「クレーム処理の方程式」をしっかり学べ!
某ホテルのクレーム処理を拝見していると、最も際立つのが、問題が生じる度に、さっさと「対峙」の立場を選択するのである。悪しき慣習のようだが、クレーム者を悪質な「犯人」として扱うことからスタートしている。
冷静に判断し、ホテル側に問題があれば、「対峙」を選択するのは無謀であり、誠意のなさが露呈する。勿論、根拠のないクレーム者の「難癖」となれば、しっかりと事実確認を行い、最短最適な処理を行えば良いだけの話。
何故、某ホテルが「対峙」を選択するのかは、1)火の粉を直接被りたくはない、2)ホテルとしての損失を最小限に留めたい、3)非を認めることが己の汚点に繋がるという思い込みなどが大きな要因と言える。結局、顧客優先ではなく、己の保身を最重要視しているに過ぎない。
五つ星ホテルでホテルのホテルと称される立派なホテルは、新人研修から役付になるまで、徹底的に「ホテリエの精神」を叩き込み、鍛え上げられた全スタッフが常日頃から「接遇の基本」をしっかり実践している。しかし、一般的なローカルホテルでは、教育制度もいい加減であり、「ホテリエ」としての「基本の基本」が出来ていない。
従って、間違っても、クレームが起きた段階で、「対峙」を選択するものではない。更に悪い結果を齎すのは、「対峙」→「無視」、「遮断」という子供染みた、卑怯な動きに転ずることである。
ある時、ホテル側の問題点を書簡にて指摘したところ、「事実関係は無いと認識しており、これ以上電話や書簡があれば、顧問弁護士に相談することになるので悪しからず。」という、これまた子供のような手紙が送られてきた。
高圧的に牽制し、顧問弁護士を登場させることで威嚇したつもりだろうが、堂々と正面切って対応できないのは、ホテル側に「非」があるからだ。それに蓋をするために、顧問弁護士を盾に使っているところなど、理解に苦しむ。
有能で公正中立な顧問弁護士であれば、「こちらに非があるのに逃げたらダメでしょ。しっかり誠意をもって対応し、先方が納得行くように対応してください。」とサジェストするはずだ。
それを、「じゃあ、これから電話や書簡があっても知らぬ存ぜぬで逃げましょ。内容証明書を一通送っておけば、相手も怯むでしょ!」というような御用弁護士では、ホテルの品位を落とすばかりか、解決するものもできなくなってしまう。その積み重ねが、ホテルのブラック化を加速するのである。
自らに「非」があり、間、髪を入れず「対峙」が頭に浮かぶような経営者であれば、社員からの信頼はない。特に、現場のスタッフたちが顧客の激昂に晒されるだけであり、小さなクレームが一大事となり、「対峙」という選択肢が、ホテル側の社会的信頼失墜に繋がってしまう。
以下のようなすこぶる簡単明快なる「方程式」が理解できないのであれば、ホテル経営に携わるものではなく、その資格はない。資質として「ホテリエ」として熟成しておらず、真偽のほどが理解できないばかりか、暴走し赤恥をかくばかり。
従って、日頃から顧客の声に耳を傾け、しっかりと聴くことが第一歩。常にガラス張りにて、問題解決に努める誠意あるホテルが、サービス業の頂点と言われる所以ではなかろうか。
◎クレーム処理の方程式
(社内処理と対外処理を併行して行う)
1)傾聴→2)事実確認&真偽検証→3)対話による誠意ある対応→4)顧客理解度判断→5)解決→6)アフターフォロー→7)信頼関係維持
1)傾聴
・耳を傾け真摯に受け止める
2)事実確認&真偽検証
・自社に非があれば→誠意をもって対応する
・自社に非がなければ→無視せず、根拠を丁寧に伝える
※「謝罪は誠意の第一歩」
3)対話による誠意ある対応
・「高圧的」、「無思慮」、「場違い」な表現は厳禁
4)顧客理解度判断
・常に顧客目線を貫く
5)解決
・双方の「安心安堵」の確保
6)アフターフォロー
・解決後の双方の「笑顔」が重要
7)信頼関係維持
・問題発生後も良好な対話を維持し信頼関係を築く
◎「誠意」の実践例
昨日、筆者の記事で「B to B、B to C、C to C、全て「誠意」が命。」を読み、クレーム処理を行ったという読者からのメールが飛び込んできた。以下の通り。
「先日、ネット販売した商品が不良品だと言われ返金を求められたのですが、気持ちよく応じた所、最初は怒っていた購入者が、『申し訳ございません。またの機会にご縁が頂戴できますことを願ってやみません』と丁重なメッセージがありました。ピンチはチャンスでもあり、誠意ある対応により信頼関係が築けたように思います。」
▼B to B、B to C、C to C、全て「誠意」が命。
▼ChatGPTによる評価
このエッセイは、クレーム処理に関する重要なポイントを指摘し、特に「対峙」の姿勢や「誠意ある対応」の重要性に焦点を当てています。以下はエッセイの評価ポイントです。
具体的な問題の指摘:
エッセイは特定のホテルのクレーム処理の問題を具体的に指摘し、それに関連した社内の慣習や問題を議論しています。これにより、読者は問題を理解しやすくなります。
「対峙」の問題:
エッセイは、「対峙」の姿勢が問題を悪化させ、誠意の欠如を示すと指摘しています。クレーム処理においては、冷静に事実確認と誠意ある対応が必要であることを強調しています。
企業モラルと信頼関係:
著者は、企業のモラルと信頼関係の重要性に言及し、クレーム処理において誠意ある対応が信頼を築くために不可欠であると強調しています。
社会的影響:
エッセイは、ホテルのクレーム処理の問題が社会的信頼の喪失につながる可能性があることを議論しており、企業の社会的責任にも言及しています。
クレーム処理の方程式:
エッセイは、クレーム処理のステップを示す方程式を提案し、クレームを解決するプロセスに関する指針を提供しています。
実践例の引用:
エッセイは実践例を引用し、誠意ある対応が信頼関係を築く手助けとなることを具体的に示しています。
このエッセイは、クレーム処理における誠意ある対応の大切さを示唆しており、企業やサービス業に従事する人々にとって価値のある指摘を提供しています。また、具体的な方程式を示すことで、読者に実践的なアプローチを提供しています。