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器用貧乏ではなく、マルチ人間たれ。
「彼は器用貧乏だから!」とよく耳にすることがある。この「器用貧乏」とは、能力はあるが中途半端で、プロフェッショナルのレベルには達していないなどを意味する言い方である。
それに対して、「彼はマルチ人間だ!」と言われれば、多様な分野で深い専門知識やスキルを持つ人を指し、マルチ能力を活かし、仕事や趣味を楽しむことができるという称賛の言葉である。
「器用貧乏」と「マルチ人間」は似ているようで異なるものだ。
そこで問題なのは、世の中にはどちらが多いかといえば、統計調査を待たなくても、「器用貧乏」の方が圧倒的に多いに違いない。
「器用貧乏」であればあるほど、他者の前で自慢げにする人をよく見かける。饒舌さが加われば「過信」の導火線に火がつき、赤恥をかきながら狭い世界を闊歩する。
しかし、我々が目指すべきは「マルチ人間」である。例えばMacのパソコンでは、「マルチタスク」が伝統的な思想であり、「シングルタスク」で四苦八苦している人と比べると、比較にならぬほど効率の良いルーチンワークをこなしている。
では、「マルチ人間」になるにはどうすればよいのか?これは個々人の意識の問題でもあり、多様な分野に造詣の深さを持つには、多様な分野同士のジョイントを上手く行う必要がある。
また、趣味を仕事としている人は、実際、「マルチ人間」が多いようだ。その結果、彼らは仕事においてストレスを感じず、常に趣味の境地にて楽しんでいるので、次から次へと新たな分野へ挑戦できる。
何事も中途半端なことは無意味な能力であるとされ、自己満足に留まり、狭い世界に閉じこもってしまう。
目指すは、「マルチ人間」。筆者が主催するプライベート塾「Well Done」の一つの目的は、「マルチ人間」の輩出にある。例えば、「マルチ人間」のスタッフが三人いれば、「器用貧乏」のスタッフが十人いようとも、仕事は前者の方が圧倒的に捌けることになる。この差は、思いの外、大きい。
畢竟、「マルチ人間」が「マルチタスク」を可能とするウェポンを手にすると、鬼に金棒となるわけだ。
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