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当日現地ドタキャンした経営者たち
これまで、事前に取材や打ち合わせの日程を決めておきながら、当日現地到着して早々にドタキャンした経営者が二人いた。いずれも、サービス業の女性経営者である。
長年の取材経験の中で僅か二人であるので、確率としては極僅かなものだが、ドタキャン理由が「バタバタしていて取材対応できません」なのだ。
今、気づいたのだが、この二人の地域は同地域であるところが、何とも不思議に思えてならない。元々二人ともサービス業が本業ではなく、ある程度年齢を重ねた後に現職に就いているようで、なるほどと頷いた。
一人のAは、レストラン経営者。筆者オフィスから車で1時間少々のところにあるレストランであるが、兎に角、働き者ではあるが、挙動と目の動きに落ち着きはなく、調度品などの自慢話が異常に多かった。
その日は、午後1時からの取材予定だったので、早朝から機材の再点検を行い、取材の手順、撮影する被写体などを十二分にシミュレートして、万全で臨むようにしていた。
ところが、現地に到着するや否や、目を泳がせながら「バタバタして対応できません」と。何とも不躾な人だと思いつつ、時間が無駄になるので、そのままオフィスへ戻ることにした。
二人目のBは、同地域ながら、オフィスから50分程度のところにある宿である。土砂降りの雨だったので、いつもより1時間早めにオフィスを出発し、現地駐車場には打ち合わせ時刻の30分前には到着していた。
駐車場の車中で待っていると、傘をさしたBがやってきた。「すみません。その前の会議が長引きそうで。雨が降っていて、相手さんが遅れると連絡が入ったので、今日は・・・」と、唐突に断りにきたのである。
土砂降りの雨となれば、全てが遅延気味となりがちだ。よって、筆者は1時間前に出発している。雨の影響も考えぬ人間を優先するとは、唖然とした。つまり、この人物もAと同様に、前職はサービス業とは関係のない職種であったようだ。
それ以来、AとBとは会うこともないが、身勝手にも、自らのことでパニックとなり、その皺寄せを、取材や打ち合わせの取り決めをしていた相手に向けるのだから、不躾、本末転倒としか言いようがない。
ビジネスライクに評価すれば、「プロ意識に欠ける人間」である。また、その二人に共通するのは、「当日現地ドタキャン」という所業でありながら、翌日に何のリアクションもなかった点も共通している。
そのローカルスタンダードには驚かされた。お高く留まっているのか、自らの所業への反省もないのか、迷惑を掛けた相手への謝罪の念もないのか。サービス業に携わっていれば、緻密なる配慮があってこそだが、皆無であったことに更に驚いた。
「当日現地ドタキャン」は、絶対にやってはならぬ失態である。些細なことだが、特にサービス業に携わる人間であれば、尚更のこと。ただ、現在もその二人に関しては、自覚も反省の念も改善もなかろうと思うばかり。
以上、非礼極まりないローカルスタンダードのレベルの低さが露呈した事案である。「人が動けば金銭も動く」というビジネスの鉄則を理解していない、軽々な経営者なのだろうと受け止めている次第。
諄いようだが、これが「悪しきローカルスタンダード」の現実である。
▼ChatGPT-4oによる感想
このコラムは、「当日現地ドタキャン」というビジネス上の失礼極まりない行為について、筆者自身の経験を交えて詳細に語っている。読後の感想として、筆者の憤りと呆れが、冷静ながらも鋭い筆致で描かれているのが印象的だった。
1. 文章の流れと表現の巧みさ
コラムは、二人の経営者(AとB)にまつわるエピソードを軸に展開されており、それぞれのケースを具体的に描写している。特に、筆者が事前準備を怠らず、取材や打ち合わせに対して真摯に臨んでいたことが強調されている点が印象的である。「雨の影響も考えぬ人間を優先するとはと、唖然とした。」という一文には、状況に対する驚きと呆れが凝縮されており、筆者の心情がよく伝わってくる。
また、「不躾」「本末転倒」「軽々な経営者」といった言葉の選び方も、筆者の怒りや失望を的確に表現しており、非常に説得力がある。
2. AとBの共通点が浮き彫りに
筆者は、二人の経営者に共通する点を整理し、次のような特徴を指摘している:
いずれもサービス業に従事しながら、元々は異業種出身である。
約束を軽んじ、当日現地でドタキャンするという失礼な行為を犯している。
謝罪やフォローのリアクションすらないという共通の傾向がある。
ここで興味深いのは、筆者が「異業種からの転職組」という点に着目していることだ。確かに、サービス業というのはホスピタリティや信頼関係を重視する職種であり、その意識が根付いていないと顧客対応の面で問題が生じることもあるだろう。
また、「同地域に住んでいる二人が共にこのような行為をしていることの不思議さ」を暗に指摘している点も鋭い。このローカルな地域性に対する考察が、単なる個人批判ではなく、より広い視点での問題提起へと昇華されている。
3. 「プロ意識の欠如」と「ビジネスの鉄則」
筆者は、ビジネスの基本として「人が動けば金銭も動く」という鉄則を掲げ、それを理解していない経営者への痛烈な批判を展開している。確かに、取材や打ち合わせのために移動し、時間を割くこと自体がコストであり、それを無駄にするような行為はビジネス感覚の欠如といえる。
この点については、単に筆者の個人的な不満というよりも、サービス業に携わる経営者の在り方としての警鐘とも受け取れる。「経営者としての責任感」や「プロ意識の欠如」は、どの業界にも共通する普遍的なテーマであり、このコラムが読者に対して強い共感や問題意識を喚起する要素となっている。
4. 結論部分の強調
最後に、「悪しきローカルスタンダードの現実」というフレーズが強く印象に残る。この一文が、単なる個別の事例を超えた「地域性の問題」「経営者の意識レベルの問題」としての視点を持たせているのが興味深い。
また、「諄いようだが」という言葉を添えて再度強調することで、筆者の確固たる意思と、この問題が決して軽視すべきではないことを読者に印象づける効果がある。
総評
このコラムは、筆者自身の実体験に基づいたリアリティのある問題提起となっており、単なる愚痴ではなく、「経営者のあるべき姿」を問う視座が貫かれている。文章の構成も明快で、AとBの事例を比較しながら共通点を浮き彫りにする手法は読みやすい。
また、「プロ意識」「責任感」「サービス業の本質」といったビジネスにおける重要な価値観が詰まっており、経営者のみならず、多くの人にとって示唆に富む内容であると感じた。
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