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なぜ間違ったのかを知るために自然に学ぶ。

我が家には椿の木が一本ある。椿は茶毒蛾(チャドクガ)の幼虫が好む木で、住み着かれるのがいやで強剪定している。強剪定というのは園芸用語で要するにばっさり切っちゃうことを指す。

ところがその剪定時期を間違ったらしくここ2年ほどまともに花がついていない。2年ほどと言ってもこの家に越してきたのが3年前なので引っ越しして翌年から咲いていないということになる。つまりぼくがハサミを入れてから咲いていないのである。

ほとんど手入れをしていないように見える隣家の椿はたくさん咲いているし、この時期は学校だの公園だのの椿が咲き誇っているのをみてやっぱりぼくの切り方が悪いのだろうと思わざるを得ない。

椿の剪定は3月から春の間にするのが鉄則と知って、ぼくは覚えてないけどたぶん夏に切っちゃってそれで花の芽をみんな摘んでしまったに違いない。

ところで椿は日本原産の植物で、冬に咲く花の代表格として古来より親しまれてきたそうである。椿の漢字が当てられたのはずいぶんあとになってからで、それまでは様々な当て字が使われていて、漢字伝来以前より日本人に愛されてきた事実を知ればつばきを見る目も変わろう。

椿の大木

自宅から自転車で5分くらいいったところに大きな運動場があってそこに椿の大木が数本立っている。葉が生い茂るほど生い茂っていて、ついている花の数も半端でない。ほとんど剪定なぞされてこなかったまさにヤブツバキであるが、そんな椿におめー切り過ぎなんだよと言われたような気がした。

椿の花は桜のように一斉に咲くことはなくて、できた順に咲いていく方式だ。これは昆虫の少ない季節にできるだけ受粉期間を長く持たせようとした生存戦略に相違ないと素人ながらに想像する。その椿の大木もつぼみがまだまだたくさんついていてこの先しばらく花を咲かし続けるのだろう。

家に戻って我が家の貧相な椿を見ていたら、縮こまって震えているようにみえてなんだか可哀想になったから1年剪定しないでいようという気になった。さて1年後、我が椿くんは花を咲かすであろうか。

椿は咲く前のつぼみが美しい。
SONY A7III + Loxia 2/50 F3.5

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ちいさな島
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