心を癒やす。
庭のパセリと紫蘇がたくさん採れて、今夜の料理に使おうかと考える。
葉を一枚一枚はさみで切っていると、ぼくのうでになにか白いものがとまった。
あれえ、雪虫かなあと思ったが今は雪虫の季節ではない。
その白いやつは植物の種かと思ったが、よくみれば昆虫だった。
おとなしくついてくるのでうちへ入れた。
息子の昆虫図鑑をだして、顔つきからセミっぽいのでそのあたりを開いてみると
どうやらアミガサハゴロモの幼虫らしい。
その特異な形状だから、図鑑にもわざわざ幼虫の写真が載っていたのである。
体長は3,4ミリで、つまむと潰れてしまいそうだから紙で寄せたりして移動してもらった。
なんともまあ不思議な形をしている。後ろのふさふさはまるでサンバ・カーニバルそのままじゃないか。むしろ目立つようなひらひらをつけて、それは一体なんなのだ。そう思って眺めていたら突然ぴょんと跳ねた。バッタのように跳ねた。人間で言えば100メートルくらいの高さまで跳躍した。
おお。すごいぞすごい。
こんなふうにして、昆虫と対峙している時間は我を忘れている。時間を忘れている。なにもかも忘れている。眼中にあるのは眼の前のアミガサハゴロモだけである。
心を癒やすとはこういうことをいうのではないか。忘我の状態をつくること、すなわち癒やしである。
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