フローによる成長 3
最近のフローを起こしにくくなっている子供の背景には、物に恵まれすぎていることも関係しています。玩具や知育玩具といった物は、これらを作った製作者の意図があるため、主たる養育者たちはその意図を察して子供に教えたり、遊び方が違うと修正してしまったりします。
これは正に、主たる養育者が操作的になってフローゾーンに入れ、出来るようになるよう成長させてしまっています。
では、フローを起こしやすい子供の環境というのは何でしょうか。
それは、TVでも時々取り上げられる、どろんこ保育として見直されている環境です。
これは、単にどろんこが良いのではなく、どろんこ遊びの環境がフロー体験をするために適した環境だという事です。
砂や土や石、水や草木といったものは、子供が遊ぶために意図して存在しているものではなく、それぞれの役割が合って存在しています。つまり、意図された玩具として考えると、砂や土や石や水や草や木はつまらない物(退屈な玩具)という事になってしまいます。
このような自然環境で遊ぶ事を、退屈だといって遊びたがらない子供であったら将来はとても心配になってしまいます。それは、退屈を自分で紛らわすことが出来ない、事態を自ら打破できない人だからです。
子供達の多くは、砂や土や石や水や草や木で遊ぶ事は出来ると思います。
しかし、それも1人で遊んでいては長くは続かないでしょう。
その退屈をどう楽しむ時間にできるかは、周囲を見て情報を得て自分もやってみたいことを見つけるなりアレンジするなりして、自然の中で遊ぶことを飽きずに続けられる環境が必要です。
自然の中で遊ぶことの先輩として、主たる養育者や周囲の大人達は、子供に対して操作的にならないようにしながら、自らやって遊んで見せてあげることが大切です。