競争に打ち勝つ方法、一番になる方法とは!?・・・見えざる競争相手の動きを常に意識せよ!!
新たに事業を起こす時、すぐ後から真似小僧が現れたり、事業を邪魔する輩も現れる。自由競争の世の中ではあるが、はたして、局地戦にて正々堂々と競争に打ち勝つ方法やら、一番になれる方法があるのだろうか!?
答えは、「ある!」である。
先ず、新事業のイクスパンドの可能性を入念に下調べしておく必要がある。更に、競合する企業やそれに関わる個人の事前調査を怠ってはならない。敵を知らずして、敵に打ち勝つことなど出来るはずがないからだ。
これは、あくまでも筆者の体験談の一つであるが、筆者が起業し、インタラクティブ・マルチメディア&コンピュータグラフィックス(CG)事業(1990年)からインターネット事業(1995年)を開始した頃の話をしてみたい。
当時、熊本県内ではインターネットという言葉を知らぬ人が殆どで、「宇宙語」と見做された時期であった。よって、周囲からは「怪しい」、「大人の玩具」、「仕事には役立たず無価値なもの」、「ゲームしている暇はない」など、誹謗中傷やら揶揄やらの矛先がこちらに向けられた。
県内初のポータルサイトを構築したのは、1995年8月22日。インターネット黎明期であるが、その時、近未来を見据えて、俄に動き出したのが県内旅館(阿蘇市、上天草市、人吉市、熊本市、玉名市、山鹿市など)の若旦那衆や若女将たちであった。
筆者は、インターネットの「伝道師」のように、福岡、佐賀、長崎、鹿児島そして熊本など、九州各県で啓発活動に専念し、各地の講演会に招聘されたり、接続困難なアナログ回線を、鹿児島県長島の小さな民宿で実験したりで、疲労困憊の日々を送っていた。
東奔西走している内に、1996年の春がやって来た。ようやく、大学や経済界の一部がインターネットに関心を示す様になり、講演依頼が急増したのである。
そこで、ちょろんと「啓蟄」のように現れる、プチ産業スパイ。こちらの情報なりノウハウをごっそり盗み取ろうとする輩のことである。当時、サンスパークのサーバー(3000万円ほど)やポートマスター(ダイヤルアップシステム)を導入していたので、それを見せてくれないかとの問い合わせもあったが、信頼できる経営者(当時の熊本ホテルキャッスル社長、専務も視察に訪れている)のみレクチャーをして、その他全て断った。
情報収集に奔走する企業もじわじわと増えて来たが、何せ、本格的なCGでは九州ナンバーワンを獲得したものの、ネット事業も県内ナンバーワンを目指していたので、そう易々と機密情報を提供する訳には行かない。まだ、HTML(ハイパー・テキスト・マークアップ・ランゲージ)の教本もなく、米国からダウンロードして、模索していた時代である。
しかし、新しいネット世界に競合各社が参入開始。助成金目当てに、自分の懐を痛めず、ネット事業を開始するところも数社あった。筆者は先駆者の一人でもあり、助成金や補助金を目当てに片手間で遣るつもりは毛頭無かったので、そのような動きは完全に無視した。
ところが、どうも、見えざる敵が激しく反撃する様になり、筆者に対する「良からぬ噂」が聞こえて来たのである。つまらぬ噂とは、「あそこは料金が高い!」という根拠なき誹謗(業務妨害)である。どれだけ研究開発に没頭し、どれだけ自腹を切って投資したのかも知らずして、横槍を入れて欲しくはない。(これを、熊本独特の「肥後の引き倒し」と呼ぶ。)
一般企業が本格的にネット事業に動き出したのは、筆者がスタートしてから2年後の1997年に入ってからのことである。今から既に四半世紀(ネット旧石器時代)が経つが、思い起こせば、日々戦争の最前線にいるような心地で、見えざる敵を払い除けては、パイオニアとして先頭を突っ走った。
手前味噌ながら、当時、CG(シリコングラフィックスのマシン2基導入)で九州一を獲得したのは、NHK衛星放送さんと関西テレビさん各社への、強引なる営業である。更に、両局からは十数年にわたり、次から次へと業務依頼を受けて、数百本のCG作品を制作供給したことになる。
また、ネット事業に関しては、熊本県内旅館の若旦那衆や若女将の積極的な取り組みと、熊本流通センター優良大手8社の強力なる支援が、当時の筆者のネット事業を助けてくれたことになる。この場をお借りして、遅ればせながら、心より感謝申し上げたい。
話は逸れ、主題を忘れてしまう、いつもの記述パターンになるけれども、競合他社との競争にて打ち勝つには、先ず、「自分の能力を知ること」、「相手の能力の限界や弱点を見定めること」、「誹謗中傷や揶揄に堂々と立ち向かうこと」、「料金引き下げ競争に巻き込まれないこと」などが重要なポイントだ。
ネットに関しては、グローバルスタンダードの動きをしっかりと見極めることが重要。パソコン進化の度合い、通信環境の変化、有力ブラウザやインデックスサービス(検索サービス)の世界的な動きなど、具に、日々リサーチを掛けながらの事業展開となる。
しかし、一番になって「実績」を重ねるのは、すこぶる喜ばしいことではあるものの、ここで自戒を込めて申し上げておきたいことは、当たり前のことだが、「実績」より「実利」が重要であるということだ。その「実利」を度外視して、「実績」ばかりに目を奪われていると、折角の一番が泣いてしまうことにもなりかねない。
諄いが、口を酸っぱくして皆さんにサジェストしたいことは、「実績」よりも「実利」を念頭に、競争世界の覇者、第一人者となって頂ければと願うばかり。
何事も、先手必勝!
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