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【小説】彼になった彼女

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↓下記サイトでは、ストーリーを変えて漫画を載せてます。 ◆https://daysneo.com/author/NearIsland/ ◆https://manga-lab.ne…
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2020年5月の記事一覧

【彼になった彼女】7話 彼女のいない部屋で

仕事を辞め、ただただ彼女が帰ってくるのを待っている

電話や、メール、家のチャイムが鳴るたびに彼女だ!
と、いう期待を持つがいつも俺の両親や彼女の両親、ユウ、友達からだったりする
その内容がおかしいことに、彼女の葬式だの、彼女は死んで辛いでしょうだのそんな内容ばかり

眠りにつこうとすると、病院で横たわっていた時の彼女の光景がフラッシュバックする
こんな記憶、知らない
どちらが現実かわからなくなる

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【彼になった彼女】6話 帰る場所

目が覚めた時
俺は実家の自分の部屋で寝ていた
俺は急いで身支度を整え玄関へ向かう

主「帰らなきゃ、帰って彼女に謝らないと」
玄関先で靴を履いていると母が声をかけてきた

母「どこへ行くの!?」
主「帰るんだよ」
母「帰るって、あんたどこに帰るの?」
主「何言ってんだよ、母さんアヤが家で待ってるだ」
母「!! アヤちゃんはもういないんだよ」
主「何寝ぼけてんの? じゃぁね、また来るよ」

バタンと

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【彼になった彼女】5話 彼女の行方

慌ただしかった
どうやらドナー登録をしていたらしい彼女
彼女と適合する人がいるらしく
急いで手術をしなければならない

悲しみに浸る暇もないまま、そのための説明を聞かされた
彼女の心臓が別の人の体に移植される
俺はそれを拒否した
誰にも渡したくない

義母「ヒロキ君、アヤはもう死んでるの、だからもうやめて。ね?」
そう泣きながら言うお義母さんの手を振り払った
主「彼女はまだ生きている!生きてるんだ

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【彼になった彼女】4話 深く沈む

車の運転手が意識不明になり彼女にぶつかっていったそうだ
運転手も死ぬぐらいの酷い事故

俺のどこにも行き場のない感情
これはきっと夢だ
そうに違いない

ポケットに入れっぱなしの結婚指輪
「結婚してください」
そう言うはずだった言葉は口にすることなく
行き先を失ったまま俺の体の中の奥深くに沈んでいく

【彼になった彼女】3話 プロポーズの日

お互いの両親の許可をえて同居しだして1年になる
お互いだいぶ落ち着いて、そろそろだと思うと緊張が日に日に増していく

彼女と過ごす間、どうやってプロポーズしようか
恥ずかしいけど、いつもイメトレしてた

その日は陽気な天気とは裏腹に
緊張と、恥ずかしさでそっけない態度でのデートになってしまった
それに対し彼女が「私といるのがつまらないの?」という
売り言葉に買い言葉で
俺たちは喧嘩別れしてしまった

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