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「キッチン常夜灯 真夜中のクロックムッシュ」長月天音

仕事色がつよめの、ごはん屋さんものがたり。

私は今飲食店で働いていて、将来は本社かなあという主人公と同じような世界に住んでいるので、とても共感しながら読んでしまいました。


この本を読んで、1つ再確認できたことがあります。
それは、「私にとっての仕事のおもしろさって、高揚しながら『おつかれさま!!』って言い合える瞬間だよね」っていうことです。

この本の中で、主人公も大仕事を終えたのち、キッチン常夜灯に向かい、満足感に包まれながら「仔牛のブランケット」というおいしそうなごはんを食べています。それはそれは幸せそうな。


私にもひとつ達成感感じすぎた、忘れられない瞬間があるんです。
同期30人でイベントの企画をしたときのこと、大満足な成功に終わり、同期に「マジでおつかれ!!!」って言われまくったことです。

この「マジでおつかれ!!」のときの同期の目、いっちゃってました。笑
本気で思って言ってくれてるんだろうなあっていう目をしていました。
あの高揚感が充満している部屋もよかったなあ。

この感覚をもう一度味わうまでは仕事つづけたいなって思っています。

自分もがんばって、みんなもがんばって、それでやっとやり遂げたときに認め合える感覚は、仕事をしていないとなかなか感じられないんじゃないかなと思うから。


でも、ここで1つポイントというか、むずかしいのは、○○さんも頑張っていると信じられるかどうかですよね。

主人公の変化も、ここがポイントだったように思います。

ちょっと現実に戻してしまうような話ですが、
あの人は電話を取らないとか、ほらやっぱり放置したままとか、そういうことをちょっとでも思ってしまうと、もうその人には「おつかれさま!!」とは言えないですよね。少なくとも本心からは言えない気分。

ただ何かのきっかけで、○○さんは頑張っていると思うことができれば、
シンプルに私もやるか~と引き上げられるのはもちろん、
よしそこは任せた、こちらの範囲は任せときな!と自然と連携プレーを発揮できたりする。だからこそ感謝したくなる。


○○さんは頑張っている、そう思えることは大切なものだと思います。最近、大人になったのか信頼の大切さに気付きつつある23歳です。

でもこの本でさらに気づいたのは、信頼はする側とされる側があるということです。

信頼を得るためには、その人自身の努力が必要っていうのは過去の経験から想像がつきます。だけど信頼する方は、、?となったわけです。

この本に出てくる人たちは、それぞれ努力しているのに信頼されていなかったんですよね。その努力が足りなかったという見方もできるのですが、、

信頼関係をつくるうえで、信頼する側にも責任はあるのではないかということを思いました。すぐにこいつは信頼できないとぶった切っていないか。

その人が何を考えて、今どういうことに取り組んでいるのか。
それを知ること、コミュニケーションをとることもまず第一歩なのかもしれないと思いました。


おわり!

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