人を助けるとはどういうことか エドガー・H・シャイン 著 ネタバレ
人を助けるとはどういうことか
HELPING How to Offer, Give, and Receive Help
エドガー・H・シャイン 著
を読ませてもらった。
ネタバレを含むが、助けるということをあらためて考えさせられたいい本だったのでご紹介したい。
一見簡単そうな支援でも、どのようにふるまうのが相手にとってヘルプフルなのかを常に考えながら支援することが大切だ。
私たちは、相手が何を求めているのか分からないのに、独りよがりな支援をしようとする。
まず、何をなさりたいのですかと質問することが大切だ。
必要でもなければ望まれてもいないときに支援してはいけないのだ。
逆に、長期に支援が必要なのに途中で辞めてはいけないのだ。
つまり、相手の求めるものを支援しなくてはいけない。
支援は社会的プロセスだ。
何がなされるかではなくどのようになされるかが大切だ。
相手のことを本当に思えば、返礼をさせない自然な形の支援が望ましい。
ましてや、恥をかかせたり、面目を潰すようなことをしてはならない。それがたとえどんなにその人のためになりそうなことであっても。
支援とは、社会的な通貨だ。
英語でも、ペイという。
注意を払う
敬意を払う
賛辞を送る(ペイザバイパー)
良い形で、周囲に支援をすることが信頼関係を築くことにつながる。
支援をマウントに使ってはいけない。
支援をしたことで、たとえ意図はないとはいえ、自分の優位にしてはいけないのだ。
支援をする側は特に、礼儀を大切にする必要がある。
敬意と品行をもって接することがとても大切なのだ。
自分を一段低い位置に身をおくことともいえる。
ワンダウン に身を置く。
そうすることで、できるだけ支援者と非支援者の差をなくす。
支援する側とされる側は、平等ではない。
支援する側は、上の立場となるからそれを理解して接することが大切だ。
支援をするときは、助けて欲しい人が、本当は何を助けて欲しいのか深く想像することが大切だ。問題を解決して欲しいのではなく、共感して欲しいだけかもしれない。
真の問題が何かを知ることが大切だ。
支援を求めることによって相手の注意を向けさせたいだけなのかもしれない。
何らかの理由で支援を求める人は、全てを話してくれないかもしれない。
支援者は、いかにクライアントのことを知らないのかを知った上で進めるべきだ。
そして、本当にクライアントが心を開くのは、信頼関係が築かれた後になる。
答えを伝えることが支援ではないことも多い。
自分で見つけ解決することを遠回しに支援する方法もある。
相手の気持ちを聞き出すのには、控えめな質問も有効だ
具体的には、
どうなっているのか教えてください
続けてください
どうされましたか
全てお話しいただきましたか
他にも何か思い出しますか
などの質問だ。
実行しようとしていることにフォーカスしてもらうのも有効だ。
自分でできていることに気づいてもらうのだ。
何かを提案したり、答えを教えようとすることは、マウントをとりがちになる。
だからこそ、自分で見つけてもらうための質問をうまくすることが大切だ。
なぜという質問は、時には強すぎることもある。
気をつけて使ったほうがいい
相手の気づきを促す過程で、私にとっては大したことではなくても、クライアントにとってみれば大きな気づきということも往々にしてある。
クライアントの様子を感じながら、支援することが大切だ。
常に、控えめな質問をうまく使うことが大切だ。
大体終わったなと思った時でも、
もう少し、気持ちを軽くするために何かできることはありませんか?
などと言った質問をする。
支援しようとする努力がうまく受け入れられないこともある。
支援する側、される側、気持ちの準備が整っている場合はうまくいくが、どちらかの準備が整っていないときはうまくいかないのだ。
不用意な励ましは最小限ん意志なければいけない。
わかったつもりにならず、これはあなたの問題なので、私は完全にわかるわけじゃないというスタンスで構わない。
答えを見つけ出すのは、クライアント自身だ。
プロセスの支援であって、答えそのものを与えるわけではない。
自立しつつお互いに共同できる信頼関係を築けたら素敵だ。
誰もが誰かに頼られる存在になっている。
自然な形で支援したりされたりする。
そんな素敵な人間関係の中で過ごしたい。