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名物歯科医師、逝去。
新聞社時代に、熊本市内上通アーケード街に面したビルに、高齢ご夫婦が経営する画廊喫茶「宝塚」があった。同店は既に廃業しているが、そこは経済界の重鎮が集まる、タイニーだが、とても素敵な喫茶店であった。
そこで出逢った経済界の重鎮の方々。その中に、筆者のことをファーストネームで近しく呼んでくれていた名物歯科医師がいた。その方が、このほど79歳で急逝されたのである。一瞬にして、笑ったり怒ったりするその方の顔が眼に浮かんだ。
思い起こせば、名物歯科医師はとにかくアグレッシブに動く方であり、積極的に勉強会を開催し、若手歯科医師のみならず、多方面からの参加者が多かった。思い立ったら、絶対に譲らぬ頑固さ(肥後もっこすの典型)があった。
27年ほど前(筆者が起業して6年目の頃)に、名物歯科医師から唐突に講演依頼があった。熊本市国際交流会館会議室にて「インターネットの役割と将来性」について講演を願いたいとの事であった。
その当時、歯科医師だけで二十人ほどが集まり、熱心にメモをとりながら筆者の講義を聞かれていたのが印象的である。また、その方は52歳。現役バリバリの歯科医師として活躍していた頃の話である。
2時間ほどの講義を終え、その方は近寄ってきて、「○○ちゃん、ありがとうございました。申し訳ないけど、講演料はなかけん。ごめん!飯(メシ)どん食いに行こう!」と申し訳なさそうに語った。
勿論、講演依頼時にある程度察知していたので、別に問題はなかった。超マイペースで動く方なので、無言で「No problem」と笑顔で返した。
筆者の想い出は、当時の上通アーケード街を、アフター5に闊歩していた名物歯科医師の元気の良さと、逆に、ざっーとしたところであろうか。そのギャップは、人並みどころの騒ぎではなかった。
何とも憎めぬ方であったが、今回その訃報を聞きながら、時代の流れをひしひしと感じた次第。
尚、訃報を伝えてくれたのは、現在、歯科医師でもあるその長男であった。歯科医師二世代に亘りお付き合いできるというのは、とても幸運なことでもある。
筆者が新聞社時代には小学校5年生であった長男。今では、名物歯科医師を引き継ぎ、新たなコンセプトにて、現役バリバリで頑張っている。蛇足ながら、長男は美人母譲りでなかなかのイケメンであるので、運が良かった!
筆者もいつの日かこの世を去ることになるが、素敵な笑顔が印象深い人物でありたいと思うばかり。
79年の人生を謳歌された名物歯科医師は、天国に行ってもあちこちを闊歩して元気一杯であろうかと。
末筆ながら、名物歯科医師のご冥福をお祈りして、筆を置くことにする。
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