早春の宴・・・日本料理てら岡 吉田琢磨料理長
昨日は、福岡市中洲の老舗料亭「日本料理てら岡」へ四回目の訪問となった。実は、同店の若きホープである、吉田琢磨料理長との闘いの日と決めていたので、事前に献立も聞かされぬまま、同店四階にある和食と寿司「匠の道場」へと足を運び入れた。
待ち構えていた同料理長が挑んだ勝負ランチの献立が、写真下の料理写真群となる。素朴な中に、細やかな工夫が施され、色合いはシンプルで、すこぶる美しい。食後に頂いた献立は、以下の通り。
(小鉢)虎河豚の唐墨和え、(刺身)鮪磯部巻き・車海老 風船氷にて、(吸物)白蛤の清し仕立て・小かぶ・花弁百合根・木の芽、(焼物)かますの明太巻き、(鍋)河豚シャブ、(食事)雑炊、(水物)トマトのミントゼリー寄せ。
このランチ対決にて酒でも呑めるのならば、取材を忘れて、料理を黙々と食したに違いない。完全に意表を突かれた組み立てに驚いた。河豚がメインであるものの、魚卵を二種、巻物も鮪とかますの二種使用。加えて、博多名物の明太子もしっかりと組み入れている。
圧巻は、河豚シャブとその雑炊であった。ご飯茶碗に一杯の卵雑炊が、今思えば、御代わりすべきだったと悔いている。魚醤醤油の出汁が旨味を倍増させ、最後に、同店創業者である、寺岡直彦社主が、若き頃(二十代)、沖縄の料亭料理長の時代に創作したというトマトのミントゼリー寄せが〆となったが、しっかりと師弟のバトンも渡されていた。
同店には、大隈敦司総料理長、吉田琢磨料理長、山中勇磨寿司料理長と、ずらりと和の匠が勢揃い。フロントは永池浩之が固め、通販及び広報戦略は姫野泰佑と中山訓子が矢を放つ構図である。
今、「日本料理てら岡」では、次世代を見据えて盤石なる布陣としているが、「和の食文化」を子々孫々に伝えるために、大胆不敵なる秘策を講じて行くに違いない。茶懐石や発酵食に拘る同店のセミナー展開の噂もちらほら・・・。
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