3人のおばあちゃん
おばあちゃんが3人いるのは当たり前だと思っていた
おじいちゃんは、わたしが生まれる前に2人他界していたので1人しか知らない
お母さんについて話そう
と言っても母の事はあまり知らない
母は8人兄妹のしたから2番目で
兄妹が多いため
子供がいない家庭に小学生の時に養子にもらわれている
養子先では甘やかされて育てられたように聞いている
これは推測だが
母は母への甘え方を知らない
故に子供への接し方がわからない
子供への愛情はあったと思うが
遊んだ記憶が全くない
わたしの記憶は
祖母の家に預けられた記憶
叔母の店に預けられた記憶
暗くなってしばらくしたら迎えにくる母の記憶
家の記憶が少ない
家では父方の祖母とずっといた
母は働いた事がない
母はイジワルだ
母はずる賢い
母は秘密主義だ
母は女性らしかった
母の産み方の祖母と養子先の祖母、
そして同居していた父方の祖母の
3人のおばあちゃんの存在がわたしの中にいまだにしっかり濃く残っていて
宙ぶらりんのまま子供が出来てしまい結婚した母は
いまだにわたしへの接し方が不器用だ
わたしが母になれば
母の気持ちがわかると思っていたら
環境が違いすぎて一向にわからない
ただ自分が子供を産んでわかった事は
子供が母の事を心底好きな事だと思う
だからわたしも昔、いや今も、母が好きなんだ
そして母は、きっと産みの母が好きなんだ
わたしはまだ母が生きているけど
母は産みの母が他界しているので
まだ宙ぶらりんだと思う
毎日夜月を見ながら歌っていた
寂しそうな母の姿は記憶にしっかり残っている
わたしには3人のおばあちゃんと一人のおじいちゃんがいて
お年玉が3箇所からもらえてラッキーくらいに思っていたけれど
そこには母の言いたくない過去がたくさん詰まっている