見出し画像

小さな放浪 朝

小さな放浪先で迎えた朝。肌寒い曇り。日除けのつもりで持って来た上衣が役立った。

身支度を済ませ、朝の散歩に出る。ホテルのエントランスを出て、何となく気の向いた方へ歩く。標識や立て看板を見ながら気になる方へ足を進める。最初に気になったのは「夏目漱石旧居」という案内板。路地を進むとその住まいはあった。そういえば、夏目漱石の縁の地であると何かで読んだことがある。

朝早かったので
公開時間の前だった。

キャリーケースをひいたビジネスマンや自転車に乗った学生さんが目的地を目指す中、わたしはあてもなく歩く。水路に沿って歩くことに決めた。途中、花菖蒲が咲いていたり、人家に金糸梅やジューンベリーが実をつけていた。

県庁所在地、街のど真ん中なのに、
水の透明度に驚く。

後から友だちに聞いた。水道ひねると、このお水が出るらしい。いいなぁ、、✨水の綺麗なところに住むのがわたしの夢のひとつ。

水路に従って、湖を目指すことにした。わたしの中で湖は、丸い楕円のイメージなのだけれど、こちらの湖は複雑な形をしている。アーティストの坂口恭平さんが、パステル画にした場所、確かこの辺りの場所もあったはず。

何か知っている臭いがすると思ったら、そうか、動物園だと気が付く。確か、この湖に動物園が隣接していたはず。散歩中のご夫妻とすれ違い際に挨拶を交わしたり、ジョギングをしている海外の方がいたり、犬を連れて散歩しているご老人、ベンチに佇む人。見知らぬ土地の見知らぬ人々。その景色の中で、自分は完全な異物で、景色に溶け込めていないような気がした。此処は他所様のまち、薄ら寂しい気分だった。歪な形の湖の側面を片側制覇して、何て読むのか分からない町名や人家の表札を横目にホテルへ戻った。結構な距離を歩いたと思う。チェックアウトを済ませ車へ。

さて、何処へ向かおう。ここからはスマホの出番。気になる場所やお店をチェックして、移動時間やルートを割り出す。朝はお腹が空かないので、食べ物系は午後に一気に集中。観てみたい🌳に逢いに行くことにした。樹齢を重ねた巨樹が好きなので、訪れた場所に巨樹がないか探す習慣がある。北の方に🌳があるらしく移動してみる。

え、こんな場所に?というような、普通の道中に突然ドデンと居らした樟🌳

樹齢800年
高29m
幹周りが13.3m

優しい感じの🌳だった。神社の御神木みたいに、厳重にぐるぐる巻にされておらず、囲いも緩やかで自由な感じが良かった。重さに耐えられない枝には、支柱がされてあって、町の人からきちんと保護されていた。

巨樹とトモダチになることを勧めてくれたのは主治医だった。最初は、え?へ?と思ったけれど、気の合う巨樹🌳と実際に出逢えると心が落ち着く。会話ではないけれど対話をしているように感じる。倉本聰さんが実際にそうされていると知り、凄く嬉しくて感動したりした。幸田文さんも樹の本を書いておられる。気の合わない🌳もあり、怖くて近づけなかったりする。屋久島の🌳は、わたしには恐かった。今行ったらまた違うかも知れないけれど。

🌳触るとほんのりあたたかい

怪しい小さな放浪者のわたし、笑
🌳との戯れに満足して、食べ物系に向かうことに。道中、🍉ののぼりをいくつか見かけて、スイカの名産地だったことを思い出す。せっかくなのでgetしたい。

至るところが🍉だった

生産者さん毎に試食も出来て、お店の方に🍉の保存方や特徴を説明して頂いて、納得して選んだ🍉。価格もそれなりだったけれど、味も鮮度も抜群だった。わたしに金銭的な余裕があるなら、🍉好きの人に配りたいくらい美味しかった。わたしは果物好きだけれど、🍉は、ひと夏に3回くらい食べたら充分。

連れ帰った🍉、包丁を差した途端にパリンと割れた。鮮度が凄い、ツルが新鮮。甘い✨

3日間冷蔵庫の🍉に会えるのが
楽しみだった。
とびきり美味しかった✨


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?