有料老人ホーム見学で大事にすること
老人ホーム見学のポイント
有料老人ホームに入居するにあたっての条件については、ホームのウェブページや比較サイトである程度は確認できます。自分たちの条件に合ったところが見つかったら、実際に訪問して確認することが大切ですね。
訪問時の主な注意点については 比較サイトに記載されていますが、ここでは私が特に大切だと感じた点について順を追って記載していきます。
見学方法様々
ほとんどの老人ホームは見学はOKです。また、食事の試食や、体験宿泊ができる施設もあります。試食や宿泊は有償とはなりますが、終の棲家となる場所です。可能な物はできる限り実施すると良いと思います。
私の場合は入居が決まってからも30日はキャンセル可能であったこともあり(キャンセルする気はありませんでしたが)、入居初日に母と一泊して一緒に食事もしました。宿泊するスタッフとのコミュニケーション、夜の見回り体制、充実した朝食(おいしかった)を食べて、とても安心しました。
まずは見学のアポイント
見学するにあたってのアポイントの取り方も様々でした。 皆さんはどの方法が安心できますか?
1.老人ホームのWEBサイトに記載のある電話番号、または問い合わせ先に連絡(個別の老人ホームには電話番号の記載がない)。メールや電話の場合には、折り返しで本部の担当者から連絡があり、訪問日時が決まります。どんな人と当日お会いできるか、ドキドキです。場合によっては本部からの人が対応するようです。
2.比較サイトから見学の予約をする。(そのためには、比較サイトへの登録が必要ですね。)後日比較サイトから(あるいは老人ホームから)連額があり、訪問日時が決まります。
3.老人ホームに直接電話もしくはメールで連絡します。電話であれば応対の様子もわかりますね。 私の場合、(最終的に決めた老人ホームです) 最初にメール連絡し、後からは電話応対をしました。即断即決できるし、細かい情報もある程度事前わかります。
比較サイトに登録すると、データ保管できたり見比べたりが容易になりますが、果たして何か所を比較するでしょうか?登録しなくても簡易的な比較はできます。また、比較サイトから入居が決まると、お祝い金がもらえる場合もありますが、それって結局は自分たちが支払っている費用からなので、うーん っといったところでしょうか
アポイントの時間帯
結果論としては、目的に応じて「昼食時間をあえて狙う」か「昼食が終わってしばらくしたら」のような気がします。
「昼食が終わってしばらくしたら」とは、居住者の昼食終了後、職員の昼食時間となる場合が多いようです。その後の時間帯になります。
食事時は職員も忙しく、結構大変かもしれません。(一か所訪問したとき まさに昼食前で、エレベーターもフル稼働中。心苦しくさえ感じました。)
但し、先方が食事時でも了解してくれた場合には、見どころ満載ではあります。
食事時間帯の訪問でわかること
食事時間帯の訪問では、下記がわかります。
車椅子の人数、食堂で食べる男女比、食事介助必要な人の比率、食事の内容。職員と入居者とのコミュニケーション、入居者同士のコミュニケーション、職員と来訪者との挨拶。
特に職員と入居者とのコミュニケーションの様子は大切だと感じました。機械的にどんどん食堂に運び入れるのか? 入居者の話を聞きながら、会話をしながらなのか? 自力で食堂に来る人に対する接し方は? 等、気づきがたくさんあります。
食事時以外の訪問では、居住者がどこで何をしているのかを確認できます。
食事時間帯以外の訪問でわかること
食事時間以外であれば、「誰が訪問の時に対応してくれるのか」によって大分変ってきます。私の場合は「施設長」「介護士長」「営業部長」等様々でしたが、直接施設に関わっていない人のほうが細かい対応をしていただけました。
1. 行事を見たい:残念ながら、これは叶いませんでしたが、FB等で公開していたりします。相手がOKしてくれるならば、是非見学されては如何でしょうか?
2. 午後の様子を見たい:リハビリ、午後の活動(行事程ではないが、施設主催、希望者が集まって何等かのことをやっている)、娯楽室(のような場所でカラオケをやっていたりする)、デイケアとの協業(1階がデイケア、2階より上が老人ホームという場所もある。訪問した施設では完全に別かれていました。)
3.空いている部屋を見たい:北向き、南向きの他、どこまでが施設で準備してくれる物なのか? 壁に(カレンダーや時計を掛ける)フックを取り付けてよいか? 個室便器や洗面台は使いやすいか(これは参考。洗浄便座は当たり前の上で…。 洗面台は、そこで歯磨きだけではなく、家族が果物を持ってきたときに洗ったり、タオルをかけるスペースがあったりという余裕があったほうが良いですね。)?
個室にいる時間は長いです。快適な生活を送ることができるかどうかは大切です。母は開けた景色が良い、とのことでした。南向の上のほうの階に運よく空きが出たので、そこに入ることができました。 隣室の音については、(母の場合耳が多少遠くなっているので)あまり気にしませんでした。
空いている部屋については、施設の入居・退去者数のデータは、東京都の場合、福祉局からダウンロードすることができます。そこには入退去の細かな情報が記載されていますので、かなり参考になります。(例えば、年間の退去者とその理由を見れば、看取りまで面倒をみてくれるのか?とか、満室でもどれくらい待てば入れそうか 等が推測できます。
東京都福祉局:
東京都有料老人ホーム重要事項説明書一覧 東京都福祉局 (tokyo.lg.jp)
誰が対応してくれるか
案外大切なことは、現地で誰が対応してくださるかです。
施設長が必ずしもベストとは限りません。入居者の視点プラスアルファでお話いただけるかどうかが大切だと思います。
たとえば、私の母の場合は、リハビリの重要度が高かったことから、その施設と稼働状況の確認が大切でした。リハビリ室があっても、その施術ができる人が常駐もしくは定期的に訪問する体制となっているかどうかは大きなポイントでした(必ずしも内製である必要はない。必要であればアウトソーシングであっても、入居者の利便性を考えて採用する体制)。ある施設では、食堂=リハビリルーム兼用であったり、通常のリハビリはビデオを流すこと(参加者は少数でした)であったりでした。また、ある施設ではリハビリのできる人が1人しかいないため、かなり大変だとのことでした。
そういった施設の内情をまず正直にお話いただけるかどうかだと思います。
そのうえで施設として何を大切にしているのか、理想と現実がどれくらい乖離していて、ギャップを埋めるためにどうしているのか、あるいはギャップを埋めるためにこれまでどのようなことをしてきたのか、といったことをお話いただく。そのためには、経験と実績だけではなく、経営的な視点がある方に対応いただければベストかもしれません。(ある程度長く居住するのですから、この施設が今後どのようになるのかを語ることができる人のほうが安心ですね。)これは、必ずしも職位の高い人、ということではありません。ある施設では、施設長が不在でしたが、担当された方は系列施設との(良い意味でも悪い意味でも)違いを述べられた上で今後の導入設備や方向性を教えてくださいました。またある新しい施設の長は、自分の職歴を誇っていましたが、こちらが知りたいのは それまでと比較するとこの施設はどうなのか?これからどうしていきたいのか でした。
いずれにせよ、長期、高額を支払いするので、データだけでなく、肌身で感じ、生の声を聴くことは必須だと思います。
長文をよんでいただき ありがとうございました。