理不尽すぎる話
保育園のゲートを開けたとき、娘が突然ぶーたれて言う。
「お父さんはひとがドアあけてあげたのにお礼も言わないんだね」
「ん?ドア?どこであけてくれたっけ?」
「トイレだよー。トイレのドア開けてあげたのにありがとうも言わないんだね!」
そういって娘はぷりぷり怒っている。
「だからさあ。ひとが入っているとき勝手にトイレのドア開けちゃいけないよって言ったよね?」
「お礼言って!」
なんということだろう。いけないことをしたのにお礼を言えと言っている。そこはぼくに向かってごめんなさいじゃないのか。
「もう勝手にトイレ開けちゃいけないよってこないだ教えたよねえ?なんで開けちゃいけないドアを開けておれがお礼を言わないといけないんだよ」
ぼくだってそう簡単に引き下がるわけにはいかない。ここで下がったら親の沽券に関わるではないか。
「お礼言って!ありがとうって言って!言わないとクソバカヤローって言っちゃうかんね!」
もう言ってるじゃん。ぼくは内心ツッコミを入れながらなんとか娘を保育園に誘い入れようとしたが、娘はその場に立ち尽くして徹底抗戦の構えをみせる。ところで日本御構(にほんおかまえ)ってなんのことかわかりますか?江戸時代の言い方で国外追放という意味なんです。まったく文字からは想像つきませんね。閑話休題。そんなことを巡らせている間も娘はずっと叫び続けている。
「お礼言って!ありがとうって言って!そうじゃないとクソバカジジイ!ねえもうっ!早く言ってッ!!!!!ぎゃーっ」
「ありがとう…」
くぅーなんて娘は理不尽なんだ(涙)。
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