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その百合は、100日後に散る。2年に進級して早々、 クラスメートの立川咲季に一目惚れしてしま…
金曜日、学校から帰ってきて、ベッドに身を投げて、たまった疲労感が口から抜けていく。それと…
一目惚れをしてしまった。 小説の面白さは、最初の3行で決まると聞いたことがある。 要は、…
毎日書くことがあると思ったら大間違いだ。 何の目的もなく学校に通っている女子高生にとって…
お寿司は好きだ。 特にサーモンが好き。 私の親は、サーモンは生臭いと言うが、 私はむしろ…
休日は暇だ。 私は部活動にも入っていないから、 基本的に休日は暇である。 友達もいないし…
お弁当のおかずを交換するシチュエーションに憧れている。 私が、ではない。 目の前にいる、監物風薇が、だ。 そういうシーンは、 フィクションの世界でしか見たことがない。 第一、人のお弁当にそこまで興味がない。 それがよほど美味しそうなら、 「美味しそうだね」 とか、言うことはあるかもしれないけど、 だからと言って、 食べたい訳じゃない。 今日から授業も本格的に始まり、 昼を跨いで、きっちり6限まである。 教師は、 「もう受験は始まってるんだ」 など
立川咲季は謎の多い女だ。 休み時間になると、 消える。 いや、消えてはない。 彼女が教室…
「今日は外で食べよう」 昼休み。 監物風薇が誘った場所は、 いわゆる中庭だった。 いくつ…
よく寝た。 昨日はとても疲れた。 通学路の桜はほとんど散ってしまったけれど、 葉っぱが目…
肥料の三要素。 窒素、リン酸、カリウム。 窒素は、植物の体や葉緑体の構成元素としてとても…
来ない。 立川が来ない。 土日を挟んだとはいえ、 もう学校を休んで5日目だ。 大丈夫かな…
「百合はダメだ」 風薇は、きっぱりと否定から入った。 「そうなの?」 「立川の病室は、個…
扉を開けるのは、 いつだって、緊張する。 その向こうに、 私の知らないものがあるかもしれない。 私の嫌うものがあるかもしれない。 私を嫌うものもあるかもしれない。 昨日までいた立川は、 今日の立川とは違うかもしれない。 それでも、私は、 どんな立川でも、 会いたいと、 そう、 思えるから。 病室の扉の前に立つ。 大きく深呼吸。 ドアを、開ける。 「あー!金子さん!こんにちは」 「あ、こ、こんにちは」 ”こんにちは”という挨拶は、 友達にす