世界に届けたい、シーサーの想い
こんにちは。カラフルアーティストのチルワカです。
今回は、この二匹のカラフルなシーサーの原画作品に込めた想いや、描いたきっかけを紹介したいと思います。
シーサとは?
あなたは、シーサーは知っていますか☻?
沖縄に行くと玄関の両際や屋根の上に飾ってある置物。
これを見ると「あー沖縄に来たなぁ、異国の雰囲気感じるなぁ」と沖縄独自の文化にワクワクした気持ちになります。
虎やライオンが好きな私はなんだか昔から好きなシーサーです。本土の狛犬に似ていますね。
シーサーは沖縄で獅子を意味し、実はオスとメスで対になっています。
「災難を防ぎ、悪霊を家に入れない」魔除けの役割そしてお家の守り神として置かれています。
口をとしているのは、メス。「福が逃げない様に掴み、幸せを逃さない」
口が開いているオスは「福を呼び込み、邪気に噛み付いて追い払う」と言われているそうです。
そしてコロナが始まった
20ヶ月に渡り47都道府県旅した私たち。
丁度帰って来た、2ヶ月後にコロナが始まった2020年。
まだ「コロナとはなんなのか」未知のウイルスに世界中がパニックになっていた時です。外出禁止、マスク着用。
海外に行くもの「ワクチンは?行けるのか?」
そんな中、舞い込んで来た話が「World Art Dubai」というドバイで行われるアート展示会への参加のお話でした。
帰国後は、2週間自宅隔離。公共交通機関は使わない。行きは、五万円のコロナ陰性証明書が必要。
「海外でもしかかったら?」
色々な条件や不安が無かった訳ではありませんが、海外に行けるきっかけをもらった私は迷うことなく参加を決めました!
自分はアートで何を届けられるのか?
さて参加を決めたものの、どんな絵を描いて行くのか。私にとってアーティストとして大きなチャンスであり、ワクワクする参加。
世界中がコロナ禍で、落ち込むニュースが多い中、せっかくなら「見てくれた人やお迎えしてくれた人がハッピーになる。」
そんなアートを持って行きないなと考えました。
様々な宗教が混合するドバイ。宗教上、好まれない動物もいるので通常よりも慎重に悩みました。
そんな中、47都道府県の旅、最後の目的地沖縄から帰って来たばかりの私。
旅の最後で、五感がビンビンだった私は目に見えるもの見えないもの、とにかく色んなものを沖縄で感じて帰ってきました。
沖縄での出来事が強く私の中に残っていた事で、頭に浮かんで来たのは「シーサー」だったのです。
心に残った沖縄での出来事はこちら↓
いつか自分のシーサーを描いてみたい。そんな風に思っていた事から「幸せを呼び込み邪気を払ってくれる」守り神の日本の獅子。
「早くコロナが収束して世界が平和になりますように」そんな想いを込めて、海外に連れて行く事に決めました!
悩み抜いた怒涛の1ヶ月。
ドバイ参加の1ヶ月前、私は宮崎移住の為に関東から車で南に下る車中泊の旅の途中でした。
生活に必要な2人の荷物を詰めて、夫と私、猫のおもち。まだ住む場所も家も決まっていない。
「早く絵に取り掛からなくては!」初めて描く大作の二枚。
どれだけ時間がかかるのか、かなり焦る私の気持ち。
ギリギリで古民家を決めた私たちは、がらんどうの家を整えて生活する準備をしながらの絵に取り掛かる事になりました。
何もない押入れを改造して机に。
朝目覚めて、絵を描き始め、ご飯を食べて、夜中の3時頃まで絵を描く。
そんな日々を数週間つづけてこのシーサーに取り掛かったのです。
見えないものを描く
正直、絵を描く時下絵をさらっと書くものの完成図はいつも私にも見えていません。
フワーッとオーラだけ見える感覚です。
どんな色でどんな顔なのか、どんな背景なのか、完成まではっきり見えないのです。
それが面白くもあり、作品作りにエネルギーを使う所です。
2、3日かけて描いたものを消しては書き直す。そんな事を何度も繰り返す作業。
何十時間もかけたものを消す瞬間は、
「今までの時間が無駄になった」という落胆の気持ちと、「納得したものを描きたい!」という狭間で気持ちで、泣きたくなる様な複雑な気持ちになります。
「必ず良いものを仕上げたい、世界中の人に幸せを届けたい」
そんな強い思いで取り掛かったシーサー。
細かな線に線を重ねる。これでもか!と細部まで描き込んだ作品。
正直もう同じものは描けません。描きたくないくらい細かいです笑
今回、持って行ける1枚の大きさに制限があった事もあり、できる限り迫力が欲しかった私はオスメス対になる構成にしました。
目指すは「一枚でも完成している。でも対になって初めて本当の完成になる」
そんな絵にしたかった私は、普段は感覚で色を決めますが計算的な感覚で配色を決めました。
幸せを掴むメスは女性らしく、ピンクやオレンジ、優しい色合いをメインに。
そして、母なる大地、風や自然をテーマにしました。
細かい専門的な事を言うと、赤色をテーマに反対色であるグリーンまでを取り入れています。
よく見てもらうと太陽やお花が見えてくるかと思います。
そして、邪気を払うオスは男性らしく、水や火をテーマに強く勇ましく追い払うイメージを。
少々荒々しいオス。渦巻く水と火の力で悪いものを追い払ってくれるオーラを表現しました。
こちらは黄色から反対色の青色までを使用する事で、シーサーは2枚が並ぶ事で7色が揃うアートに仕上がりました!
太陽、植物、水、火。どれも生きていく中で私たちに必要な自然の力。
「忘れてはいけない、自然の恵みの恩恵」
この恐怖のコロナも、私達人間が好き勝手をした事によって作り出してしまった物ではないかと。
もう一度原点に立ち返らなくてはいけない。
目に見えない精霊たちを私なりに具現化したんだと思います。
命の目
この絵を描く事で、一番苦労した場所があります。
それは「目」
だるまや龍、最後に目を入れるといいますが、生気を宿す場所。
0.0mmの世界で顔が変わります。
目の色合い、見ている場所、光の反射。納得いく顔になるまで、何度も何度も描き直しました。
左右の色を変えている為、特にオスのブルーの中の奥行きが納得いくまでとても難しかったのです。
正直毎日ずっと見ていると何が正解かわからなくなります。笑
なので、1日時間をおいてまた見直す。
そうして数日かけて、出発の前日まで悩み抜いた目に生気を宿したシーサーが完成しました。
そして、それぞれのシーサーの体に入った模様。
メスは桜、オスは鱗。
光の反射で光る模様は、生き生きした表情を見せてくれます。
世界を旅したシーサー
世界中の何百人とアーティストと作品、そしてお客様が集まる空間は、その場に居るだけで興奮するくらいエネルギッシュな異空間でした。
本当にたくさんの方に、このシーサーを見ていただく事が出来ました!
インド、アメリカ、台湾、イギリス、世界中の方達とこのシーサーへの想いについて語り、すごい刺激とエネルギーをもらって帰って来ました!
あの空間に存在する事ができたシーサー。
今でも鮮明に思い出す3日間の熱とパワー、喜びや感動を受けて帰ってきました。
こちらの猫ニャンもこのドバイで頂いた製作のきっかけです。
間違いなく、パワーの篭った作品。
自信をもってお届けしたい私の一品です。
行き先はこのシーサー達がきっと決めるはず☻
ご縁がある方へ、繋がっていきます様に。
最後まで読んでくれてありがとうございました!