プロローグ⑦〜うん、そうね、多分、きっと、癌かもね
2019年2月1日
朝イチで総合病院へ向かう。
ここ数年分の病院来院回数をこの10日くらいで一気に更新しているような気がする。それほどまでに病院とは縁が遠かった自分なのだけど、ここ数日ですっかり馴染みになったかのような軽快な足取りで予約していた耳鼻咽喉科へ。
先生の話。
先日ほっぺたの内側をガリガリやって採取した細胞内から異常なものが検出された。
左扁桃腺扁平上皮癌。
正式名称は「中咽頭癌 左頚部リンパ節転移」の疑い。
疑いとは言いつつも、おそらく60〜80%の確率でそうだと思います、との事。
うん、そうね、多分、きっと、癌かもね、なんて飄々と言ってのける先生で、ムカつくわけではないのだけど、そんな告知の仕方ってあるかい、お前は薬師丸ひろ子か、なんてツッコミを心の中で入れつつ、はあ、そうっすか、と言った感じで受け入れざるを得ない自分。
もちろんこの時点でまだ確定したわけではないが、60〜80%くらいの確率でというならおそらく本当にそうなんだろう。
中咽頭がんにもいくつか種類があって、詳細はより詳しい検査をしてみないとわからない、専門の病院に紹介状を書くので早急に検査した方がいいとの事で、都内大学付属病院への紹介状をいただく。
早速予約をとってはみたものの、なかなか混み合っているようで来週火曜日の午前中まで予約が取れなかった。ひとまず10時からで予約を入れる。
自分がガンになるなんて。
母方がガン家系で、血縁者のことごとくがガンで亡くなっているのは知っていたけれど、まさか自分の身に降りかかってくるとは思わなかった。
帰宅して妻に報告。まだ確定していない部分もあるので煮え切らない報告だったからかもしれないが、思ったよりも冷静に受け止めてくれたかな。しかし今はその冷静さがありがたい。
結局あまり実感のないまま就寝。
美味しい食べ物とか、子供達へのおみやげとか、少しでもハッピーな気持ちで治療を受ける足しにできれば嬉しいです。