ネットの誹謗中傷について思ったこと
先日、『テラスハウス』出演者の木村花さんが亡くなった。公式発表ではないが、SNSでの発言などから誹謗中傷が原因と広く認識されている。
もちろんネットでの誹謗中傷は許されるべきことではないが、ただ怒るのではなく生前の彼女の発言や実際に投げかけられた誹謗中傷の内容を調べてみることにした。
※現在は誹謗中傷リプの多くが表示されていないようです。
Twitterの悪質なリプといえば、捨て垢による粘着や正義感のゴリ押しといったイメージを持っていないだろうか。私はそのような先入観を持ってしまっていたため、実態との違いに驚くこととなった。
彼女に投げられていたのは、「お前がいなければ」「消えてくれ」といった汚いわけではないが強い感情がこもった言葉であった。むしろ、直球の罵倒の方が「彼らは悪い人なんだ」と思える余地があったかもしれない。
木村花さんを中傷していたのは、ひたすら"感情"を募らせた一般人だったのである。それもおびただしい人数の。
彼らをここまで駆り立てた番組構成が気になるところである(視聴者の大多数は善良な方々と思われるが)。
そもそも、人を真に追いつめるのは悪意や批判ではなく負の感情なのではないだろうか。
「言葉が人を殺した」といった言説も見受けられるが、それは表面的な見方にすぎない。
ここ数日で誹謗中傷はやめようという旨の言説が増えたが、それもまたこの事件によって傷ついた心を癒すためであり、根本的な解決には繋がらないだろう。
モラルの低下を嘆く声もあるが、そもそも一般的な人間のモラルなど信用に値するものではないのだ。感情のまま誹謗中傷をする人間がいることを前提に、提案したいことが2つある。
私は『テラスハウス』を視聴していないので番組内容への批判は控えるが、彼らの憎悪の感情を煽ったのが番組であることは間違いないだろう。
過度に番組の出演者にヘイトを向けるような演出は控え、同じような事件が二度と起こらないことを切に望む。
また、誹謗中傷をダイレクトに受け取ってしまうのも危険だ。SNSアカウントにもモデレーターが介入できる仕組みがあれば、有名人の運用の助けになるのではないだろうか(例:YouTubeなど)。
感情は伝播するものである。我々にできることは、スルースキルを身につけて負の感情の連鎖を断ち切ることしかないのだ。
なお、この記事を書くにあたって、こちらのページを参考にさせていただいた。
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