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『文武両道』と教えられ、色々と考えさせられた幼い頃。・・・そして、今。

<『文武両道』と教えられ・・・>

 幼い頃に、剣道を強制的に押し付けられ、6歳から木刀や竹刀を持たされた。『書道』や『絵画』、そして『音楽』にも興味を持っていたが、全ての習い事は『剣道』の一本に絞られた。

 筆者が通う小学校には『剣道部』が無かったので、学校が終わると、防具を肩に掛け、街場の『剣道場』か『警察武道場』へ足を運んでいた。

 お腹が空きっぱなしだったが、戻ったら、さっさと夕食を終えて、宿題をすることに。当時、耳にタコが出来るほど聞かされたのが、『文武両道』と言う言葉である。

 父や叔父の兄弟二人は、徹底して『文武両道』に育てられ、それを完璧に達成していたと、欲目で見ても、子供ながら、子供心に、「大したもんだ!」と感じていた。


<『男尊女卑』と『女性蔑視』の時代>

 昔は、『男性は強く逞しく、女性は淑やかに!』が、当たり前の時代だった。

 『男性優位の世界』を死守するために、長い歴史の中で踏み固められ、腐った土壌となったに違いない。しかし、当時は、『口返答』などするものなら、食事抜きのお仕置きが待っていた。

 今頃になり、ようやく世界が声を大にして『多様化の時代』と言うものの、今も尚、世界中に『男尊女卑』や『女性蔑視』の悪しき文化がへばりついているのは間違いのない事実。御多分に洩れず、日本も然りであるが。

 ふと思ったのが、パソコンが世に出始めた頃に、『キーパンチャー』といった職種があった。殆どが女性ばかりで、それが女性だからこそ当然のような職種と見られていたようだ。

 長時間の単純労働は、女性だけに強いるという差別的な考え方。時代をワープして、大正時代末期に発刊された『女工哀史』を紐解けば、全てが浮き彫りとなるはずだ。


<エロ狸は穀潰し>

 昭和時代のオフィスを見回すと、目の前にいる上司は狸腹のおっさん。昼食後に爪楊枝を口に咥えたまま、シーハーシーハーと煩い音を発しながら、女性の作業を見ては、ニヤニヤしてセクハラ用語を連発していた。そして、「おい、お茶!」と命令を下す。

 時には、差別用語もバリバリと、一所懸命に両手指を秒速にて動かし、仕事に専念している女性を弄り回して、冷やかしていたのだった。

 その狸腹のおっさんは、上司と言って偉そうにしているが、電卓もキーボードも叩けない、不器用で石頭で、全く捌けぬ、単なるエロおっさんである。これが罷り通っていた時代があったのだから、驚きだ。

 給料日ともなれば、狸腹のおっさんは茶封筒に分厚い一万円札の束を貰い、『キーパンチャー』などの特殊業務を任された女性たちは、茶封筒は薄っぺらで、小銭が多い薄給に耐えながら仕事をこなしていた。

 生産性を考えれば、そのエロ狸は会社にとっては『穀潰し』としか言いようがない。それに対して、女性たちの仕事は生産性があり、仕事の効率を高めるパワー軍団として、会社にとっては必要不可欠な存在であった。


<脳筋男性 vs 繊細+持久力の女性>

 やはり、長きに亘り『男社会』を続けてきた中で、『文武両道』を勝ち得なかった男たちは、『脳筋(筋肉でできた脳みそ)』で思考力が無い。何かトラブルと、咄嗟に『脳筋』に感情スイッチが入り、理性を失い、『暴力』で押し潰そうとする。今のロシアと同じである。

 その点、『繊細』で『持久力』のある女性たちは、耐え難きを耐えての日々を送っていたのだろうと思われる。されど、今の時代となれば、その『繊細さ』と『持久力』は大したもので、殆どの男性が簡単には真似できないほどの『根性』を要するのである。

 『脳筋男性』の思考回路は、こうである。仕事開始から早々に気が散って、すぐ諦める。昼食後にはダラダラとサボりに転じる。そして、午後4時頃には内線電話で目を付けていた女性をデートに誘う程度の仕事ぶりだ。

 『繊細+持久力の女性』の場合は、与えられた仕事をさっさと片付け、更に、翌日分までをも手に取り、終業時間まで仕事に集中している。勿論、目の前のデスクのお兄さんに色目を使ったりする女性は論外だが。


<『文武両道』の賜物>

 父や叔父は『文武両道』を強制していたが、それを、嫌々ながらでも素直に聞いていたことは、今頃になり感謝している。よって、理論闘争となっても負ける気はしないし、重い物でも楽々担ぐことができる。ただ、好きだった『書』や『絵画』、『音楽』が手薄になってしまったのは寂しい限り。

▼米俵一俵を担ぐ

 以前、農家を訪問した時に、米俵一俵(約60kg)が置いてあった。農家の方数人が、筆者(新聞社時代)に「あんたはホワイトカラーだけん、こん重か米俵は担ぐことはできんだろう!」と言われ、周囲も笑っていた。

 スーツを脱ぎ、ワイシャツとネクタイだけになって、「セーノ!」でその米俵を肩まで担いでしまった。農家の方々は、スタンディング・オーベーション。その時、ニヤッと心で笑ったことを思い出す。

▼土嚢50kgを担いで50m走

 更に、社会人になる前に、陸上自衛隊に体験入隊したことがあり、その時も、50kgの土嚢を肩に担いでの50m走の計測があった。皆、20秒前後で走っていたが、筆者だけ14秒を切っていた。

 その時の担当官の1尉が、「会社に行かれるより、陸自幹部候補生にならんですか!?体力検査は突出しており、自衛官の平均値を遥かに上回ってますよ!」と冷やかされた。


 最後に、本日の流れはかなり無理があったけれども、男性は『脳筋』になっては役立たずであり、女性のパワーをもっと表に出せるような世の中になればと思い、コラムを書き綴った次第。ご理解頂ければと・・・。

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西田親生@D&L
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