『資産になるブランド広告』と「消費されるキャンペーン広告」の違いについて
私は普段、企業のCBO(最高ブランディング責任者)として、コーポレートブランディング、コミュニケーション戦略をやっている立場から、今の日本の企業ブランディングや広告業界の根本的な問題についてとなります。
結論から言うと世界的にも「ブランド力が高い」と言われている企業は、『ブランド広告への投資』をして、ブランドを中長期で資産にしています。
例えば、これは六本木ヒルズでキャンペーン中のiphone Xの広告です。価値(ポートレート機能)で撮影した写真=コンテンツを、ビジュアルで訴求(認知)しています。
*テキストの訴求は最低現です。
日本の広告で多いのは、下記のような芸能人+安いキャチコピー+機能訴求+説明文+料金の安さ訴求が多いです。
この広告の違いは、広告の目的によります。
日本がイケてないところでありますが、広告代理店は商品キャンペーンが大好きです。
理由は、企業の売上に繋がる販促費で企業も出しやすいので予算を取りやすく、短期的な効果を見えやすい、広告代理店としても、回転率も良いので、美味しい仕事でもあります。
それを繰り返した結果、日本企業は「芸能人+安いキャチコピー+機能訴求+説明文+料金の安さ」の繰り返しで、同じような広告、同じ芸能人、安さ勝負で、ブランド力を無くして、世界的にも自分たちで苦しい戦いをするようになっています。
ブランド広告は、すぐに売上に繋がるわけではなく費用対効果も見えづらいですが、ここに投資をしていかないと、いつまでも「ブランド」は育ちません。安いサービスのポジションで、レッドオーシャンで戦い続けます。
このイメージは、アイデンティティ(存在価値)がどれくらい持つかのイメージです。 ブランドやコーポレートに投資すると中長期的に残っていきます。
「料金の安さ」で訴求した時点で、料金の安さ訴求できたユーザーは、他に安いところがあれば、そちらにいってしまいます。
伝えたい事は、短期的に売上を上げるキャンペーン広告を否定するわけではないですが、炎上するキャンペーン広告も一時的な話題性を狙って、億単位の資金を使って、ブランドや企業価値を落とす事が当たり前に起こっています。
広告代理店の提案されるまま「消費されるキャンペーン広告」ではなく、広告代理店も企業自身も、中長期で『資産になるブランド広告(コミュニケーション)』に投資することで、積み上がっていくブランド=資産になっていきます。