えるネタを💦 書いてて辛くなってきた(-_-;)



Yさん、ご協力ありがとうございました(^o^)

Yさんが調べてくれて分かったんですが・・・シリーズ7~10の投稿作を描いたことのない40代漫画家志望の年齢が、当時45歳以上であることが判明しました(;・∀・)
ヤツの大学の漫研の後輩である漫画家さんの年齢を調べてくれたの。そっか…確かに、その作家さんより上って事だもんね💧

うっそ~ん!…私が思ってたより上?(;・∀・)

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