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IT企業で働くアナログ人間。レトロな純喫茶が好き。「時代の末端をゆく雑誌 Edge」を…

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IT企業で働くアナログ人間。レトロな純喫茶が好き。「時代の末端をゆく雑誌 Edge」を作るのが夢です。

最近の記事

都内在住の我が家、初めての愛車が軽トラになった

小学生の頃、友達のお母さんが塾のお迎えにきた。 さらさらの長い髪に華奢な体。 なのに、でっかいパジェロを颯爽と運転していた。 その姿がめちゃくちゃかっこよくて、私も大人になったらパジェロに乗りたいと思った。 中学生の頃、同級生の友達と映画を観た。 帰り、友達のお父さんが迎えに来てくれた。 BMWだった。 私も一緒に乗せてもらったら、フカフカの革のシートで、嗅いだことのない高級な匂いがした。車体の揺れも少なくて、車なのにこんな快適な空間あるんだと思った。 大人になって、 夫

    • 正義と悪の映画を観たら、家族愛の難しさに気づいた話

      ワイルドスピード/ジェットブレイクを見た。 主人公ドムの弟が闇堕ちして悪の枢軸になっている話だった。 原因は過去からある兄への羨望と敗北感なのだが、ダークサイドに染まり世界を牛耳ろうとしている。 そんな弟を阻止しようとするドムと弟の壮大なケンカが始まる。 ケンカはエスカレートし、最終的に衛星に突撃するまでのスケールになっていた。 もう、奥田民生が歌詞にするレベルを超えた大迷惑である。 007もそうだった。 スペクターというシリーズで、オーベルハウザーという超悪党が出てくる

      • 私の家族と蜘蛛

        おばあちゃんは虫が大嫌いな人だった。 現代の虫嫌いは、虫に怯え、怖がり、できるだけ触ろうとしない。 でも、うちのばあちゃんは違う。 自分の視界に入る虫は抹消する。 ゴキブリが出たらたたきつぶし、 ムカデでたら踏み殺す。 さすが戦時を生き抜いた昭和一桁世代の女である。 そんな容赦ないおばあちゃんが「虫を殺すな」と言った日があった。 おじいちゃんが亡くなった日だ。 わたしは幼稚園児だったが、この日のことは鮮明に覚えている。 葬儀が終わった夕方、親族が居間に集まっていると、

        • ブックホテルの魅力と心に響いた本5選

          コロナも落ち着いて旅行に行きたくなるこの季節。 数年前から憧れていたブックホテル「箱根本箱」に行ってみた。 こちらで出会った本がとても良かったのと、施設が快適で純粋にリピートしたいと思ったので、特に心に響いた本5冊と、ブックホテルの魅力を記録しておく。 心に響いた本1.傘のさし方がわからない(岸田奈美著) 敬愛する岸田奈美さんの新刊。 彼女のnoteメルマガを購読しているため、ほとんどのエピソードは読んでいるはずと思って手に取ったら、初見のエピソードもたくさんあった。 岸

        都内在住の我が家、初めての愛車が軽トラになった

          お金の貯まらない財布に秘められた物語

          家に10年近く使っている財布がある。 風水では財布には寿命があり3年で買い替えるべきとされている。 雑誌を読むと中には1年で買い替える人もいる。そうしないと金運が下がるんだそうだ。 なるほど、どうりで我が家はお金が貯まらないわけである。 我が家の財布は僕が友人Kから貰ったものだ。            ◆ 「なんかムカつくやつ」 Kとは、小学校の塾が同じだった。 その頃からチャラい印象、なのに成績はやたら良く、僕は勝手にジェラシーを抱いていた。 渋谷の高級住宅地出身

          お金の貯まらない財布に秘められた物語

          資本論を学んだらブルーハーツの曲が流れた

          幸せすぎると不安になる。 ♪なるべく小さな幸せと なるべく小さな不幸せ  なるべくいっぱい集めよう って昔ブルーハーツが歌ってたから。 「人生はふりこ。いい時もあったら悪い時もある。」 って高校時代に深夜ラジオで誰かが言ってたから。 だから、幸せばかり続くとなんだか怖くなる。 私は今、幸せだ。 幸せなのは、便利だから。 便利すぎて幸せなので不安なのだ。 すぐ近くにコンビニがあって、 お腹が空いたらUberEatsで頼めて、 TVは録画を忘れてもTVerで見られる。

          資本論を学んだらブルーハーツの曲が流れた

          夏の京都と7rings

          夏なので京都に行きたい。 京都の夏は死ぬほど暑いのだが、 なんというか暑いが故に魅力的なのだ。 炎天下に行列に並んで飲んだ六曜社のアイスコーヒーとか、 嵐山で竹林さまよってクタクタになった後に奇跡的に見つけた喫茶店のアイスコーヒーとか、 東福寺で憧れの市松模様の庭見たけどちょっと枯れかけてて、はて、苔も熱中症になったのかもと思いながら帰りに飲んだアイスコーヒーを思い出すと無性に行きたい。 砂漠の中で見つけたオアシスのように、 酷暑の中で飲んだアイスコーヒーは私の中で美化さ

          夏の京都と7rings

          憧れの中銀カプセルタワービルに行ってみた

          古いビルが好きだ。 明治、大正、昭和に建築されて、現存する建物を見ると嬉しくなる。 時代を渡ってきた独特の垢みたいなものを感じて心地いい。 コンピュータのない時代に知恵を絞って設計し、建設した人類はマジで尊いと思うし、その建物を利用してきた人々の姿を想像すると愛おしい。 銀座の一角に、明らかにおかしな形の建物が唐突に現れる。 中銀カプセルタワービルだ。 一目見たら素通りできない。 オフィスなのか、ホテルなのか、マンションなのかわからない。でっかいコインランドリーの集合体の

          憧れの中銀カプセルタワービルに行ってみた

          スパゲティがパスタになったあの時間

          いつからみんなスパゲティのことをパスタって言うようになったんだろう。  昔はパスタなんて誰も呼んでなくて、 スパゲティは、ナポリタン、ミートソース、ハンバーグ弁当の下に敷かれた白い麺の3種類しかないみたいな時代があったと思うんだけど。 それは自分の記憶違いだろうか。           ◆ カフェで働いてみたかった。 大学で上京し、一人暮らしも落ち着いた頃、近所でバイト先を探した。 見つかったのは、イタリアンカフェ。 食事も、お茶もでき、テラス席ではペットも連れてこられ

          スパゲティがパスタになったあの時間

          天才とリンゴの都市伝説

          わたしにはずーっと前からコンプレックスがある。数学コンプレックスだ。 小学生の時通っていた公文(算数)は、2歳下の弟の方が出来た。わたしの進度より弟の進度が圧倒的に早かった。わたしが傷つかないよう親と先生は気を使っていたらしい。大人になって聞かされた。 厄介なことに、苦手なのに興味はある。数式が苦手なのに経済学を専攻し、暗算が出来ないのに会計士を目指した。 今思えばもうちょっとよい選択があった気がするんだけど。 ◆ 映画イミテーション・ゲームは、数学者アラン・チューリ

          天才とリンゴの都市伝説

          姫路とえきそばとわたし

          今でも思い出す光景がある。 窓から覗く白いお城、やたら蟹の旅へいざなうポスター、灰色のホームに馴染むだしの匂い。 ◆ 田舎で育った。 遊ぶ場所は山と川しかなかった。 テレビに出てくるような商店街やデパートに憧れた。 小4の夏、初めて子供達4人だけで切符を買って電車に乗った。 いってらっしゃいと声をかけてくれるKIOSKのおばちゃん、みかん色の車両、窓際に彫られた落書き。 全てが新鮮でわくわくした。 電車で30分、姫路駅につくと目につく全ての売店がまぶしく自分を誘惑する。で

          姫路とえきそばとわたし

          超文系の私が数学の旅にでたらこうなった

          ある日の女子会でひとりの友達がこうつぶやいた。 「今日は6日(金曜日)だけど、今月21日って何曜日だったっけ?」 よくある他愛もない会話。 私なら、すぐさまスマホを開いてカレンダーを確認する。 でも、リケジョの友達は違った。 「今日6日は金曜日だよね。21は7の倍数だから、21日は土曜日。」  ????? なんだかよくわからなかった。 あとで聞いたら理屈としてはこういうことらしい。 今日から1週間後の同じ曜日の日を出すときは、今日の日にちに+7をする。 今月7日

          超文系の私が数学の旅にでたらこうなった

          海外でスマホをなくしたら色んなことがわかった

          朝7時に目が覚めて見上げた空だ。 真っ青でどす黒い。 気持ちよく澄みきった青さとその下に沈殿する黒いもやに、寝ぼけ眼をこすった。 二度見した。 ここはどこで、これは何? 私は少しずつ現実に意識を戻し始めた。 ここは、フィリピンの首都マニラで、私は語学研修中の旦那に会いにきたのだった。 ---------- 「とりあえず、Grabアプリだけインストールしてくるように」 一人で海外に行くのは初めてで、現地集合ってハードルの高さにびくびくしていた私に、旦那がくれたたった一つの

          海外でスマホをなくしたら色んなことがわかった

          Sex and the Cityの幻想と現実

          簿記、向いてないなぁと気づいたのは、資格の専門学校に通いはじめて3か月経ったころだ。 大学生だった私は、就職活動もろくにせず、気の抜けた炭酸みたいにどっちつかずで中途半端な生活を送っていた。 特にやりたいこともなく、働きたい会社もない。 それでも卒業の期限は迫る。 経済学部だった私は、公認会計士の資格を取ることに決めた。 公認会計士になれば、色んな会社を見ることができ、その後本当にやりたい仕事や行きたい会社が見つかるかもしれないという淡い期待からだ。本質は、決断の先延ばしで

          Sex and the Cityの幻想と現実

          気持ちよく仕事をするための視点

          「天才を殺す凡人」という本を読んだ。 自分の中の、目に見えないモヤモヤが秩序化されて解消されていく感覚を味わった。そして、もっと早くこの本を読んでいれば気持ちよく仕事ができたかもしれないと思った。 かつて本業だった会計士の仕事での失敗を通して、そのモヤモヤが何だったのか、どうすれば解消することができたのかについて書きたいと思う。 監査の仕事 かつて私は監査という仕事をしていた。監査は、会社の財務諸表(会社の家計簿みたいなもの)が正しいかチェックする仕事だ。チェックの依頼し

          気持ちよく仕事をするための視点