『破壊』ほど、生産性のないものはない。
ウクライナ危機に見る、ロシア軍の残忍なる『破壊』。ウクライナ各地の民家、アパート、マンション、歴史的重要建造物、公的機関のビル群、病院や学校、発電所、そして通信インフラ及び交通インフラと、ロシア軍は『破壊』と『ジェノサイド』を繰り返し、平穏無事なるウクライナ国民生活の時間を止めてしまった。
国を乗っ取るテロ国家の遣り口は、汚すぎる。『嘘』ばかりを連発し、都合が悪るければ、更に『嘘』の上塗りで誤魔化す。自国の戦車や装甲車、戦闘機、ヘリコプター、その他銃火器などの武器が尽く、逆にウクライナ軍の反撃により『破壊』されている無様な格好を見ていると、「いい加減に馬鹿げた侵略戦争を止めてしまえ!」と言いたくもなる。
鉄資源も無限とは言えない。一つ一つの人造物が無惨にも燃え焦げ落ちる。そのまま放置すれば、鉄屑が赤錆となり土中に埋まって行く。人も土に埋められ骨となる。皆の『幸』など宇宙の彼方へ消え去ってしまったように、地獄絵巻のデス・ストーリーだけが眼前に広がる。
『破壊』が『復興』という言葉に入れ替わるためには、『破壊』された残骸全てを撤去し、更地にして、都市づくりの遣り直し。考えるだけで、気が遠くなってしまう。日本も『戦後復興』を経験しているが、『無条件降伏』という最悪のシナリオにて、敗戦国家として地獄の苦しみを味わいながら77年が経った。
『破壊』は、何も生み出すことはない。つい数ヶ月前の平穏無事なる良き時代に戻ることはできない。僅か、一人のゾンビのような狂人のために、ウクライナ国民ばかりか、世界中の人たちが『ツンドラ地帯』へ連れ去られて行くような、嫌な気分になってしまう。『破壊』は、狂人どもには『快感』なのだろうか。いや、顔つきを見ると、財は築いているが、すこぶる不幸な顔をしている。僅か半年にて、急激にやつれ、醜く老いつつある。
狂人に、段々と老いと死の恐怖が襲ってくるのは時間の問題だが、『破壊』を選択した狂人は、自らの心身内部からの『破壊』に苛まれることになる。誰も助けてはくれない。人は一人一人に寿命とういう制限が設けられており、遅かれ早かれ、いつの日か、その蝋燭の灯は消えて行く。
『破壊』は腐った溝(どぶ)のように無価値なものだ。『創造』にはハートがあり、アートがある。『破壊』を歴史的遺産の観光資源として利用しようとする、商魂逞しい人間もいないではないが、『破壊』は全てを数百年、数千年もリワインドするために、現在まで培われてきた精神文化も、完全に葬り去られ、旧石器時代へと後戻り。
この狂人の蛮行は絶対に許すべきではない。地球がひっくり返っても、歴史書に狂人の存在を刻むことだけは、是が非でもご遠慮願いたい。刻めば、歴史書が血に染まってしまう。
蛇足ながら、狂人の漢字名『不鎮』を思いついた。しかし、鎮まって貰わねば、非常に困る。