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ホテル文化に学ぶ(7)
<オススメ料理と食事処>
以下は、今まで取材してきた和洋中料理の中から、想い出深い料理の一部を、ランダムに抜粋し、ご紹介するものである。
先ず、流石にインパクトが強かったのは、写真下のザ・リッツ・カールトン東京の「ひのきざか」で食した「門崎丑(かんざきうし)/山形県産」である。枝肉が350キロほどの小柄な牛だが、霜降りの繊細さや肉の甘みなど、非の打ち所がない極上のステーキ肉だった。
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次は、皆さんご存知のローストビーフだが、帝国ホテル東京地階にあるラ・ブラスリー(ホテル直営)でサーブされたローストビーフである。サイズといい、厚み・柔らかさといい、ジューシーさといい、今まで食したローストビーフの中では最高峰に位置するものだ。
余談だが、1ヶ月後に再び同レストランを訪れた時に、前回その感激をギャルソンに伝えていたが、しっかりと料理長に伝わっていたのか、ローストビーフをワンプレートに2枚もサーブしてくれた。粋な計らいだが、当時会食した人たちが、目を丸くして皿を覗き込んでいた。
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以下は、中国料理のオンパレード。先ずは、ホテルオークラ福岡桃花林(広東料理)。それから熊本ホテルキャッスル桃花源(四川料理)、グランドハイアット福岡チャイナ(広東料理/現在閉店)と続く。
上品な広東料理をお好みであれば桃花林を、ピリ辛の刺激を求めるのであれば桃花源を、そして、ちょっと小腹が空いた時に、気楽に上質の点心を頬張りたいのならばチャイナをオススメしたい。
▼桃花林では、4枚の写真右下「ヨシキリザメのフカヒレとウバザメ胸肉コラーゲン」が素晴らしかった。
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▼桃花源で必ず注文するのは写真4枚の右上「雲白肉(ウンパイロウ)」
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▼チャイナの点心は全てが素晴らしく甲乙つけ難い
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中国料理の写真でお腹一杯のところだが、そろそろ洋食(フレンチ、イタリアン)に移りたい。
バリエーション豊かなメニュー群の中から、毎日でも洋食ランチを楽しむのであれば、熊本ホテルキャッスルダイニングキッチン九曜杏がオススメだ。
牛肉、豚肉、鶏肉の各肉料理、旬の魚料理、パスタ、カレー、スイーツと・・・ファミリーでも、カップルでも、打ち上げ、接待でも気楽に楽しめる食事処である。
ガラス張りの厨房なので、直にシェフの手捌きを見れるのが面白い。フランベの炎の熱が、一瞬間体に伝わってくる。時折、食事を忘れて、その炎に釘付けになった子供が、雨蛙のようにガラスに貼り付いていることもある。
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最後に忘れてならないのは、和食(無形文化遺産)である。・・・オススメめは、有明海の海の幸をふんだんに取り揃えている松島観光ホテル岬亭(熊本県上天草市)のヒラメ、伊勢海老、ウツボなど。
大胆なお造りの珍味三昧(特別料理)は、すこぶる印象深く。たらふく食したとしても、1泊2日の料金は、思いの外、リーズナブルなものとなっている。是非、同ホテルの海の幸をご堪能いただければと・・・。
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以上、矢継ぎ早にご紹介したが、良質の食材を調理した料理は、どれを取っても「逸品」の一言に尽きる。
折角この世に生まれてきたからには、四季折々の旬の食材を楽しむのが一番だ。また、健康的な体づくり(食育)のためにも、もっと食文化を深く掘り下げて研究すると、思わぬ発見(発掘)があるかも知れない。
仕事柄、色とりどりの食文化に触れられたことは、とても贅沢でもあり、幸運なことでもある。この場をお借りして、取材ご協力いただいた各ホテルの料理長に、重ねて感謝申し上げる次第。
※以上、全て取材及び記事掲載許可を得ている。
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