
no excuses
だから、
と出鱈目を置く。爪先は違うのだろう、
向こうを向いて。あ、
サワガニが逃げる。横向きになりながら、
此方を伺う。だから、
躰の中心線から半歩左。視線を外す間もなく、
「あらためまして、
そう挨拶をして、
黄色い線をはみ出して、
歩く。飛び方がいけない。もっと、
こう。arche/
弧を描くような、
曲がり方。忘れるのだから、
その笑い声も、
その髪の色も、
手紙を抱える時の。記憶の中で輪郭線だけが、
たとえば、
壁紙の色だとか。そんなつもりで、
躰の中は水浸しになっていく。そんなつもりで、
水晶体の透明度を測ってしまう。純粋ですか。訝しげに覗いてくる、
その奥には一つのパンと、
一杯の水。それを半分にして、
置いた。