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【ゼミ紹介】鈴木ゼミ:夏ゼミ合宿 第2回! ベトナム ハノイ編
こんにちは、鈴木ゼミです。
夏ゼミ合宿、第2回目である今回のフィールドは、ベトナムの首都である「ハノイ」。
現地では、ベトナムならではの環境問題や日本語教育の現状、ハンディキャップを持っている方の就労(学習)支援など、幅広いテーマについて考察しました。
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以下、ベトナムでの学びを少しだけ共有させてください!
1. ベトナムの混沌した交通事情とそれに伴う環境問題
ベトナムの交通状況は、ひとことで言うと「イモ洗い状態」です。
信号は形だけで、実際にはほとんど機能していないようです。
現地の人によれば、信号を守ろうとすると逆に玉突き事故が起きてしまうことがあるとのことで、帰宅ラッシュ時には、車線など関係なく、隙間があれば車やバイクがどんどん入り込んでくるため、身動きが取れなくなることもあります。
このような車・バイク社会のベトナムでは、主に二つの交通関連問題が指摘されています。
➀ 車やバイクによる排気ガスの排出量の多さ
② バイク利用者のヘルメットの着用が適切に行われていないこと
これらの問題を解決するために、お話しをお伺いした「AIP Foundation」をはじめとするさまざまな機関が市民の意識啓発や適切なヘルメットの販売促進に取り組んでいますが、解決には長い時間がかかる見込みとされています。
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2. 日本語教育の現状
ベトナムでは、日本語学習者の数が年々増加傾向にあると言われています。
大学の日本語学科で日本語を学ぶ人、専門学校で学ぶ人、独学で習得する人など学習方法は多種多様です。
その中でも特に印象に残った学習環境は、「LETCO」です。
ここでは、日本での就労を目指す人や、日本への留学を希望する学生が主に勉強しています。
卒業までには、JLPTのN2を習得している人が約6割と効率良く日本語を習得することができる環境が整っているという印象を受けました。
一方で、授業開始前後の礼儀正しすぎる挨拶には少し驚きました。
海外の人から見る「日本人」ってこう見えているのかと異文化の見え方に興味が沸きました。
自分が持っている人に対するイメージ(例えば、「九州や東北の人はお酒が強そう」や、極端な例では「アメリカ人は毎日ハンバーガーを食べていそう」など)も、実際に自分が直接見聞きしていないにもかかわらず、第三者による固定概念からきている考え方なのかもしれないと感じ、情報が錯綜する社会に置いて情報の取捨選択の重要性考えさせれた瞬間でした。
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3. ハンディキャップを持っている方の就労支援
1週間のベトナム滞在を経て、ベトナムはハンディキャップを持っている方に対して非常に優しい社会だと感じました。
その背景には、ベトナム戦争が多く関係しており、枯葉剤の影響で、国民の約8%がハンディキャップを持っているとされています。
そのようなベトナムでは、障がいを持っている人でも充実した生活を送ることができるよう、さまざまな支援施設が存在します。
例えば、「Vietnam Friendship Village」 では、個々人の障がいの度合いや趣味・嗜好に応じて、編み物や縫物、機織り、紙折りなどの活動が行われています。
これらの作業は非常に繊細で高度な技術が要求されます。
技術習得には約10年かかり、制作には1年弱を要する大作もあります。
それにもかかわらず、販売価格は2,000,000ドン(日本円で約1万円)であり、時給に換算すると20円にも満たないことがわかりました。
これらの背景には、適切な販路確保や情報発信の不足があると考えられ、議論や新規開拓の余地がある分野だと感じました。
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上記で紹介した事柄以外にも、通称「シルク村」と呼ばれるシルクで生計を立てている村に潜入したり、雨水を飲み水に変えるフィルターやシステムを構築している機関や学生が経営するアップサイクルショップにてお話を伺ったりと、新しい学びが多くあった1週間でした。
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また、学術的な学びの他にも、自分の価値観にも大きな変化を及ぼした1週間だったと感じます。
なんというか、自分の中にあった「当たり前」の基準値が良い意味で下がった気がします。
例えば、日本ではトイレとバスタブが異なる部屋にあり、シャワーも完備されていて、お湯が出るのが一般的で、このような設備が整っていない場所は、率直に言うと「劣っている」と感じていました。
しかし、ホテル3泊(雨漏り、エアコンが効かない、お湯が出ないシャワー等なかなかにハードな宿泊体験)とドミトリー3泊を通じて、実はそうではないということに気が付かされました。
ドミトリーでは、「最低限度のものを揃えた部屋と水回りが整備されている」と説明されました。
具体的には、2段ベッドが2つ、鍵付きロッカーが4つ、机1つ、椅子2つ、さらに水回りにはトイレ(トイレットペーパーを流せない水栓トイレ)、シャワー、手洗い場が完備されていました。
最初にこの宿泊施設を見たとき、設備のシンプルさに驚き、かなり絶望的な気持ちになり、「他のホテルを探す?」という話が学生の中で出るほどでした。
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しかし、現地の人や同じドミトリーに宿泊していたフランス人やオランダ人、鈴木先生の話を聞くうちに、「最低限度のもの」という表現の意味が次第にわかってきました。
ここでの「最低限度」は、世界水準で見たときに人間が基本的な生活を送ることができる環境を整えることを意味していたのです。
つまり、日本の基準での「当たり前」を求めるべきではないということ。
水が流れるトイレ、シャワーをひねれば水が出ることすら、世界水準で考えるとすごいことだということに気づかされました。
共同生活を通じて、その意味が少しずつ理解できるようになったとともに、日本という国の水準の高さ、世界水準で見たときに環境が整い過ぎているが故に、良くも悪くも異常であることもわかりました。
文章で書くと、どうしても薄っぺらく感じでしまうのが悔しいですが、異文化を受け入れられたとかそんなもんじゃなくて、自分たちのなかにあった「こうあるべきである」といった「当たり前」の価値観がいい意味で下がった気がします。
なかなか上手く言葉で表現できないのが悔しいですが、総じて、新しい発見が多くあった非常に有意義な1週間のベトナムFWでした。
ご協力くださったベトナムのみなさん、ありがとうございました!
訪問先
・CSDS(Center for Sustainable Development Studies)
・Vietnam Friendship Village
・Hanoi University
・Keep Vietnam Clean
・AIP Foundation
・Mgreen Co. Ltd
・Gravity Water
・Greenlife
・LETCO (LABOR SUPPLYING AND TRAINING COMPANY supplying laborers to Japan)
・Vun Arts