安旨ワインガイド/買ってはいけないワインとは?
ワインが好きである。
好きすぎて日本ソムリエ協会認定のワインエキスパートまで取ってしまったくらいワインが好きである。そのときのことはこちらに書いたのでもしよかったらご覧ください。
さて、ぼくは趣味にはまるととことん追求しなければ気がすまない質だ。
深く、広く。知りたい欲求が収まるまで探求するのである。ワインもそのひとつだった。
ワインの味は値段に比例する。
高いワインは安いワインよりも美味しいし、お金を出せば出すほど美味しいのはなにかと複雑なワインの世界においてもっともわかりやすい指標と言える。
だから出せる範囲で高いワインを飲むのが正解であるが、普段飲みのワインに一体いくらなら出せるかということである。ぼくはほぼ毎週末にワインを開ける。ぼくはいわゆる酒飲みではないし、アルコールに弱いので平日はまったく飲まない。だからこそ週末のワインが楽しみである。
いろいろな価格帯のワインを飲んでわかったことがある。
高いワインは確かに美味しいが、そんなことを続けていたらとてもお金がもたないということである。でもワインは飲みたい。そこで今まで見向きもしなかったスーパーに並んでいるワインを試しに買ってみたのである。
それが、美味かった。あたりだった。1200円のワインがこんなに美味しいとは考えたこともなかった。これでいいじゃないか。普段飲みにするなら十分過ぎるほどの味わいだった。
そこで、これからぼくが美味しいと思った安旨ワインを紹介していきたいと思う。価格帯は1000円〜1500円である。このくらいの価格なら今までワインに興味がない人でも買ってみようかなと思うのではないだろうか。でもその前に、安いものにはワナがあるということを知っておいてもらいたいのである。
1,000円以下はやめておけ
いくら安いといっても最低でも1,000円は下回らないほうがいい。
たしかにスーパーへ行けば498円のワインも売っている。でも、売値が500円のワインを作るプロセスを想像してみてほしい。ぶどうという一年に一度しか収穫できない農産物を大量に使用して、適切な管理のもとに発酵させて、瓶詰めして、出荷して、海外から輸送されて1本500円である。まともに作ったのでは割に合わないことくらい想像に難くない。よほどその作り手を信用しているのでなければ手を出さないほうが身のためだ。ぼくはその価格のラインを最低1,000円と定めている。980円でも買わない(セールは別である)。
2,000円だせば上等ワイン
1,500円と2,000円の差はワインでは相当に大きい。はっきり言って、2,000円だせばまず外れないと言っても過言ではない。だから2,000円だせるなら素直に2,000円のワインを買ったほうが幸せになれるし、選択肢もぐっと広がるのが2,000円である。でもそれって安旨なの、と思うと微妙な感じがする。つまり2,000円のワインは普通に美味しいワインなのである。
安旨という言葉には「発見感」が含まれているのではないか。あるいは「驚き」が入っているのである。安いのにこんなに美味い!という感動がないと安旨とは呼べないとぼくは考えている。そのラインが大体1,500円あたりだろうと思う。
こんなワインは買ってはいけない!
では実際に1,000円から1,500円のワインを買うにあたってひとつだけ注意点がある。
逆に言えば、この一点だけ気にしていればよいのだから簡単である。その一点とは、
亜硫酸塩以外の添加物を使用していないこと、である。
ワインの裏のラベルをみると必ず添加物の記載欄がある。ここに亜硫酸塩とだけ書いてあれば買ってよしだ。亜硫酸塩はワインの製造に欠かせない添加物なので、この価格帯で亜硫酸塩不使用のワインは逆に買ってはいけない。
亜硫酸塩はワインの余計な発酵を止め、雑菌の繁殖を抑える働きをする。亜硫酸塩を使用しない自然派ワインもあるにはあるが、そういうワインは発酵を完全に止められないので微発泡しているものが多い。なので、どんな高級ワインでもその量は別にして亜硫酸塩は必ず入ってるものなのである。
亜硫酸塩こそはワイン製造に欠かせない添加物であるが、その他の添加物は本来いれる必要がない添加物である。ではなぜいれるのか。それは一重にコストダウンにほかならない。それはつまり製造品質を下げても出荷できるようにするためにいれるのである。様々な添加物を入れるということは、そのワインの品質が低いことの証明である。もしかしたら添加物そのものは人体に無害かもしれないが(ぼくは信じていないが)、もとのワインが悪いのだから飲む価値はない。ワインは嗜好品である。楽しむために飲むものである。だから添加物まみれのワインは買ってはいけないのである。
次回から具体的なワインの紹介をしていきたいと思う。安旨ワインは面白い!
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