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膠原病のSLEを当事者が優しく解説してみよう

ちまる優しい解説シリーズ


SLEとは

SLE(Systemic Lupus Erythematosus、全身性エリテマトーデス)は、免疫系が自分の体の健康な細胞や組織を攻撃してしまう自己免疫疾患の一つです。

「全身」を意味するsystemicと、「狼に噛まれた痕のような赤い斑点(紅斑)」を意味するlupus erythematosusに由来します

この病気は
関節、皮膚、腎臓、心臓、肺、脳、血液など、体の様々な部分に影響を与える可能性があって、結構厄介な病気です。

SLEの特徴

SLEは大体が発症したら慢性化する病気ではあるけど、急に症状が現れることもあります。

症状が出る時期を「flare(フレア)」と呼び、何も症状がない時期を「寛解」と言います。

SLEの症状は個人によって様々に異なりますが、次のようなものが一般的です。

  • 関節の痛みや腫れ:特に手や足の小さな関節に痛みを感じることが多いです。(左右対称に出ることも多いので面白い)

  • 皮膚の発疹:特に、鼻の上や頬に蝶の形をした発疹が現れる「蝶形紅斑(バタフライ・ラッシュ)」が特徴です。

  • 疲労感:非常に強い疲れを感じ、日常生活に支障が出ることがあります。

  • 発熱:原因不明の微熱が続くことがあります。

  • 腎臓への影響:腎炎を起こし、腎機能が低下することがあります。

なぜSLEが起こるの?

SLEの正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、以下のような要因が考えられてます。

  1. 遺伝的要因:家族にSLEや他の自己免疫疾患を持つ人がいる場合、SLEになるリスクが高まることがあります。

  2. 環境的要因:紫外線(特に太陽光)、感染症、ストレスが発症の引き金になることがあります。

  3. ホルモンの影響:女性ホルモンであるエストロゲンがSLEに関与している可能性があり、特に女性に多く見られます。SLEは女性に圧倒的に多く、特に妊娠や月経周期との関係が注目されています。

私の場合は母が別の膠原病患者で、ストレス溜まると薬の量が増えちゃいます。

どのように診断されるの?

SLEの診断には、症状だけでなく血液検査や尿検査が重要となります。

特に、抗核抗体(ANA)という免疫系の異常が見つかる場合があります。

体の各細胞には、赤血球以外はほとんど核(DNA)を持っていますが、それを攻撃してしまうバグ免疫システム搭載ということです。

また、他の病気と区別するために、複数の検査を組み合わせることもあります。

SLEの治療

SLEには根本的な治療法はまだ見つかっていませんが、症状をコントロールし、生活の質を維持するための治療があります。

治療には、以下のような薬が使われます。

  • 抗炎症薬:痛みや腫れを和らげるために使用されます。

  • 免疫抑制薬:免疫系の過剰な働きを抑えるために使います。

  • ステロイド:炎症を抑えるために用いられるが、副作用に注意が必要です。

日常生活への影響

SLEとともに生活する上で、自己管理が非常に重要です。

ストレスを避ける、適切な休息を取る、紫外線に注意するなど、日常生活での注意が必要です。

また、医師との継続的な相談や定期的な検査が重要です。

まとめ

SLEは、免疫系が誤って自分の体を攻撃してしまう自己免疫疾患で、関節、皮膚、内臓など様々な場所に影響を与える可能性があります。

症状は個人差が大きく、治療によって日常生活をうまく管理できることも多いです。

早期の診断と適切な治療が、症状の進行を抑え、より良い生活を送るために重要です。

SLEの患者さんにとって、症状や治療法をしっかり理解し、自分自身の体調を見つめながら、医師と協力して病気と向き合うことが大切です。

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