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轟音歪ませて

ポリエステルの虹を渡る

ガレージのシャッター開けたら

半分ピンクに染まった軽トラ

荷台をステージにして


配信は夜の八時から

新曲演るのも久しぶり

どうせベースは遅れて来る

君たち待っててくれるよね

愛しているからさ


生まれた時代にゃ感謝してる

色気が少なめで、その分自由が多い

剥き出しのコンクリートブロック

行き場のない砂埃たち

全部演出さ


作者もいないのに物語はまだ途中

僕たち置いてかれたよ

なにかと未来を疑うのは

それがしきたりだからだ


クラヴィッツに貰ったピック

ベイビーベイビー言ってりゃいいさ

メランコリックがいつもの倍で

安ワイン飲み過ぎだわ

タムタムが止まらない


段取り忘れて誤魔化して

ポリエステルの虹の彼方

玩具のマラカスに飴色のブーツ

この通りほら轟音ゴリゴリで

ちゃんとお仕事してんだろ? 


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お読みいただきありがとうございました。

昔コンサートの設営のアルバイトをした時に偶然レニー・クラヴィッツからピックを貰ったことがありまして、30年ぐらい前の話で、当時はどういう人かよく知らなかったし、たまたま目の前にいた私にホイッとくれた。顔も知らないから本人かどうかもわからない。記念にやるよ、レニーが使ってたやつだ、みたいなことを英語で言ってた。
ギター弾かないからその価値がわからなくて、とりあえずそのまま貰っといたけど、あれ何処へやったかな、とふと思い出して書きました。音楽のジャンルは特に考えてなかったんですが、ラップというのは面白いですね。

琉球新報の琉球詩壇にて、4月に続いて7月にも詩を選出していただきました。ありがとうございます。
いずれ機会を見てご紹介したいと思います。「くらうでぃ」という詩です。


読んでいただき、ありがとうございます。 ほとんどの詩の舞台は私が住んでる町、安曇野です。 普段作ってるお菓子と同じく、小さな気持ちを大切にしながら、ちょっとだけ美味しい気持ちになれる、そんな詩が書けたらなと思っています。