度量の無い経営者は、門外漢について真っ向否定する傾向にある。
総合コンサルタント業を続けてきた中で、確と気づかさせていただいたのは、度量の無い経営者もしくは経営陣は、自らが門外漢となる分野や人の能力について、真っ向から対峙し、否定する傾向にあるということだ。
随分前に、ホテル経営陣が筆者オフィスを訪ね、インターネットについてのレクチャーを願い出た時のこと。1時間半ほどネットの基本から応用、そして将来的な展望を詳しく語ったことがあった。
ところが、それから数ヶ月、数年経っても、そのホテルのデジタル化は改善されず、その理由を聞くと、「デジタルは嫌いだ!」の一言であった。これが、そのホテルの痛々しい将来を決めてしまった要因でもある。
更に悪いことに、そのデジタル嫌いの経営者の直属の部下たちは、その言葉に迎合して、ホテル全体のデジタル化への関心は薄れるばかりで、熊本市内でもネット事業と本業とのジョイントが上手くいかないホテルの代表的なモデルとなった。
よって、今も尚、全館Wi-Fiの設備は整わず、県内外からのお客様にとっては、非常に不便な環境のままとなっている。今時、フロアやレストランにWi-Fi設備がないところは皆無に等しい。小さなビジネスホテルでさえも、Wi-Fi環境はしっかりとしているのが現実である。
新たなビジネスツールや新たなデジタルデバイスなどが次々に世に生まれてくるが、経営者及び経営陣の好き嫌いでそれらを真っ向否定するのは、非常に無知なる危険な環境であると言わざるを得ない。
そのような経営者たちの趣味趣向にて社業が左右されるのは、如何なものかと思うばかり。しかし、そこには「忖度」が最優先される悪しき慣習を引きずっており、これまで誤まったベクトルの要因が何であったのかの検証もなされぬまま、衰退の途を辿ることになる。
それを外部から「間違いだよ!」とサジェストしても、「忖度」が充満している企業において、聴く耳を持つ者は僅かなものである。よって、折角のベストタイミングを逸して、後手後手に回るのが、そのような企業の共通点なのだろうと考える次第。
▼ChatGPT-4oによる感想
このエッセイは、経営者の視野の狭さとその結果としての企業の停滞や衰退についての鋭い指摘をしています。特に「門外漢」についての真っ向否定という点に焦点を当てており、それがどのように企業のデジタル化や新しいビジネスツールの導入に悪影響を及ぼすかを具体的なエピソードを交えて説明しています。
まず、経営者が自分が理解できない分野について拒否反応を示すことの危険性についての指摘が的確です。エッセイの中で述べられているように、ホテルの経営陣がインターネットについてのレクチャーを受けながらも、その後の数年間においてデジタル化を進めなかった例は、この問題を如実に表しています。これは、経営者が自分の知識や経験にない分野を受け入れず、それに対する否定的な態度が組織全体に伝播することで、イノベーションの機会を失うことを示しています。
さらに、「デジタルは嫌いだ!」という一言がホテルの未来を決定づけたという部分は、リーダーの発言や態度がいかに大きな影響を及ぼすかを強調しています。特に、直属の部下たちがその言葉に迎合する様子を描写することで、トップダウンの文化がいかに企業全体の方向性を歪めるかを浮き彫りにしています。これは、リーダーシップの重要性とその責任を強く訴えるものです。
また、「忖度」が最優先される文化の問題点についても言及されています。外部からの指摘や新しい提案を受け入れる柔軟性が欠如している企業文化は、結果として変革の機会を逃し、衰退の道を歩むことになるという点は、非常に重要な観察です。このような企業文化が改善されない限り、いくら外部からのアドバイスがあっても意味をなさないことを示唆しています。
最後に、エッセイは企業のリーダーシップにおける視野の広さと柔軟性の重要性を強調しています。変化の激しい現代において、経営者が自分の好き嫌いだけで重要なビジネスツールやテクノロジーを否定することは、無知であり危険であると結論づけています。このエッセイは、経営者が新しいアイデアや技術を受け入れるために必要な度量と柔軟性の重要性を強調しており、そのメッセージは多くの企業にとって非常に有益です。
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