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大腿筋膜張筋(TFL)は悪者ではない

今回は大腿筋膜張筋(以下,TFL)について学んでいきたいと思います。

突然ですが、あなたはTFLについてどんなイメージを持っていますか?

  • Knee-out(膝内反)で過緊張することが多い

  • TFLの過緊張により大腿外側部に疼痛が発生する

  • 中殿筋MMT評価時にTFLの収縮で股関節屈曲の代償動作が出現する

これらのイメージがあり、悪者にされる場面が多くある印象です。(私だけが思っていることかもしれませんが…)

こういった印象からリラクゼーションなどを行い、筋緊張を緩めようと考える人が多いと考えられます。

しかし、TFLは歩行や片脚立位において重要な筋であるため、ただ筋緊張を緩めようとすると、かえって歩行や片脚立位時に悪影響を及ぼす可能性があると考えられます。

そのため、今回の記事でTFLの重要性についてしっかり理解していくことを目標にしようと思います。それではよろしくお願いします!



【TFLの起始停止&作用】


林典雄,運動療法のための機能解剖学的触診技術,p151


【片脚立位時の筋活動はどれくらいなのか?】


永井 聡,股関節理学療法マネジメント,p110 表を参考に作成

この表は片脚立位時の股関節外転筋筋活動をグラフ化したものです。

なんと、小殿筋、大腿筋膜張筋、中殿筋の順に筋活動が高いことが分かりました!
この報告をみたときとても驚きました。

中殿筋の筋活動が一番高いと勝手に思い込んでいたので、今までの考え方が覆りました。

この項目で伝えたいのは、大腿筋膜張筋が中殿筋よりも働くということです。


【歩行中の役割】


TFLは立脚期中に大殿筋との同時収縮によって腸脛靭帯にかかる力のバランスをとるように作用する。

荷重応答期(LR)

・大腿筋膜張筋の収縮は、腸脛靭帯前面の張力を増加させ安定性を補助する。
・大腿筋膜張筋後部線維の股関節外転に作用する伸張性収縮時の筋張力は、最大筋力の25%に達する。

立脚中期(MSt)〜立脚後期(TSt)

・等尺性に収縮し、腸腰筋による股関節屈曲を補助する。
 同時に腸脛靭帯の緊張が膝関節の内反を防止する。
・立脚後期において、股関節は伸展位となるので、大腿筋膜張筋前部線維は伸 張性に収縮し、屈曲および外転に作用する。この時点におけるTFLの筋張力は 最大筋力の100%

このことから、立脚期のほとんどの相で役割があり、股関節の安定性に寄与していることが分かりますね。

立脚後期まで働きがあるイメージが今までなかったので、
また一つ、立脚後期で注目すべき点が増えました。学びの結果です。

はじめに言いましたが、TFLは悪者として考えてしまうことが多かった私ですが、

これらのTFLの役割を学ぶことができたことで、
ただ単にTFLを緩めていいというわけではないことが分かりました。

本記事内容は個人的見解を含むものです。すべてを鵜呑みにせず参考にしていただけたらと思います。

そして何より、学んでいく楽しさを忘れずに自己研鑽していきましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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