刺繍糸の色選び・色合わせのコツ②
こんばんは、ちいさなかべかざりです。
今週のnoteは下記の記事のつづき!
先日いただいた質問を元に、刺繍糸の色選び・色合わせで気にかけていることをまとめています。
コツ①はこちらからご覧いただけます。
1.ちいさなかべかざりのお気に入り
まずはちいさなかべかざりの作品づくりによく登場する刺繍糸たちを色番号と合わせてずらっと並べていきますね。
(※今回紹介する糸は全てDMC25番刺繍糸です)
“この色番号持ってる!”
“次はこの色を買ってみようかな”
などとお役立ていただけますように。
まずは白い糸の比較から。
B5200は漂白したような真っ白さ、BLANCは自然な白、3865はふんわりと黄味がかった白です。
ちいさなかべかざりの作品では主にBLANCと3865を使用しています。
黒い糸は、645は緑がかったニュアンスのある黒、3799はトーンの明るい黒、310は真っ黒です。
ちいさなかべかざりのどうぶつモチーフのおめめには645と3799を使うことが多いです。
なぜなら310は吸い込まれてしまいそうなくらい真っ黒だから!
どんな色合わせをしても、310を使うと浮いてしまうような気がして3799と310の間の色があったら良いのになと思いつづけています。
3866はちいさなかべかざりの作品の中では最も使用頻度の高い糸です。
白ともグレーとも言えない、絶妙なニュアンスカラーでお気に入り。
この3色もよく使う淡くてくすんだ色合わせ。
738と453は単色で使うと、ゴールドとシルバーにも見える色合わせです。
minneを始めて間もないころ、いちばん初めに特集に掲載いただいた作品もこの色合わせのブローチでした。
色見本帳の最後の方にずらりと並ぶくすみカラーの中でもお気に入りのグレー3色。
モデルのアンミカさんがとあるテレビ番組で“白って200色あんねん”と発言されたように、DMCの刺繍糸はグレージュ(グレーとベージュを混ぜたような色)も豊富です。
イエローはポップな色合いよりも、色名で例えるならたまご色やくちなし色のような白が混ざっている色合いが好みです。
画像真ん中の169は他の色との色合わせ次第ではグレーにも青にも見えてくる不思議な色味。
640や3787も、色合わせ次第ではグリーンにもブラウンにも見えます。
DMCの刺繍糸は単純に青、緑、紫とは言い表せない“○色と△色の間”のような色が豊富なので、写真に収めるのが難しい...!
3813はラムネ味のアイスのような色合いでお気に入り。
天然石のような色合いのグリーンは大きな面を埋めるのではなくて差し色として用いることが多いです。
グリーンがすきなわたしにとっては刺繍糸のメーカーをDMCに絞るとなかなかビビッとくる色が少ないので、他のメーカーのものと組み合わせてみようかなと悩み中です。
ひとつ前のグリーンとはまたちがう、落ち着いた色味のグリーンたち。日本茶のようなイメージで、淡さと渋さを兼ね備えたお気に入りの色合わせです。
秋色のモチーフに使用したくなる、こっくりとした風合いの色合わせ。
単色での使用のほかに、ちいさないきもの刺繍では1本取りで毛並みの表現にも使用しています。
この3色は500色ある刺繍糸の中でもお気に入りの色合わせで、いつかこの3色だけを使って刺繍パネルを仕立てられたら良いなと思っています。
DMCのピンク〜レッドのグラデーションを眺めていると、チークやリップの色選びをしている時と似た気持ちになります。
色選びが特に難しくて苦手意識のある色味です。
3864はちいさなかべかざりの作品では面を埋める時も縁をかがる時も大活躍!
ブラウンにもオレンジにもサーモンピンクにも見える、難しくて奥の深い色合わせ。
“この色良いな”と思って初めて購入する気満々で家に持ち帰ったところ、既に持っていた色でもあります。
(刺繍をされる方あるあるだと思いたい...)
先ほど紹介したたまご色、くちなし色よりもワントーン深みのあるイエロー。
フレンチノットなどのポイント使いで使用することが多いです。
DMCの刺繍糸はちいさなかべかざりの作品では欠かせないブラウン系も色数が豊富。
3031はどうぶつモチーフによく用いています。
クリスマスやお正月の刺繍パネルに使用する、パリッとした色合いのレッド。
真っ赤ではなくて朱色に近いかな?
最後の3色も単色で使うことは少ないですがちいさなかべかざりの作品にはよく登場しています。
2.色選び・色合わせのコツ
伝わりやすいように“コツ”と表記していますが、色の勉強を専門的に学んだわけではないのでわたしが普段気にかけていることをいくつかまとめてみました。
・メインの色を決める
まずはこの色を使いたい!という色を決めてからサブの色を数色選んでいきます。
・全部で何色使うかを先に決める
ついつい好きな色をぎゅっと詰め込んでしまいたくなりますが、図案やモチーフによって使用する色数を先に決めてしまうことも大切です。
・隣り合う色との相性を考える
刺繍糸って単色で見るとどの色もとても素敵なのに、隣り合う色の組み合わせ次第で印象が大きく変わるんです。
色選びはばっちりだと思っていても、いざ刺してみると印象と違った...なんて思いながら解くことも多いです。
・色数を抑えたい時はステッチの向きを変える
ちいさなかべかざりの作品はひとつの作品に使用する色数を抑えています。
色数が増えすぎて全体がまとまらない時は、同じ色番号の糸を用いてステッチの方向を変えてみます。
以前紹介した刺繍パネルを例にあげてみると、《糸巻きの糸の部分・リボンの部分・おめめ》と《糸巻きの本体部分・ねこの体と顔》で色が違って見えませんか?
実はこれ、同じ色の刺繍糸を使用しているんです。
ステッチを縦方向と横方向にすることでこんな風に見え方が変わってきます。
3.さいごに
2週にわたって刺繍糸の色選び・色合わせのコツを更新してきましたが、
・直感を大切にする
・試し刺しをしてみる
このふたつも大切だと思っています。
手芸屋さんで“この色良いな”と思って買ってみた糸が実はもう持っていた糸だとしたら、きっとそれは自分の好きな色の糸。
そんな小さな積み重ねが、自分らしさに繋がっていくような気がします。
そして、刺繍糸の色選びはステッチや何本取りにするかで大きく印象が変わってくるもの。
トライアンドエラーの積み重ねもまた、自分らしさに繋がっていくのかな?と思います。
2週にわたって刺繍糸の色選び・色合わせのコツをお送りしてきましたが、とにかく長〜い記事になってしまいました。
ご質問をお送りいただいた方はもちろん、色選びや色合わせに迷われている方のお役に立てていたらうれしいです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
次回の更新は9月23日(金)ごろを予定しています。