良いこと
今日、髪を切った。
扱いにくい癖毛なので、なるべく刺激しないように、3-4ヶ月に一度縮毛矯正を掛けて毛先を整えてもらうのが常なので、カットのためだけに美容院にいくことは滅多にない。
でも最近は、気合い入れるぞって時にすら髪が重すぎて綺麗に巻けないし、頑張って巻いても出先で萎れてるし、かといってストレートに伸ばしても顔が間延びして見えるだけで結局後ろでくくっていた。くくるにしても、パーマ掛かってます風に毛先にワンカールくらい入れなきゃ貧乏臭いので楽ではないし。だからいっそのことギリギリ結べるくらいにばっさり切ろうと思って美容院に出掛けたのだった。
髪質のためか顔立ちのためか、美容院では常に軽く扱われる私だが、前回矯正を掛けたところの美容師さんがすごく腰の低い丁寧な人だったので何となくそこを選んだ。何となくだったので指名まではしなかった。500円をケチった。でも偶然にも今回もその人が担当してくれた。
美容院は非日常なので、とにかく変化したい!!!と気持ちが昂ってばっさり切りたくなりがちだが、揺り戻しのような後悔が訪れるのも分かり切っているため、美容師に相談したところ、短くするのは苦労が増えるだけなので長さは維持しようということになった。
梳いてほしい、レイヤーを入れて欲しいなどの要望は、「あなたみたいな髪はとにかく長く重くしておけ」派をすれば即却下されるのだが、その美容師さんは私が求めることは最大限実現させてくれようとするので、目一杯レイヤーを入れてくれて、ワイドバングまで作ってくれた。
(私は小顔効果を諦めることになっても、触角が邪魔で大嫌い)
正直、カットが終わった段階では「完全に失敗したな」と鏡から目を逸らしていたが、アイロンとコテでシンプルにスタイリングしてくれた仕上がりには感激した。自分がここまで仕上げてもらえるのかと心が躍った。
意気揚々と美容院を出ると旦那が店の前で待っていてくれたので嬉しかった。連絡も取り合っていなかったし、多分一時間で終わると思う、と言った時間から15分ほど過ぎていたのでこの寒空の下…と考えたら、ここ数日で1番心が柔らかくなった気がした。
帰りの電車は空いていたが、暑くなって立ち上がると、真っ黒な車窓に映った髪型が理想の形をしていたので嬉しさが募った。葉月かなえの昔の絵柄でよくあったみたいな、下に向かってボリュームダウンしていくロングヘア。顔周りはふわふわもしゃもしゃしているのに、胸辺りには細くなった毛先がすぼまっている可愛い髪型。
今日は良い日だった。次から、500円払ってでもあの美容師さんを指名しよう。