何故、トラブルが沢山降り掛かるのか?・・・それは、正義感と距離感が間違っているから。
正義感と他人様との距離感。これは気をつけおいた方が良い。
筆者なりの半生を振り返る中で、これまでに、何故トラブルが沢山降り掛かることが多かったのか、検証してみることにした。
結論から申し上げれば、正義感が強く、他人様の悩みを聞けば、それを何とかしてしてあげねばとスイッチが入ってしまう悪癖があることに気付かされた。
流れは以下の通り。
『相談事が舞い込む→正義感にスイッチが入る→問題解決のシミュレーションが走る→解決に向けて直走る→悪者にされる』
例えば、企業Aのトップが脱税やらセクハラを日々行っているという。その息子は大の大人だが、その親にそっくりで、異常なる性格にて、日々若い女性をたぶらかし、妊娠騒動を何度も起こし、全て金銭で済ませるという蛮行の繰り返しであった。
相談事は、そのバカ息子を何とか制して、対外的なトラブルを無くしたいと言うものである。先ずは精神科へ相談させ入院となったが、その母親が直ぐに病院から連れ出し、同じことの繰り返し。
更に、バカ息子は、親の脛かじりであるにも関わらず、周囲の輩から騙され、訳の分からぬ契約書に実印を押しまくり、大枚を騙し取られる始末。それが幾度も続くのであった。
結局、そのバカ息子を完全に隔離することで、以前のようなトラブルは発生することは無くなり、平穏無事なる環境が整ったに見えた。しかし、数年後に、突如、会社Aのトップの妻(バカ息子の母親)より依頼を受けたという女性弁護士から、内容証明書が送り付けられてきたのである。
そこには、1)貴殿に依頼をした覚えはない、2)会社Aを乗っ取るのではないか、3)脱税について脅しを掛け多額の金銭を奪い取ったなど、恐喝文が堂々と書いてあった。
全てが、会社Aトップの妻の虚言に始まり、捏造された書簡であるが、名誉毀損に当たるような罵詈雑言を並べ立てていた。
直ぐ様、おバカな弁護士へ書簡を送りつけると、再び、同じ内容で行数少なめの内容証明書が届いた。根も歯もない内容に閉口しつつ、次は、確たる証拠を添付して、少々キツめの書簡を送りつけたのである。
結局、その弁護士は解雇となり、その後何の連絡もない。呆れ果てるばかりだが、その会社Aから正式に依頼されていたけれども、さっさとさよならすることにしたのだった。
とんでもない言い掛かりであり、その母親は、自分の腹を痛めたバカ息子を庇う一心にて、筆者の存在が煙たくもあり、邪魔になってしまったのだろうと。
弁護士の難癖に反論したのは、以下の通り。
1)会社Aのトップより実印を押した正規依頼書を頂いている。
2)会社Aを乗っ取るなど興味もなく、社内不正浄化に徹底したのみ。
3)脱税の証拠は確と掴んでいる。
トラブルの相談を受けて、正義感をもって社内浄化のために四苦八苦したにも関わらず、以上のように理不尽なる裏切りを受けるのである。とんでもない話である。よって、虚言バリバリの難癖つけた方が退散することになった。当然のことである。
このようなトラブルは、距離感の問題とも言える。過去を振り返れば、必ず、「家庭内トラブル」か「社内トラブル」が原因ばかりだったように思える。
今までいろんなコンサルが入りつつも、一年も続かないところは、こういった「家庭内トラブル」が大きな要因となっている訳だ。従って、外部の人間が不正浄化を行えば、最終的には、正統派の人間をも異物化してしまい、追い出すことで、自分達の悪行に蓋をするだけの話だろうと。
先ほどの実例を振り返れば、筆者は正式に依頼を受けて数年様子を見ていたが、その前任者たちは全て一年も続かず、辞めて行ったと聞き及んでいる。
悪行を繰り返す経営者は数知れず、社員を奴隷のように取り扱う経営者も多かろうし、脱税やその他違法行為を平然と遣っている経営者も少なくはないはずだ。
自分自身を背中から見て、結論づけたのは、つい最近のことであるが、遅ればせながら、今はそのような異常なるトラブルは激減したように思える。
他人様の相談事は、本当に信頼できる方の相談事以外は、イヤプラグをして、知らぬ存ぜぬを通した方が賢明なる判断である。頼まれれば断れない性格の人は、要注意。正義感は自分のために、距離感は他人様とは程々の距離にて接することを、自戒を込めて、オススメする次第。
いやはや、正義正論が通らぬ世界に、足を踏み入れたくないものである。