ボクらの太陽シリーズの好きな楽曲をみんなに発表します③【続・ボクらの太陽編】
はじめに
「続・ボクらの太陽 太陽少年ジャンゴ」(ゾクタイ)の好きな曲をみんなに発表します。
この作品は個人的にボクタイシリーズの中でも語りきれないほどの思い出と思い入れがある作品で、好きな曲について書くだけでも「あれについても触れておくべきか、本題から脱線しすぎるので省略するべきか」等々考えているうちになかなかのボリュームになってしまいました。書いても書いても何か書き忘れている気がするんですが、まあそんなこと言ってたら一生終わらないので公開に踏み切ります。
ゾクタイの音楽の好きなところというと、前作よりさらに増した「マカロニウェスタンっぽさ」ですね。それはギターの音や特徴的な口笛の音が使われる頻度が増えたのが一役買っているように感じます。あと、ボクタイらしさが一気に増す、男声っぽい「バンッ」とか「ボン」とか「バンボン」って音が使われるようになったのも今作からですかね。これはふざけてないので聴けばわかってもらえると思います。
作品としてのゾクタイは、一貫して「光と影」をテーマに描いていたように感じます。それはボスの正体が影であったり、主人公のジャンゴが暗黒の力を手にすることになったり、そういうゲーム的な部分ももちろんですが、「強い光は同時に強い影を生む。逆もまた然り」ということをストーリーを通して描いているように感じました。もちろん前作のストーリーありきではあるのですが、個人的にシリーズの中でも今作のストーリーがいちばん好きです。
で、そのストーリーが好きが故に残念な点がひとつありまして。今作ゾクタイってシリーズで唯一、ストーリーをくり返し遊べないんですよね。ラスボスを倒したらラスボス戦の直前まで時系列が巻き戻されてしまう。4以外のロックマンエグゼとかゼルダの伝説ブレスオブザワイルドと同じ形式です。セーブスロットもひとつしかないから最初からストーリーを見たければデータを消すしかないという。そこが本当につらい。
前作からストーリーは地続きの続編になりますが、システム面は色々と手が入っています。特に前作は攻撃手段といえばほとんど飛び道具の太陽銃だけというゲーム性だったのに対し、ゾクタイでは最序盤で太陽銃が奪われるので飛び道具は使用せず、基本近接戦闘で攻略していくゲーム性になっています。ラスボス直前まで太陽銃を取り返せないという展開はずいぶん思い切ったなぁと思いました。いざ終盤で太陽銃取り返しても使いづらくて結局使わないし。
脱線したので戻ります。基本的に曲の紹介の仕方は前回と同じですが、曲数が思っていた以上に膨れ上がってしまったので特に紹介したい3曲には曲名の前に☆をつけています。でも全部聴いてほしい。
記事の最後におまけで今作のボス戦とロックマンイベントをまとめいる動画を貼っておきました。目次から飛べるのでそれを先に見てもらっても良いかもしれません。
本題
◯太陽
ゾクタイタイトル画面。ゾクタイのテーマ曲でもありますね。もう一生分は聴いたと思います。テーマ曲というだけあってこの曲のフレーズが本作のあらゆるところで使われています。
みなさんはゲーム内の時計の設定にあわせて流れる春夏秋冬のコール、それぞれジャンゴとサバタのパターンをコンプしましたか?
◯太陽少年ジャンゴ
主人公ジャンゴのテーマ。当然のごとく前述の「太陽」のフレーズが使われています。「太陽少年」のテーマにしてはシブすぎないか?と思いつつそこがいい。主人公らしくイケイケだったり派手な曲ではありませんが、どこか静かに強い意志を感じる曲調がジャンゴそのものを表現していると思います。
この曲は「宝物庫」のダンジョンでも流れるのでジャンゴのテーマじゃなくて宝物庫の曲だと思っていたのは自分だけですか??
◯魔笛
今作の大ボスである「黒きダーイン」の登場するタイミングで大体流れる曲。口笛の音が特徴的ですね。バカかっこいい。
後々さらっと明かされるのですが、前作に出てきた「伯爵」は元々ダーインの配下にいたのがダーインを裏切ってヘルに寝返ったという設定ですね。間接的にダーインもジャンゴの父「リンゴ」の仇ってことか?
ダーインというとゲームのパッケージ等、メディアに出るときは白髪の美少年の姿で描かれることがほとんどですが、その正体は実体のない影です。ゲーム後半ではヴァンパイアと化したリンゴに憑依してしまうのでゲーム内でその美少年の姿を見られる機会は意外と限られています。ちゃんと美少年のうちに目に焼き付けましょうね~。
参考までにJNTHEDさんが以前投稿していたダーインを貼っておきます。元の投稿は既に消されているようなのですが、一応こちらで見ることができます。
◯おてんこさま
今作でも様々な形でジャンゴのサポートをしてくれる相棒おてんこさまのテーマ曲です。cv:大塚明夫。
大体おてんこさまがジャンゴを鼓舞する時とかに流れる印象です。おてんこさまの見た目に反して威厳がすごい。まあ大塚明夫ボイスにはこのくらい威厳があったほうが釣り合うのかもしれません。
前作のおてんこさまのテーマはストレートにボクタイのテーマ曲のアレンジでしたが、大きく変わりましたね。
◯太陽街その1/太陽街その2/街の仲間・その2
ジャンゴの実家、サン・ミゲルの曲3連発です。私の実家でもあります。
ゲームの進行度によって曲が変化していき、「その1」「その2」がゲームクリア前、「街の仲間・その2」がクリア後の曲…だったはず。一生流していたい。自分の葬式にも流してほしい。
3曲とも等しく好きなのですが「街の仲間・その2」の「クリア後BGM」感がすごいですよね。束の間の平和がやってきたのが伝わってきます。ストーリーを進めるとサン・ミゲルが文字通り、彩りを取り戻す演出も好きです。
サン・ミゲルは前作のストーリー開始前に伯爵らによって襲撃されていて中心街を除いてほぼ壊滅状態になっています。ゲーム内で歩けるのはその中心街のさらに一部ですね。
街の象徴ともいえる「太陽樹」もゲーム開始時には枯れてしまっています。ジャンゴの家も焼け落ちてしまったらしい。
余談になりますが、ジャンゴとリタが同じサン・ミゲル出身でありながら面識が無かったのは襲撃前のサン・ミゲルはよっぽど広かったってことなんでしょうか?確かそのあたりを考察してる方の記事を読んだことがあった気がするんですが忘れちゃった…。
あとスミスの太陽鍛治でスミスがハンマー振り下ろす掛け声、ひとつだけ「ハァッ」ってすごい少年みたいな声出すよなスミス。たぶんGBAの音質の関係でそう聞こえるだけなんですけど。はじめはジャンゴの声かと思ったよ。
◯襲撃
各ダンジョンにあるトラップ部屋や、中ボス戦の曲ですね。ゾクタイっぽさをとにかく濃縮した曲で最高です。自分はこの曲を聴くとレッド・ツェッペリンの「移民の歌」が思い浮かびます。
プレイした人ならきっとトラップ部屋に入ったときの「デデデドンッ!!」から格子が降りる音までワンセットになっていると思います。
大抵トラップというと強制戦闘になるわけですが、この曲が良すぎるおかげでプレイヤーのストレスの8割は軽減されてるんじゃないかと思います。
個人的にはこの曲というと中ボスの「アックス」を真っ先に思い出します。「ソード」じゃないんですよ。アックスなんですよね。なぜだか。
◯ 大聖堂・霊園
今作で最初に挑戦することになるイモータルダンジョン(奥にボスが待ち構えてるタイプのダンジョン)、「大聖堂」の道中の曲です。静かに鼓舞するような印象の曲調がとても良いです。ゾクタイテーマ曲のフレーズも使われていてブチ上がります。これラストダンジョンで流れてもおかしくないクオリティじゃないですか?
◯変異域・第二層
って思ってたらラストダンジョンでもこの曲のアレンジが使われてましたね。うっかりしてました。あぶねえ〜〜。やっぱりラストダンジョン向きですよね。
順番が前後してしまいますが、今作のラストダンジョン「変異域」は複数の階層から成るダンジョンで、階層ごとに前作含めて以前ジャンゴが攻略したダンジョンを元ネタにしたつくりがされています。そこにもれなく元ネタのダンジョンのアレンジ曲付きです。前作から先にプレイしていたらそこの感動もすごかったんだろうなあ。
◯三姉妹
今作の各ダンジョン最奥で待ち構えているボス「イモータル三姉妹」の登場時に流れる曲です。本来はダーインを含めてイモータル四兄妹になるのですが、ダーイン登場曲には「魔笛」があるのでこの曲は使用せず、姉妹たちの登場曲になっていますね。
いかにも「闇の眷属」って伝わってきます。曲がすごく良くてスルーしがちなんですけど、冷静になってみるとGBAでこんな音が出せるのかと驚きました。
◯暗黒少年サバタ
ゾクタイのサバタのテーマです。
前作ボクタイのサバタのテーマと比べて、曲全体の面影は残しつつもミステリアスさは影を潜め、頼もしさのあるアレンジになっているのがストーリーと合っていてすばらしいです。振り返ってみるとストーリー中で最初から最後までサバタがジャンゴの味方サイドでいてくれるのはゾクタイが唯一の作品でした。
今作では一時的ですがイベントでサバタを操作できるパートがあるのが激アツです。はじめに書いたようにゾクタイはストーリーの周回プレイができないのでサバタを操作できる期間が限られているのが本当に惜しいですね。
ついでにサバタ関連で前作と異なる細かいところをあげると「ゼロシフト」の表現が前作では「高速移動」だったのが、今作から「瞬間移動」になりましたね。個人的にはゾクタイ以降の瞬間移動が好きです。ボクタイDSでも武器を構えてダッシュするとゼロシフトに似た挙動ができますね。
あとはサバタに固有のグラフィックがあてられました。前作のサバタはジャンゴのグラフィックの色変えだったのでかなり印象が違います。特に自分はボクタイより先にゾクタイをプレイしたので色変えだったことの驚きが大きかったです。今作でも、後述のダーイン戦では気絶したサバタのグラフィックが専用のものではなくジャンゴの色変えになっているのですが、あれはどういう理由なんですかね?
〇紅のリンゴ
ジャンゴとサバタの父で最強のヴァンパイアハンターこと「紅(くれない)のリンゴ」のテーマです。
前作では明かされませんでしたが、その姿はいかにも「マカロニウエスタン」ですね。テーマ曲でもマカロニウェスタンっぽさを存分に感じられます。
今作はリンゴが伯爵によって「ヴァンパイア」になった姿でジャンゴの前に現れるところから物語が始まり、リンゴが物語に大きく関わってきます。前作は母・マーニ、今作は父・リンゴがストーリーの大きな柱になっていますね。
〇ヴァンパイア
ヴァンパイア戦の曲です。
おい!!!?!?!イントロを聴いてくれ!イントロを!!!!「血の伯爵」のイントロだ~~~~~~!!!!!!!!
ヴァンパイアとは前述の通り、伯爵の手に落ちて吸血変異(要は闇落ち)を起こしたジャンゴとサバタの父「紅のリンゴ」そのひとです。
これはそのストーリーを踏まえて、前作「伯爵戦のイントロ」+「リンゴのテーマ」で構成された激アツな曲なんですね~~。
「最強のヴァンパイアハンター」と呼ばれたリンゴがなぜ伯爵程度に敗れたのか?その詳細は描かれていませんが、ゾクタイ内でのサバタとスミスの会話や他の仲間の会話から察するに、伯爵がサン・ミゲルを襲撃した時にリンゴが囮になって住民を逃し、その際に…ということでしょう。
前作では「リンゴは伯爵に敗れて命を落とした」とされていたので、形はどうあれ親子が再会できたのは良かったことなのかもしれません。サバタなんてもうリンゴの顔なんかほとんど覚えてなかった可能性ありますし…。
ちなみにヴァンパイアの姿は生前のリンゴから20歳ほど若返った見た目をしているようです。
ヴァンパイア戦ではジャンゴとサバタが前作ラスボス「ヘル(クイーン)」戦以来の共闘をします。サバタと協力する戦闘システムがジャンゴとサバタの「兄弟どちらかが欠けても絶対に勝てない」ことに説得力を持たせる良いものでした。
戦闘前の会話でヴァンパイアがジャンゴに襲い掛かった時、動けずにいるジャンゴをサバタが救う流れは前作ヘル戦でサバタがジャンゴを救うシーンをセリフを含めてそのままオマージュしていますね。
この戦いでジャンゴがヴァンパイアに吸血されてしまい、今度はジャンゴが吸血変異を起こしてサバタに浄化されるという衝撃展開がありました。サバタがパイルドライバーを起動するのは後にも先にもこの時だけですね。ジャンゴはこれをきっかけに闇の力を得て、半ヴァンパイアの「黒ジャンゴ」となってしまいます。
一方ヴァンパイアには逃げられてしまいますが、不幸中の幸いというべきか、ヴァンパイアはジャンゴを吸血した際にジャンゴに流れる自身の妻・マーニの血を受けたことで正気を取り戻し始めます。そういう展開好き〜。
〇暗黒街・路地/暗黒街・暗黒樹/暗黒街・裏道
黒ジャンゴになってしまった状態で挑むダンジョン「暗黒街」です。太陽街を3曲紹介したので、せっかくだから暗黒街も3曲続けて紹介します。
全体的にゴシックな曲調ですね。個人的には特に「裏道」がイチオシです。
どのような順番で暗黒街の曲がつくられていったかはわかりませんが、「裏道」をベースとして「路地」「暗黒樹」のアレンジがつくられていったような印象を受けました。
暗黒街の曲はこのダンジョンのボス、ドゥラスロールにも黒ジャンゴにもどちらのイメージにも合う名曲ですね。
〇シャイアン
暗黒街道中での「風の戦士シャイアン」戦の曲です。中ボスですね。
なんというか「民族感」がすげえ。とにかくそこに感動しました。まるで別のゲームみたいです。ボクタイシリーズの楽曲の表現の幅の広さにとにかく驚かされます。
「襲撃」のフレーズが使われてるのは中ボスであることのつながりだと思います。これは芸術点です。
シャイアンはサン・ミゲルの住民ですが、黒ジャンゴの姿を見るや否や闇の眷属(ヴァンパイア)と勘違いして問答無用で戦闘を仕掛けてきます。後に誤解だとわかるのですが、戦闘後はしっかりサン・ミゲルにある図書館内のアンデッド図鑑にシャイアンが記録されています。それでいいのか?
☆ドゥラスロール
「イモータル三姉妹」の三女で暗黒街のボス、「赤きドゥラスロール」戦の曲です。
こちらもゴシックっぽい曲ですね。ドゥラスロールはダンジョン〜ボス戦までの曲がゴシックっぽいもので統一されていて芸術的高しです。
0:42〜のあたりからの舞踏会みたいなフレーズはドゥラスロールが黒薔薇を身にまとった姿や、戦いの中で黒薔薇が舞い散る様子、黒薔薇を脱ぎ捨てたドゥラスロールがくるくると回りながら攻撃を仕掛けてくる様子を「舞踏会」のイメージと重ねたのでしょうか?そんな印象を感じる曲ですね。めちゃくちゃ好きです。
プレイした当時はあまり意識していませんでしたが、長女と次女は戦闘前後の会話でその人となりがなんとなくわかる程度の掘り下げなのに比べると、三姉妹の中ではダントツで三女のドゥラスロールが色々な点で優遇されていますね。性格も姉2人は強気な性格なのに対してドゥラスロールは落ち着いた性格で、そのセリフひとつひとつに悲壮感が漂っているように感じます。
ドゥラスロールの人間体は黒いコートに身を包んだ小柄な少女のような姿をしていますが、長女がでかいタコ、次女がでかい蛾に人間体から姿を変えて戦う中、ドゥラスロールの戦闘時は人間体の姿はそのままに身体をでかい黒薔薇で包んだ姿に変わります。このへんも特別感がありますね。
こちらも参考までにJNTHEDさんが以前投稿していたドゥラスロールを貼っておきます。これは戦闘時の終盤、黒薔薇を脱ぎ捨てた時のデザインですね。地味にこの状態のドゥラスロールの公式イラストがメディアに出ることはなかったのでレアだったりします。
ドゥラスロールの浄化の際に「ジャンゴが黒ジャンゴから元の姿に戻る→太陽樹復活」という重要なイベントがありますが、それを印象的なものにするためにドゥラスロールを優遇したのかもしれません。
サン・ミゲルの「太陽樹」が枯れているのは彼女のせいですが、ドゥラスロール浄化後に太陽樹が再び芽を出すため、彼女が生まれ変わったともとれる描写があったのが感動しますね。シリーズのボスの中でも、いわゆる「光堕ち」みたいな描写があったのは珍しいです。これも本作の「光と影」の描写だととらえることもできますね。
ネットでドゥラスロールについて調べると「浄化後は消滅せずに太陽樹と同化した」って言い切った記述ばかりなんですけど、どこかでそんな言い切れる描写ってありましたっけ??あくまで想像の余地を残した描写だった気がするんですが…。有識者の方がいたら教えてほしいです。
あとドゥラスロール浄化後に復活した太陽樹の芽に一生懸命「ヒーリング」の魔法を使っていたのは自分だけじゃないと思います。だってそのための魔法だと思うじゃん。
〇ドヴァリン
「イモータル三姉妹」の長女「青きドヴァリン」戦の曲です。こちら、でかいタコになります。
戦場に合ったちょっと不安を感じさせる暗い水底のような曲ですね。三姉妹と戦うのはこれで最後です。そのクライマックス感を出すためか、さりげなくゾクタイのテーマのフレーズが使われているのがブチ上がります。
ドヴァリン戦はジャンゴが水の中に引き込まれた…と思ったら水上の浮島に乗っていてそこで戦うことになりますが、あれ引き込まれた先はどういう構造になってるんですかね?
あと、黒ジャンゴは太陽と水が弱点で、水たまりを踏んだだけでダメージを負ってしまいますが、黒ジャンゴの状態で水に引き込まれたらこのイベントどうなるんだろう?って気になったのは自分だけでしょうか?絶対ダメージ受けたりしないだろうけど試しておけば良かった…。
ドヴァリン戦というと、ドヴァリンのタコ足?腕?の3Dっぽさがすごいですよね。いっつもそこを見てしまいます。あと怒涛の処理堕ち。GBAで処理落ちを経験したのはゾクタイが初かもしれません。
〇太陽の塔
ダーインを追ってジャンゴとサバタを交互に操作して2つの塔を攻略するダンジョン「螺旋の塔」そこでジャンゴが攻略するのが太陽の塔です。サバタは暗黒の塔を攻略することになります。
この「終盤ステージ感」溢れる曲調がたまらないですね。0:55~にゾクタイのテーマっぽいフレーズが使われてるのも好き好きポイントです。
この塔は、本来敵対するはずの太陽と暗黒の勢力が共に力を合わせて本作のラスボス「ヨルムンガンド」を封印するためにつくられたものだった、という激アツ設定があります。ダーインはその封印を解いてヨルムンガンドを復活させようとしているんですね。
このダンジョンを攻略してしまうと本編でサバタを操作できる機会がもうないので攻略をためらった人もいるのではないでしょうか。
あとボクタイDSでジャンゴとサバタがそれぞれ別行動して攻略するダンジョンがありますが、これのオマージュだったりするんでしょうか?
☆ダーイン・その1
イモータル四兄妹の長男「黒きダーイン」戦の曲です。前述の「魔笛」のアレンジですね。は?かっこよすぎる。は?
この曲をみんなに知ってほしくてこの文章を書き始めたといっても過言ではないです。かっこよすぎる。GBAで出せる音色の中でいちばんかっこいい。かっこよすぎて戦闘を終わらせたくないのはあるあるだと思います。
あーーーーーーーーーーー!!イントロ!イントロ!!!!伯爵とヴァンパイアのイントロ!!!!やっっっっっったーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!
①紅のリンゴが伯爵によってヴァンパイアになる
②そのヴァンパイアにダーインが憑依して身体を乗っ取る
こういう流れがあったので伯爵、ヴァンパイア、ダーインの3名には大きなつながりがあるんですね~~。そのつながりの表現として共通のイントロを設けているんだと思います。楽曲でもストーリーに説得力を持たせるやり方はめちゃくちゃかっこいいですね。
…でもちょっとまってください。伯爵が元々ダーインの配下にいたことを考えると、このイントロは「伯爵→ダーイン」に引き継がれているのではなく、「ダーイン→伯爵」に引き継がれている可能性も考えられますよね!!!!!!!!??
どっち~~~~~~~~~~??????!??!!イントロの持ち主どっち~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~?????????!!!!!?!??!?!?
0:50~からヴァンパイアと共通のフレーズがありますが、ダーイン版では音がちょっとズレています。音が遅れてついてくる=ダーインが「影」であること、「ヴァンパイアに憑依していること」を表現していたりするんでしょうか??だとしたらちょっと作曲した方の理解度と表現力が異次元じゃないですか?
0:27~に「3姉妹」のド頭の部分が使われているのも手堅いです。
「ヘル」「ヴァンパイア」「ダーイン」と、ジャンゴたちの両親に関係のある戦いには必ずサバタも参戦して兄弟で共闘しているのがめちゃくちゃアツいです。それもあってダーイン撃破後のサバタの「母を失い、父を倒(たお)し、それでも・・・ 俺(おれ)たちは前に進まなければならない。」というセリフの説得力がすごいです。ダーインに身体が乗っ取られていたとはいえ、父を「倒した」とカウントしているのはなんだか切ないですね。
それと、戦闘前の会話でダーインに育ての親であるヘル(クイーン)をディスられたときのサバタの複雑そうなリアクション、「自分が身内をディスるのはいいけど、他人にディスられるのはイラッとする」かんじが伝わってきてとても良いです。ダーインはゲーム序盤でもクイーンをディスってましたけど、敵さんサイドも色々人間関係でストレス抱えてんですかね。
そしてダーインを裏切りつつも結局間接的にダーインを手助けをしていたことになる伯爵。彼の明日はどっちだ。
〇ダーイン・その2
ダーインのHPを一定以上削ると、ダーインが憑依していたリンゴの体を捨てるのと同時にサバタが力を使い果たして(ダーインにはじき飛ばされたからかも?)気絶してしまうので影のダーイン本体とジャンゴの直接対決になります。その時の曲ですね。「魔笛」とはガラッと変えてきています。
どう形容すればいいのかわからないのですが、なんというか「エジプト」っぽい?フレーズがあるのはダーインが元々「遺跡」に封印されていたことと関係しているのでしょうか?
ストーリー上での戦闘時はセリフが入るのでズレてしまいますが、「闘技場」での戦闘時は0:03~のエジプトっぽいフレーズに入る前にちょうどダーインの「いくよぉ!」という攻撃の掛け声が入るので、ダーインの掛け声きっかけでエジプトのパートに入ったみたいに聞こえて美しいです。なんなら自分の中ではこのダーインの掛け声まで含めて「ダーイン・その2」だと思ってる節があります。
ダーインのパイルドライブ時に見られる一枚絵はリンゴがダーインを抑え込んでいるもので鳥肌ものですね。
ダーインもろとも浄化されようとしているリンゴが「未来を・・・捨てるのか!?」とダーインに問われた際にリンゴが返した「捨てるのではない・・・託すのだ!」というセリフがとても印象的で、シリーズの中でも一二を争うくらい好きです。
強大な力を持ったダーインは浄化してもとどめをさすことができず、リンゴがその身にダーインを封じ込めて共に消滅することで決着がつきます。
このリンゴの最期はジャンゴやおてんこさまのセリフを借りるなら、命を持たないイモータルとして永遠を過ごすのではなく、人として限りある命をせいいっぱいに生きることを選んだということですね。これはシリーズを通して描かれている「ボクらの太陽」の大きなメッセージのように感じます。
余談ですが、ダーイン戦後にようやく取り返した太陽銃がクソ燃費で笑っちゃいました。あくまで太陽銃はファンサービスのオマケ要素なんですかね?
◯続・ボクらの太陽
ゾクタイのエンディング曲です。
イントロ部分は前作から受け継いでいますね。今作のみ遊べるエンディング中のクロのミニゲームは何度も遊びました。
ダーインを倒したところで、ヨルムンガンドを封印したところで、ジャンゴたちの戦いが終わるわけではありません。母を失い、父を倒し、それでも彼らは前に進まなければならない。「勝ち」がない戦いを続けなければならない。そんな過酷な運命を背負った少年たちの物語が「ボクらの太陽」ですが、彼らをあたたかく迎え入れ、次の戦いへやさしく背中を押すようなエンディング曲だと思いました。特に前作から引き継いだイントロ部分は「日の出」を思わせるフレーズだと思います。光って、音で表現できるんですね…。
街のみんなや「謎の黒い影」の協力を受けながらヨルムンガンドを再び封印する時、みんなで声をあげて「ボクらの太陽」というタイトルを回収する展開は泣きそうになります。
前作はほとんどジャンゴの孤独な戦いが続いた(おてんこさまはいるけど基本戦闘には参加できない)一方で、今作は仲間たちに支えられながら戦っていくジャンゴの姿が印象的でした。実際、仲間がいなかったら詰んでいた場面がいくつもありました。
◯夕陽
エンディング後のエピローグ、ジャンゴともうひとりの会話シーンの曲です。もうひとりのキャラはプレイヤーの行動次第で変わります。
会話の内容はキャラごとに若干異なりますが、どのキャラでも共通してラスボスのヨルムンガンドにトドメをさす時にヨルムンガンドの動きを止めた謎の黒い影、それがダーインだった可能性を示唆しています。ここでの「光と影」についての会話がゾクタイのテーマそのもののように感じます。個人的にはやっぱりサバタとの会話パターンが一番好きですね。
☆シェードマン
ロックマンエグゼとのコラボで登場したシェードマン戦の曲です。この曲の凄さを知ってもらうにはまずこの2曲を聴いてほしいです。
・Theme of ROCKMAN EXE4
・自分との戦い
エグゼ4のテーマ曲「Theme of ROCKMAN EXE4」の中にエグゼ4のナビ戦「自分との戦い」のフレーズを織り交ぜつつ、ゾクタイらしい曲にまとめられています。考え得る中で最高でこれ以上ないファンサービスに溢れたアレンジだと思います。
個人的に、こういう「作品に関連した別の曲のフレーズがシームレスに入ってくるアレンジ」にめちゃくちゃ弱くて、無条件にブチ上がってしまいます。
ゲームの仕様上、このロックマンイベントのプレイ順はラスボスのヨルムンガンド戦後、作中の時系列順ではヨルムンガンド戦前ということになるのですが、ヨルムンガンドを放置してシェードマンと戦うことについて、おてんこさまとサバタに話しかけると専用の会話が用意されています。
特にサバタとの会話では「あいつ」と濁されていますが、おそらくゾクタイではその姿を見せることのなかったカーミラについて触れたセリフが聞けます。スルーすることもできてしまう会話なのがもったいないくらい重要ですね。
っていうかサバタくん、「プログラム」とか「デリート(消去)」とか、突然当たり前のように先方の用語を使ってくるので彼の順応の早さに笑ってしまいます。おてんこさまとジャンゴは一回エグゼ4でロックマンの世界に行ってるからいいとして、君はどこでその言葉を知ったんだ?
肝心のシェードマン戦ですが、これもファンサービスがすごい。はじめはシェードマンの「闇の守り」をはがすためにジャンゴも闇の力を使って戦わないといけないのはエグゼ4のストーリーを反映していますね。そこで一定以上ダメージを与えると闇の守りがはがれますが、それに合わせてシェードマンの体色が変わります。その色がエグゼ4のシェードマンSPの色になっているのが芸が細かすぎて笑ってしまいます。
コラボ先の要素をただそれっぽく表面だけなぞるのではなく、ひとつひとつの要素の拾い方、ボクタイへの落とし込み方が美しすぎます。
シェードマン浄化後は伯爵の復活を示唆して終わるというストーリー上での重要な要素もあり、単なる独立した番外編に終わらないのも注目ポイントです。
ロックマンエグゼ4側にもジャンゴとおてんこさまが登場するイベントがありますが、ジャンゴのキャラがボクタイシリーズ本編と違いすぎるのに注目してみると面白いです。
本編では物静かでほとんど喋らないジャンゴですが、ロックマンの世界ではまぁ喋ること喋ること。語尾に「!」も使っちゃうアツい少年として描かれています。ある意味「太陽少年」のイメージとしてはこっちの方が正しいのかもしれませんが、ロックマンの世界でジャンゴが喋ったテキスト量だけでGBAボクタイシリーズ全体を通したジャンゴの喋ったテキスト量を超えている気がします。
それに引っ張られてか、ゾクタイ側のロックマンイベントのジャンゴはいつもよりちょっとお喋りでアツい印象です。
ボクタイ本編ではジャンゴが無口な分おてんこさまがおしゃべりですが、ロックマン側では逆ですね。でもロックマン側でもおてんこさまの「太陽ぉー!」の掛け声がちゃんと大塚ボイスなのがツボです。
◯勝ち!/負け!
作品と会社の壁を超えてロックマンエグゼと通信対戦する「クロスオーバーバトル」の勝利・敗北時の音楽です。対戦できるのはエグゼ4ではなく5ですね。
こちらもエグゼ4由来の曲になっているので元になったエグゼの曲も貼っておきます。
・Enemy Deleted!
・Loser
それぞれロックマンエグゼ4の通信対戦時の勝ち・負けの曲です。頭の部分がそのままゾクタイでも使用されています。ここまでくると、もはやゾクタイサウンドチームのこだわり具合が恐ろしいです。
KONAMIとCAPCONのコラボというと、「METAL GEAR SOLID PEACE WALKER」と「モンスターハンターポータブル 2ndG」もありました。メタルギアとボクタイはどちらも小島秀夫監督が関わった作品ですがCAPCONとコラボしているのは偶然でしょうか?
おわりに
「続・ボクらの太陽 太陽少年ジャンゴ」の好きな曲について書きました。なかなか大ボリュームになってしまいどうしたものかと頭を抱えていますが、まあしょうがないです。
当初はこの文章の投稿日をゾクタイの発売日に間に合わせようとしていたのが懐かしいくらいズレ込んでしまいましたが、次の最終回はこんなに間を開けずに投稿したいところです。できれば8月中には…。
ゾクタイは前作からシステムを刷新しつつ前作に負けないほどの要素を詰め込み、そこへロックマンのコラボイベント、それに大きなウリであるクロスオーバーバトルも成立させていますが、前作から1年で発売されているのが信じられないです。
ボクタイDSを含め、後に発売されるシリーズ作品は今作ゾクタイのシステムをベースにしているところが今作でボクタイシリーズのシステムが完成されたことを物語っていますね。
散々書きましたが、サバタが一時的にしか操作できないのが個人的に本当に残念です。「ラスボス倒せばもしかしてサバタが自由に使えるんじゃないか…?」って当時思っていた方もいるんじゃないでしょうか。
ボクタイDS発売後、「ゲームハードの都合で太陽センサーの搭載が難しいなら太陽センサーを使わないサバタを主人公にして続編を作れば良いのでは?」と考えた時期もありましたが、太陽センサーを必要とするジャンゴがいるからこそ太陽センサーを必要としないサバタが一時的に操作できたことが印象的だったんだろうな、という結論に至りました。でもやっぱサバタ主人公のストーリーも遊んでみたいよなあ!?
次はそんなサバタをめぐるストーリーの「新・ボクらの太陽+α編」です。ボクタイDSの曲も一緒に紹介して最終回にしようかと思います。
シンボクはGBAボクタイシリーズ最後の作品のため、いろいろな面で集大成のような印象がありますね。気合入れていきます。
それでは最後にJNTHEDさんの「ひまわり娘・ザジ」のリンクを貼って締めとさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
ゾクタイでのザジとサバタ、結構会話する機会があって意外といいコンビですよね。
https://www.artstation.com/artwork/R3xR6E
おまけ
ゾクタイのボス戦、ロックマンイベントをまとめてる方がいたので貼っておきます。これを見てもらうとここで書いてることがなんとなくわかるかもしれません。