エコファームアサノの浅野さんと出会って泣いた話
自分は何か心が強く揺さぶられたときに
悲しくもないのに涙が出ることがあります。
11月に
able for the FUTURE
私達THE COFFEEは
クルックフィールズさんの2周年のイベントに参加しました。
未来のためにできること。
自分たちが考えているようで実はまだ弱かったところでもありました。
豊かさを届けた先にどういう未来があるのか
そもそも届ける前にどういう道筋があるのか
そんなところです。
ただ信念としてあった
自分が信じた豊かさを届けていくことは忘れずにやっていこうとそう心に決めてイベントには参加していました。
それを信じ続けて、
いつも通り接客をしていると
とある方から話しかけられました。
「なんだか、若いときのイマムラに似てるな、その妙な熱の入り方とか語り口とか」
「あ、ありがとうございます…!(イマムラさんって誰?)」
「わかった、まだまだお前のコーヒーはこれからだってことを教えてやるよ、今から俺の人生の師匠にあたる方を連れてくるから、一回お前が信じるそのコーヒーを出してみろよ」
「は、はい。」
とイマムラもまだその方の素性も分からないまま師匠を連れてこられたわけです。
一緒にいらっしゃったのは
80代くらいの男性。
ゆっくりながらも歩き方も姿勢もしゃんとされている方でした。
雰囲気が普通の方と見るからに違うというのは感じ取れました。
男性は何も言わず、ただこちらに来て軽く会釈をしました。
僕は深々と一礼をしました。
師匠を連れてきた男性は
「あの、これがイマムラに似ているやつで…。いいから、お前が思う最高のコーヒー出してみろよ、見込みがあれば色々と話してくれるだろうさ」
と言われ、そのまますぐにコーヒーをいれ始めました。不思議と手が興奮して震えるのがわかりました。
コーヒーを差し出すと、ゆっくり飲み始めて
自分のプレゼンテーションを口を挟まずに頷いて聞いてくれていました。
ブラジル アグアリンパ農園 豊かな甘さが綺麗に感じられるコーヒーを提供しました。
ゆっくり飲み終わると
ゆっくりとそのまま口を開き始めました。
「料理人でもなんでも素材の味わいなんてコントロールできないんだ」
「だから野菜の前ではいつも1年生、味をコントロールするなんてできないんだ。だから自分はその野菜に新しい"アイデア"を常にプラスすることを考えてきたんだ。それが新しい野菜を海外からいち早く取り入れるということに繋がっている」
「そしてあなたのようなお客様に直接届ける人は
常にお客様がどのような体験をしているのか考える必要があるんだ。」
「自分がとあるレストランに指導しに行ったときに
(現場に常時はいない)オーナーにこんなことを言ったんだ。
あなたはお店に入る時にどこから入るんだ?と。
''勝手口"と言ったら私は怒るんだ、と。
お客様が入る入り口から来てお金を支払って料理を食べなさいとそう最初に指導するんだ」
「お客様がお召しになっている服の色を見て、それに合わせて初めのドライフラワーの花の色を決める、それは人にしかできないことなんだ」
「あなたはコーヒーで何をするんだ?もっと新しいアイデアでお客様を喜ばせたほうがいい、そうだな、私が思うのは"子供"でも楽しめるコーヒーの提案だな」
「当然そのままじゃ飲めないからな、それは何かしらの工夫が必要になる、それはあなたが考えるんだ」
と。
途中で聴きながら、何が起こったのか分からないけれど涙が溢れていました。
一通り話を終えると、連れの方が
「俺の師匠はエコファームアサノの浅野さんなんだ、俺ら製粉の業界や料理人にとっても本当に偉大な方なんだぞ」
と紹介してくれました。
経歴は知らずともその言葉の重さは深い経験からくるものだということは強く伝わってきました。
後できちんと調べると
エコファームアサノの浅野さんは
ルッコラなどの野菜を日本で初めて育てた第一人者で浅野さんの農園には数多くの料理人が食材を求め足を運びその話を聞きに来るようです。
エコファームアサノの浅野さんについて
https://cuisine-kingdom.com/ecofarm-asano/amp/
またその活動が情熱大陸やプロフェッショナルなどテレビで1人のレジェンドとして紹介されていたとのことで調べれば調べるほど圧巻という方でした。
連れの方が言っていたイマムラというのは今村製粉の代表の方のことで、浅野さんとも深い関わりがあるようです。
・・・
自分がバリスタとして生きていく道を選んだとき、それはまだ殆ど誰も歩いたことがない道でした。
それを本質的な価値をひとりひとりに届け続けて、新しいアイデアを掛け合わせて価値を創り上げ、轍を作っていく。
その道はこれでいいのか、はたまた行けないのかまったく分からない不安がつきまといます。
正直その道の先はまだ100%分からないです。
だからこそ、
僕とは違う野菜というツールでその道をアイデアとお客様に寄り添い続けたことで深く深く極めた人がいたというその事実が
僕の中で深い安堵と感動が湧き起こったのです。
だから泣いたのだと今ようやく言葉に落とし込むことができました。
浅野さんとの約束は
子供でも楽しめるコーヒーの提案をすること
明後日それを実現するために
コーヒー×ミルクソフトを
提供します。
この提案が広く、多くの方に豊かさとして伝わるように
そして浅野さんのように
僕も長く深くこの仕事をしていくために
未来のためにできることを追求していきます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?