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需要が見えないと、やらないんですか?

「これが、古川さんの仕事なんですね。ようやく分かりました。ストンときました。」と、最近一緒に仕事をするようになったHさんに言われました。

林業会社の経営者であるHさん。

この日は、森林資源を活かした事業展開を目指した地域産材利用プロジェクトの一環で、Hさんと共に行政窓口の方へのプレゼンへ行っていました。

冒頭の一言は、そのプレゼン(打合せ)を終えた後に言われました。
Hさんから見たコンサルの仕事は、

①マクロの統計データから時流を把握しつつ
②特定の市町村、都道府県(あるいは自社の商圏エリア)を見て特性を押さえ
③自社の動き、過去の振り返りをして
④だから「この戦略で闘いましょう!」と説明すること。

ある戦略提案の打合せを経て、コンサルが何をしているか、腑に落ちて分かったとおっしゃっていただきました。

そして、戦略提案までのプロセスには、主体者の強い「意志」と、
①~③を客観的に見る「分析」と2つの視点が重要なわけです。

「マクロ(業界全体)⇒ミクロ(商圏・自社)⇒エイヤー!(主体者の意思)」で決めるとも言われますね。鳥の目、虫の目、最後は、意見じゃなく覚悟。このステップを分かりやすく分析・図解・提案し、関係者を動きやすくして、共に動くのが私の仕事です。

需要が見えないとやらないんですか?

その日は、某市役所でのプレゼン(初期ミーティング)でした。「需要は、そもそも、あるんですか?」という質問を何度も行政側から受けました。その時、プロジェクトメンバーの経営者が、こう答えられました。

「現在、需要があるかないかといえば、ないかもしれません。明らかな需要があるんだったら、既にみんなやっています。競合もいっぱいでしょう。需要があるかないか分からないけれど、今の時代の流れを少し先読みすれば、潜在的な需要はあると考えていて、我々は動いてきているんです!需要は作る物です。そして、我々には小さな実績があります。どうして、目に見えるバックデータがないと動かないのか。顕在的な需要があると分からないと、動けないのかな。そもそも、いま何故、林業か、何故、地域づくりに取組むのか、そこから紐解く必要がありませんか?目に見える需要のデータがなければ、行政は動かないのでしょうか。」と。

まさにその通り!と思った次第です。

とはいえデータ(エビデンス)も必要です。

弊社は、その分析根拠(需要の可能性)を提示したうえで、行政側、民間側の両方の気持ち(時間軸)の意見を汲んで、チームとは何か、ビジョンとは何か、具体的アクションとはどうすべきか、
提案の精度を高めていきたいものです。

商売感覚というのは、改めて、マクロ+ミクロ+そして、えいやー!というところが大事なんですね。

(地域再生・森林再生コンサルタント古川大輔日記 2017.02.06より編集)


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