自分の名前を知って、どんどん好きになっていく
昔あまり自分の名前が好きではなかった。
親に名付けの理由を聞いたら「昔お母さんの友達にちづるちゃんて言う子がいて、すごく性格の良い子でそういう子になってくれたらなと思って」
聞いた時は名前(漢字)自体に意味や思い入れはないのか…とちょっとショックを受けた。
会ったこともないけど素敵なちづるさんから取っただけなんだ、と。
●色々と不便な名前
「あ、"す"に点々じゃなく、"つ"に点々です。」
よく間違われて何度訂正したか。
でもパスポートの英語表記は"zu(ず)"だったりして。
「鶴って漢字でどう書きますか…」
そうだよね、鶴なんて日常生活で書かないよね。
高校の時、英語の外国人の先生の初回の授業でChizaru (チザル)って呼ばれて友達と「恥ずかしい猿と書いて "恥猿(チザル)" !」と息ができなくなるぐらい笑ったこともあった。
英語圏の人からするとzuの単語がなく、パッと読めず発音も難しいようだ。
なんてグローバルな時代に不向きな名前なのか。
●あだ名のしっくり感
高校の時、部活が一緒になった子に自己紹介したら「じゃああだ名は鶴(つる)だね!」と言われた。
今までちーちゃんとかなんか可愛らしいあだ名で呼ばれてむずむずしてたのが鶴(つる)と呼ばれた時にすとん、とすごくしっくり来たのを覚えてる。
漢字をそこだけピックアップして読み変えてその部分をそう捉えるのか、と目からウロコだった。
可愛すぎず、でも愛嬌がある。
そこから私はあだ名は鶴(つる)を推している。10何年もののお気に入りだ。
おばあちゃんぽい呼び方だから親にはそんな名前で呼ばれてるの、とイジられてるのかとちょっと心配もされたけど。笑
友達には鶴から派生して色んなあだ名のレパートリーを生み出してもらった。
ことば遊びの延長のような感じでたくさん名付けて名前を呼んでくれた。
こうして呼びにくい自分の名前の幅がどんどん広がっていって今では自分の名前がとても好きだ。
しまいには今まで興味なかった鶴モチーフについつい目が行くようになっていった。
ヘッダーの箸置きも鶴だから購入した。
鶴モチーフは和風なとこ(もの)に大体ある。ほぼ100%ある。
旅館、お寺、神社、和室、着物、お城…
日々「お鶴さん探し」をひっそりやるのが楽しみになっていった。
●自分の名前を解釈したらたくさんの人と愛にあふれた名前だった
自分の名前を漢字と言葉の意味から改めて調べてみることにした。
千羽鶴という単語がある様に、病気から立ち直れたり健やかにいれそうな名前だとは昔から思っていた。
加えて「鶴は千年」、家系もあるけれど自分は長生きしそうな気がしていた。
だからこそなのか実際おかげさまで大病を患うことなく元気に過ごせている。本当にありがたい。
漢字の成り立ちと意味を調べた。
「千」…数字、壮大、実り豊か、様々
成り立ち : "横から見た人"の象形(多くの人)に一本の横線
「鶴」…長生き、縁起のいいもの(吉祥)
鶴は一生連れ添うので夫婦仲、仲良きことの象徴(夫婦鶴)
鳴き声が遠くまで響く→天に届く、天上界に通ずる鳥(=鶴の一声)
自分の名前に多くの人と愛に関わる意味がこめられていると思わなくて驚いた。
鶴が一生つがいで連れ添う一途な愛らしい鳥なのも知らなかった。
今までたくさんの人に出会う機会も多く、友人にも恵まれてきたし、仲良くいられる関係性もたくさん築けてきた。
いつの間にか名前の通りに生きてこれていたのかと思うとちょっとじーんときてしまった。
名前がたくさんの縁を呼び寄せてくれたのかな、とか。
後付け、こじつけかもしれないけど私の名前にも知らずに込められた意味がちゃんとあったんだなって私なりに解釈してみた。
この先、様々な人と出会って実り豊かな、健やかな日常を送って、その先に友達でもパートナーでも鶴のような一生連れ添う人と過ごして行く人生を歩めたらなと思う。
人から頂いた名前と思っていたけれど、
また自分の名前が好きになってしまった。
愛着が湧いたお鶴さんモチーフ探し、ライフワークとして続けていこう。
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