社会参画に関する教育① シティズンシップ教育


 シティズンシップという言葉を聞いたことがありますか。シティズン(citizen)とは、市民という意味ですが、社会科においては、公民(国民+市民)という言葉が使われています。

 シティズンシップ教育とは、社会科においては次のような意味で使われています。

一般市民を対象とした市民としての資質・能力の育成を目指した教育
唐木清志 西村公孝 藤原孝章(2010)「社会参画と社会科授業の創造」学文社


 市民としての資質・能力とは、どのようなことを示しているのか。小玉(2015)は次のように述べています。

シティズンシップ(市民性)とは、民主主義社会の構成員として自立した思考と判断を行い、政治や社会の公的な意思決定に能動的に参加する資質を指す
唐木清志他監修(2015)「シティズンシップ教育で創る学校の未来」東洋館出版社

 「自立した思考と判断」「意思決定に能動的に参画」というところが、社会参画と関わりが深いところかと思います。

 自立した思考と判断とは、さまざまな情報をもとに、根拠をもとに自分の考えを決めることだと思います。さまざまな情報が溢れる中、他人の考えに流されずに、自分の考えを主張できるようになることは、大事な資質かと思います。

 意思決定に能動的に参画とは、まさに社会参画そのものです。選挙をはじめとする政治や社会における意思決定の場に、自分から進んで参加することです。参加するためには、先ほどの自分なりの思考と判断がもとになります。

 シティズンシップ教育で育てたい資質が、そのまま公民としての資質・能力に当てはまると思います。

 次回は、シティズンシップ教育で育てたい資質について、詳しく先行研究に当たりたいと思います。

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