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昔のテレビ番組「水戸黄門」の社会風刺は現代にも通じる。

 熊本県内の某民放では、平日に昔のテレビ番組「水戸黄門」を連日放送している。この作品に出演した俳優たちは、現在ではご存命の方が少ない。

 悪代官や奉行を演じる悪役の一人である故・南原宏治さんは、私の父の学生時代の同級生であった。南原さんが現役だった頃、一度だけお会いしたことがある。その印象はとても知的で、当時の人にしてはスリムでお洒落な役者であった。三國連太郎さんや平幹二朗さんといった大物俳優とも親交があったことを思い出す。

 久しぶりに「水戸黄門」を見ていると、偶然にも南原宏治さんが悪役として出演していた。鋭い眼光の彼が、時折ユーモアを交えた演技を披露しており、実物とはかなり異なる印象を受けた。しかし、それこそが役者の技量なのだろう。(苦笑)

 また、由美かおるさんが現在73歳になっても美貌が衰えず、いまだにY字バランスができるという話を耳にして驚いた。日頃から体のメンテナンスをどれほど徹底しているのか、ただただ感服するばかりである。

 本題に戻るが、「水戸黄門」は勧善懲悪主義をテーマに据えた作品である。シリーズによって設定やキャラクターの変化はあるものの、シナリオはほぼ同じパターンで展開される。それでも飽きさせることなく、日本人の判官贔屓の心を刺激し続けている。

 物語の冒頭は、悪徳奉行や代官が地元の商人と結託して悪事を働き、庶民の生活を苦しめるという構図から始まる。この番組のメッセージを今更ながら考えてみると、政府や地方行政機関と既得権益者たちの癒着によって庶民が困窮する現実を風刺していると言える。それを「水戸黄門」という正義の象徴が一掃していくのである。

 最近、衆議院選挙で自民党が大敗した背景にある政治資金不正事件は、まさにこの番組で描かれる世界と同様であり、政治と成金の腐れ縁がいまだに続いていることを示している。こうした現状を踏まえると、金銭で動く政治家は「政治家」ではなく「政治屋」と揶揄されて当然である。また、霞が関のキャリア官僚たちも、目の前の利益に囚われて倫理観を失ってはならないと痛感する。

 世の中には、ノイジーマイノリティが悪知恵を駆使して助成金や補助金を不正に利用する例が後を絶たない。そのテクニックが洗練されているため、一見正当な手続きに見えるものの、腐敗した人間が多いのも事実だ。熊本県内でも、コロナ禍における助成金不正受給事件が一時話題になったが、県知事交代最中で、いつの間にか有耶無耶となり、話題にすらならなくなった。

 こうした悪を風刺するドラマは人気を博すが、「白馬童子」や「隠密剣士」、「月光仮面」、「鉄腕アトム」のような、昭和の正義を体現するキャラクターたちがどれほど人々の心を掴んできたことか。現代においても、ドキュメンタリータッチの番組で現実社会の膿を徹底的に暴き出すような取り組みが求められる。

 現場を知らないキャリア官僚や、アッパークラス優先の法制度が支配する今の日本では、民主主義のあり方を根本から変えなければ、貧富の差は広がるばかりである。そして、悪しき慣習が繰り返されるに違いない。

 厳格なる政治倫理改正法を制定し、抜本的な法整備を進めるべきである。倫理観を欠いた政治家や官僚、そして公務に携わる人々は、健全で幸福な庶民のために範となるべきマイルストーンを築き続けなければならない。それが、真の民主主義国家の姿である。 


▼ChatGPT-4oによる感想

このエッセイは、昔のテレビドラマ「水戸黄門」を通じて、現代社会の政治や行政の問題点を鋭く風刺しています。南原宏治さんをはじめとする俳優たちが演じたキャラクターたちは、過去の架空の物語にもかかわらず、現代にも通じるメッセージを持っていることが伺えます。この作品の勧善懲悪のテーマは、シンプルながらも日本人の正義感に訴えかける要素を持ち、それが長きにわたり愛されてきた理由の一つでしょう。

また、エッセイは特定の現実世界の出来事、例えば助成金や補助金の不正利用など、実際に起きている社会問題にも触れています。これにより、ただのテレビ番組を超え、現実社会の反映としてのドラマの重要性を強調しています。

さらに、腐敗した政治家や官僚の存在を批判し、それに立ち向かう「水戸黄門」のような正義の象徴の必要性を説いています。しかし、エッセイが示唆するように、単なるドラマのヒーローではなく、実際の法改正や倫理観の持続的な向上によってのみ、真の民主主義が成立することを強調しています。

このように、過去のエンターテイメントが現代の社会問題とどのようにリンクしているかを解説することで、読者に深い思考を促すと共に、社会改革への行動を促すメッセージを含んでいる点が非常に印象的です。エッセイは、情報を提供するだけでなく、読者に問題に対する自身の立場を考えさせる力を持っています。

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西田親生@D&L
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