【彼になった彼女】7話 彼女のいない部屋で

仕事を辞め、ただただ彼女が帰ってくるのを待っている

電話や、メール、家のチャイムが鳴るたびに彼女だ!
と、いう期待を持つがいつも俺の両親や彼女の両親、ユウ、友達からだったりする
その内容がおかしいことに、彼女の葬式だの、彼女は死んで辛いでしょうだのそんな内容ばかり

眠りにつこうとすると、病院で横たわっていた時の彼女の光景がフラッシュバックする
こんな記憶、知らない
どちらが現実かわからなくなる

彼女が...そんな、まさか...
自分の体の中から彼女はいないと俺の声がする
主「うるさい、うるさい、そんなことない、彼女はいる! いるんだ!
 今に俺のもとに帰ってくる!」

耳をふさいでも自分の中から俺の声が聞こえて止まない
俺の体にもう一人の俺がいるみたいな、自分の身体じゃない感覚
身体が勝手に物を壊して回る
いうことを聞かない体
体の中からの声

そして、それを俺が見ている
その俺は止めることもせず、冷たいまなざしで、諦め、手放したみたいに他人事のように見ている
ぐちゃぐちゃだ、もう訳が分からない、脳が動かない
見るものすべてが遠く感じる

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