パチンコのしくみを心理学的に
皆さん、ギャンブルはお好きですか?ギャンブルにも様々な種類がありますね。例えば、カジノ・競馬・宝くじ・競艇・競輪など。
今日はそんな中でも、パチンコの仕組みについて心理学的な側面から考察していきます。特に、行動心理学の文脈に沿った内容で記述していきます。
いきなりですが、スキナーってご存じですか?
スキナーという有名な心理学者は、ネズミやハトの実験をしながら、”オペラント条件付け”という概念を提唱し、今でも心理学では、とっても有名な理論として説明されています。
では、”オペラント条件付け”とは何か?
パチンコの仕組みの理解にはこのオペラント条件付けの概念を知っておく必要があるので、書かせてください。
1938年、スキナーは、マウスを用いて体系的な研究を行い、スキナーボックスという箱を作りました。その箱はレバーを設置し、レバーをひくと自動的にエサが出てくる仕掛けが備わっています。
その箱にマウスを入れ、観察を続けました。
観察を続けているとマウスは、レバーの近くを通りかかり、偶然レバーをひいた時、目の前にエサがポンっと出てきました。
マウスは考えます。「あれ?おいしそうなものがいきなりでてきたぞ?」
マウスはエサの出てきた周辺をうろちょろします。しかし、エサは一向にでてきません。
どうしたことか。あきらめかけたマウスが再び偶然レバーの近くを歩き、にレバーにひっかかりました。
すると、エサがポンっと目の前に。マウスは気づきます。「どうやら、このレバーに何か仕掛けがあるぞ?」と。
マウスはここで初めて自発的にレバーをひきました。すると、エサがでてきました。「そうか!このレバーをひくとエサが出てくるのか!」大発見したマウスは自発的にレバーを引く頻度が増えていきました。
これがオペラント条件付けの実験です。
つまり、この一連の流れをまとめると
ある行動をする(レバーを引く)→報酬(ここではエサ)→行動の頻度が上がる(繰り返しレバーを引く)
ということになります。これを”正の強化”と専門用語で言います。
パチンコに無理やり当てはめてみましょうか。
パチンコに行く→2万発でる→パチンコに行く頻度が増える。
何とか当てはまりましたね。私たちは、マウスと一緒なのでしょうかね笑
でも、パチンコをやっている人からするとこの理論だけでは少し疑問が生じます。
ギャンブルって負けることのほうが多いから、報酬が得られるよりも報酬がないほうが多くないか?
つまり、
パチンコに行く→2万負ける→パチンコに行かなくなる。
理屈だとこうなるのではないか?と思います。
しかし、パチンコはとてもうまくできています。実はパチンコはこのオペラント条件づけの応用が使われてるのです。
どうすれば、これよりもさらに行動の頻度が上がるのか。
オペラント条件付けのカギとなるのは、誰もが分かっている通り、
報酬です。この報酬を与えるタイミングを変えることで行動をコントロールできてしまうのです、、、。
報酬を与えるタイミングは大きく4つあります。
1.「定比率強化スケジュール」といいます。
これは一定回数後に決まったタイミングで報酬を与える一般的なものです。例えば、10回お手伝いをしたらお小遣いを与えるなどです。
2.「変比率強化スケジュール」といいます。
これは反応回数ごとに報酬を与えるが、報酬までの反応数が不規則に変化するものです。例えば、パチンコはこれに当たります。
3.「定間隔強化スケジュール」といいます。
これは一定の時間が経過したら、最初の反応に報酬を与えるものです。例えば、一か月の労働ごとに給料がもらえることはこれに当たります。
4.「変間隔強化スケジュール」といいます。
これは一定時間経過ごとに報酬が与えらえますが、報酬が得られるまでの時間が不規則になります。
例えば、1時間で4匹の魚が釣れたなどはこれに当たります。
この4つの報酬のタイミングの中でどれがもっとも、報酬を得るための行動の頻度が上がったでしょうか?
実は、定比率と変比率の強化スケジュールが行動の頻度を上げました。
つまり、常に報酬がなくても、たまに当たりが来ることで我々の脳は錯覚し、また当たるかも?
と誤作動が生じ、結果的に
パチンコに行く→2万負ける→パチンコにいく頻度が増える
というパターンが形成されてしまうのです。いくら勝てなくても、ギャンブルしてしまう理由はここにあったのですね。ギャンブルは怖いですね。
というわけで、今回はパチンコを心理学的な側面から考察してみました。一度このパターンにはまってしまうと意思ではどうにもならないことがあります。したがって、この罠にはまらないようにする必要があります。
ぜひこの理論を頭に入れながら、ギャンブルと付き合ってみてください。
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