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お部屋の中で遊べない子へ
家で遊べない長男のコロナ禍
我が家の長男は、小さい頃から外遊びが大好き。
家の中にいても、おもちゃで遊ぶのが苦手で、結局外に出て散歩したり、公園に行ったり、電車に乗って出かけたり・・・そうしなければ一日が終わらなかった。
わたしはインドアタイプで、できれば図書館で静かに過ごしたり、家で映画でも見て過ごしていたいタイプ。
自分とは真逆の性質の長男の育児は、わたしにとって試練だった。
幼稚園に行き始めたら、少し楽になった。
思いきり外で遊ばせてくれるので、
わたしの苦労は少しずつ和らいできたのだが、ここで始まったのが
コロナ禍だった。
幼稚園が休園になったため、
春休みに入ったまま、新学期がなかなか始まらなかった。
強制的に自宅保育が始まった。
でも、この出来事は、わたしたちのライフスタイルを大きく変えていった。
そんなときだ。友達にキャンプに誘われたのだ。
〇キャンプだったら、屋内ではないので、コロナの心配が少ない。
〇支援センターや公園のような厳しいルールがないので、自由に遊ばせられる。(もちろん保護者のモラルは必要だけどね)
これは、自由人の長男には、うってつけだった。
ここから、わたしたちの野あそびは始まっていったのだ。
彼の本能を守れるキャンプ
コロナの給付金でキャンプ道具一式を揃え、
キャンプ場ではない、林の奥で、友達家族とひっそりとキャンプを始めた。
(場所の使用許可はもちろんいただいている)
なによりも良かったのは、わたしの心が開放的になったことだ。
長男が、本能で生きるタイプだったので、わたしは支援センターでも公園でも、いつも周りに気を遣い、長男の遊び方で失礼がないか、誰かを困らせていないか、と神経をすり減らしていた。
でも、本当は、彼のやりたいように遊ばせてあげたい、とずっと思っていたのだ。
たとえば、滑り台の逆走。
あれを、上から滑るようにしないといけないとルールで決めてしまったのは誰だろう。自分たちが子どものときは、当たり前のように、下からも登った。
上から滑る人がいれば、もちろん譲る。上からと下からで、じゃんけんして勝ったほうが通る、っていう遊びをしたこともあった。
なんでもかんでも、あれはダメ、これはダメ、とルールにするのではなく、
「上から誰も来ていなければ、下から登ってもいいだろう」
と自分で判断する力を養うのも大事ではないのか?
とわたしはいつも思っていた。
モラルが守れない子や親が増えてしまった結果、そういうルールが作られるのは仕方のないことなのは理解できるが、子どもの考える力、譲り合う心、状況を把握する目、を養える場を減らしていくことは、
なにかと引き換えに大事なものを失ってはいないか?と考えていきたいところだ。
今の子どもたちは、大人が作ったルールを守れる子が良い子とされるところがある。
大人を困らせずに、自分で遊べる子。
大人が帰ろうと言ったら「はーい」と言ってすぐに帰れる子。
大人がダメだよと言ったことはやらない子。
誰にも迷惑をかけない子。
わたしの長男には、
どれも当てはまらなかった。
だから、支援センターや公園は、窮屈だった。
わたしはいつも長男を叱ったし、わたしがママ友と喋っているとそれを遮るように、長男は「お母さん見てー!!こっち来てーー!!」と泣いていた。
ところがキャンプとなると、
長男は、「良い子」になるのだった。
野生児のように、林の中で駆けずり回った。
木によじのぼり、砂地では落とし穴を作り、どこからか長い丸太を見つけてきては、それを平均台のようにして遊んだ。
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火起こしを覚え、強風でなかなか火がつかなければ1時間以上粘って火をつける努力をした。
自然に帰ろう
長男は、水を得た魚のように、生き生きと自然を楽しんだ。
「あぁ、この子に必要なのは、自然だったのだ」
わたしと夫は、ようやく長男がのびのびと育つ場所を見つけたのだった。
今まで、「自然」だと思っていた「公園」や「動物園」は、
彼にとって全然「自然」ではなかったのだ。
それは、わたしにとってもだった。
本物の自然の力はすさまじく、
深呼吸すると身体がすっきりするし、
歩くと心が弾んだ。
時間がゆったりと流れ
素直な気持ちで人と向き合えた。
その林の中で、わたしたちは3年くらいかけて
いろいろな出会いや別れ、
新しい経験を次々にしていった。
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どれぐらいの高さなら飛び降りても大丈夫かどうかは自分で考える。
そのことについて、また語っていきたいと思う。
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