ちこんでぃ TANAKA

公立小学校教員→教育行政。中国湖南省1年(留学)、中国北京2年(公的機関)、アフリカのマラウイ2年(青年海外協力隊)などの海外体験も入れた記事を書いています。

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公立小学校教員→教育行政。中国湖南省1年(留学)、中国北京2年(公的機関)、アフリカのマラウイ2年(青年海外協力隊)などの海外体験も入れた記事を書いています。

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オーダーメイドしたら日本じゃ絶対あり得ない机ができた

■マラウイではオーダーメイドが普通マラウイの青年海外協力隊員は、自分の任地で木工職人(carpenter)を探し、オーダーメイドで家具を作るのが慣例となっている。ベッドや机や棚などだ。既製品の家具店はあるにはあるのだが、首都の一部にしかない。値段はけたが1つか2つ違う。大体その地域に一人は木工職人がいるので、そこに依頼するのが普通だ。 オーダーメイドだから、家具の簡単なイラストと寸法を書いて渡せばオッケー。品質にばらつきはあるものの、既製品より格安で、自分好みの家具ができる

    • この世界からSNS誹謗中傷をなくすための歌「ティマワズィワ」

      私の方から歌詞のコンセプトを出して、チェワ語(アフリカマラウイの現地語)や英語で作曲してもらうのが、私がマラウイと曲作りするときの通常の流れだ。 しかし今回はいつもと違った。100%、マラウイ人プロデューサーKhoh(コー)からの提案だった。ある日、唐突に送られてきたサンプルのアマピアノ(Amapiano)のビートには、すでに歌詞がばっちりのせられていた。 ※Amapiano: 南アフリカ発祥のアフリカで近年最もホットな音楽ジャンル チェワ語がそこまで堪能ではない私は歌詞

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        【ネット上の誹謗中傷なくそうソング】Timawadziwa(I know them)ちこんでぃTANAKAマラウイ

        顔の見えない誹謗中傷はやめて、言いたいことがあったら直接対話しよう、という歌です。マラウイ人プロデューサーと共同で作りました。

        • 平和を願うスマイルソング「くむぇっとぅりら」

          スマイルソングのリリースのきっかけこのたび、アフリカのマラウイ人音楽プロデューサーKhoh(コー)と“Kumwetulira”(スマイル)という曲をリリースした。そのいきさつを紹介したい。 ウクライナ・ロシア戦争は今もまだ続いているというのに、パレスチナ・イスラエル戦争の裏に、その報道は影を潜めた。 そもそもウクライナ・ロシア戦争が始まった時も、世界には様々な人道危機があったはずだけれど、相当高くアンテナを張っておかないとそれらの情報は届いてこなかった。 平和な日本に

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        オーダーメイドしたら日本じゃ絶対あり得ない机ができた

          水に「触れた」だけで死の危険?Part2〜病気を憎んで、貝を憎まず

          パート1はこちら↓ その時代の精一杯の正解国土交通省が提唱する「多自然川づくり」の視点から言えば、問題が多い昭和の河川のコンクリート護岸。それだけを見て、環境に悪いことをしてきたと評価するのは、一面しか見ていないことになる。洪水から人々を守り、日本住血吸虫症の苦しみから解放してくれた歴史も忘れてはならない。 コンクリート護岸にしろ、合成洗剤の使用にしろ、生活を豊かに安全にするために必要だったこと。その時代の精一杯の正解だったのだ。それを踏まえた上で、これからどうしていく

          水に「触れた」だけで死の危険?Part2〜病気を憎んで、貝を憎まず

          水に「触れた」だけで死の危険?Part1〜死の貝と恐れられた『ミヤイリガイ』の最後の生息地は千葉県小櫃川と山梨県甲府盆地

          水に「触れた」だけで感染する病気?ビルハルツ住血吸虫症。 他にもマラリアなど、様々な病気の注意は受けたが、アフリカのマラウイで注意するよう、JICA協力隊として任地に派遣される前に説明を受けた中でも、特に印象に残っている。 日本にいたら関わることがなかったから、「ふぅーん、そんな病気があってアフリカは大変だな」なんて思っていた。 世界自然遺産でもありカラフルな淡水魚が見られるため、ダイビングスポットとしても人気なマラウイ湖。実はそこでも、ビルハルツ住血吸虫症への感染リ

          水に「触れた」だけで死の危険?Part1〜死の貝と恐れられた『ミヤイリガイ』の最後の生息地は千葉県小櫃川と山梨県甲府盆地

          「ノートはすき間を開けて、大胆に使おう」は間違い?マラウイの小学校のノート指導の当たり前

          「ノートはすき間を開けて、大胆に使おう」日本の小学校で、そんな指導をしていたことがある。 きちきちに詰めて書くより、行を開けて広く大きく使った方が見やすく、必要に応じて付け足して書くことができるから。 「1授業をノート見開き1ページにまとめましょう」 なんてことも、校内のルールで決めた年もある。 確かにそう提案している先生のクラスのノートはそうなっていた。見開きの左ページ上の方には青四角で囲まれた「学習課題」があって、右ページ下の方には赤四角で囲まれた「本時のまとめ」が

          「ノートはすき間を開けて、大胆に使おう」は間違い?マラウイの小学校のノート指導の当たり前

          カニ見るより草笛鳴らしたい~マラウイにもあった草笛の話~

          日本が世界に誇れる東京湾の盤洲干潟日本最大級の自然干潟である東京湾の盤洲干潟。小櫃川の河口に広がることから、小櫃川河口干潟とも呼ばれる。 これだけ広大な自然の干潟がほぼ手つかずのまま、東京湾に残されているのは奇跡に近いという。知り合いの自然体験の専門家は、「日本、いや世界に誇れる干潟ですよ!」と絶賛するほどだ。 一度、実際に足を運んでみてほしい。行けば、きっとそのすごさが分かるから。ゲートから小道を進んでいくと現れる一面に広がるヨシ原は圧巻だ。もちろん、浜に出ると干潮時

          カニ見るより草笛鳴らしたい~マラウイにもあった草笛の話~

          縄文人はイボキサゴの身を捨てていたのか?食べていたのか?

          イボキサゴと縄文人の3つの説貝殻がおはじきの原型ともなった、イボキサゴ。 加曽利貝塚では、地層の80%を占めるほど最も厚く積もっていることから、縄文人が食材として活用していたことが知られているが、どのように活用されていたのか、いくつかの説があるのだという。 【①身を取り出して食べる】 焼いたり煮たりしたイボキサゴに、爪楊枝のようなものを刺して、くるっと回しながら身を引き出して食べていた、という最もシンプルな考え。 【②スープの出汁として使う】 他の大きなハマグリや

          縄文人はイボキサゴの身を捨てていたのか?食べていたのか?

          かつて女の子たちに人気の遊びだったおはじきの原型「イボキサゴ」が東京湾の盤洲干潟に大量発生?

          貝がら集めはどこの国でも女の子に人気?マラウイの世界自然遺産マラウイ湖のほとりで、貝がらを拾って集めていたのは、小学生の女の子だった。地元の人に聞いても、男の子ではなく、よく女の子が集めて遊んでいるのだそうだ。ひもでつないでネックレスにすることもあるんだとか。 かつての日本でも貝がらは、女の子に人気だった。その中でも「イボキサゴ」という指の爪ほどの大きさの巻貝の貝がらを使った、誰もが知る昔遊びがある。「おはじき」だ。 「イボキサゴ」の話をする前に、東京湾の生き物の話をし

          かつて女の子たちに人気の遊びだったおはじきの原型「イボキサゴ」が東京湾の盤洲干潟に大量発生?

          発酵でSDGs!マラウイの「とぶぁ」と千葉県上総地方の「とうぞ」

          マラウイの発酵飲料「とぶぁ」マラウイの路上で暑い日に、リユースのペットボトルで売られている、少し黄色みがかって白濁している飲み物がある。「とぶぁ(Thobwa)」という手作り発酵飲料だ。500mlで50MK~100MK(10〜15円)。路上で売られているのをときどき買った。 「とぶぁ」は、メイズ(トウモロコシ)、ソルガム、ミレーなどの穀物が原料で、砂糖で味を調えてある。放っておくとアルコール発酵し「ビール」に変化することから、英語では「SWEET BEER」とも呼ばれている

          発酵でSDGs!マラウイの「とぶぁ」と千葉県上総地方の「とうぞ」

          マラウイでは当たり前!?水没したスマホの対処法と電気の「味」

          スマホが水没したら米につっこめ「米の中にスマホうめておくといいよ」 友人と世界遺産でもあるマラウイ湖に旅行にいった。あまりにもきれいな水、そしてカラフルな魚たちに夢中になり、彼はスマホを湖に水没させた。せっかくの楽しい旅行も台無しとばかりに途方に暮れていた彼に、マラウイ人の青年がかけてきたセリフだ。 確かにそれは、米の吸湿性を利用した、スマホの復活方法だった。 マラウイは内陸国で身の回りに淡水しかないから、海水にスマホをしずめてしまう心配はない。だから、とりあえず乾燥す

          マラウイでは当たり前!?水没したスマホの対処法と電気の「味」

          スマホを見ていても味わえなかった一体感のヒミツ〜日本とマラウイの公共交通機関で感じたこと~

          日本での出張の電車内で3年ぶりに電車に乗って出張する機会があった。 行きの電車の中で、ふと、あることに気づいた。車内広告のスペースが埋まっていないのだ。 一番目立つ中吊り広告でさえ、場所によってあったりなかったり、網棚の上の窓上ポスターはもっとすかすか。10枚くらい入るスペースにかろうじて1〜2枚入っているかどうか。初めはポスター入れ替え中か、何かのメンテナンス中なのかと思うほどだった。 乗り換えた路線の電車でも、帰りの電車でも同じ状況だったから、それが「メンテナンス中

          スマホを見ていても味わえなかった一体感のヒミツ〜日本とマラウイの公共交通機関で感じたこと~

          日本で放置される木、マラウイで必要とされる木

          一見すがすがしいマテバシイ林が実は問題⁉個人的にはマテバシイ林の雰囲気が好きだ。 1つの株からすらっと何本もの幹が伸び、その上部に枝葉が茂る。空を覆いつくしてしまうほどなので、地面に日光が届かず、下草や他の樹木も育ちにくい。つるつるしてかたい葉は、落ちてもしばらく分解されず、落ち葉が積もったままになる。森林浴として、落ち葉を踏みしめながら歩くのにもってこいの林となる。 その良さは一方で課題ともなる。落ち葉が分解されにくいこともあり、地面が固く乾燥する(=保水力が低い)傾

          日本で放置される木、マラウイで必要とされる木

          かつて海苔養殖に使われた「マテバシイ」から考えたこと

          海苔の不作と漁師の減少海苔の不作が続いている。 海水温の上昇とか、クロダイの食害とか、川から流れる水の栄養不足とか、複合的な要因で収穫量が激減し、赤字経営に陥る漁師も多いと聞く。高齢化も相まって、東京湾沿岸のある市では2023年に入って海苔漁師が半減したという。 昔の海苔養殖で使われたマテバシイの木今から約200年前、君津市が発祥となった千葉県の海苔養殖。網ヒビや海苔採取船がまだなかった時代には、木ヒビや竹ヒビを立てて手摘みするのが一般的だった。 その木ヒビとして主に使

          かつて海苔養殖に使われた「マテバシイ」から考えたこと

          日本とマラウイのニワトリの卵の価値

          昔の日本での卵の価値 1個10円。日本の近所のスーパーで安く売っている通常の卵の値段。鳥インフルエンザと物価高騰で1個20円ほどに値上がりしていることがニュースになっている。一方、父の記憶では60年前も今と大して変わらない値段だったらしい。  ニワトリを買っていた父の実家では、10人同居に5羽のニワトリ。卵はよくて1日1個。どう考えても、1人1個の卵かけご飯は望めない。 だから、子どものころは1個の卵を使い、野菜と一緒に卵とじのようなものにして家族で分け合って食べていたそう

          日本とマラウイのニワトリの卵の価値